不動産営業はロープレでスキルを磨こう!基本的な手順と進め方のポイント
不動産営業においては、顧客と良好な信頼関係を築き、会話をリードしていく力を身につけていく必要があります。しかし、まだ経験の浅い方にとって、どのように会話を進めていけばよいか迷ってしまう部分もあるでしょう。
新入社員が商談でスムーズに話ができるようになるためには、ロールプレイング(ロープレ)を通じた練習が欠かせません。この記事では、不動産営業におけるロープレの手順と進め方のポイントを解説します。
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不動産営業におけるロープレとその種類
ロールプレイングとは、「role(役割)」と「Playing(演技)」という2つの英単語を組み合わせた言葉です。実際に営業を行う場面を想定して、営業担当者と顧客役に分かれて、ロープレを行うのが基本的な流れです。
新人教育の一環として行われるケースが多く、自分では気づきにくい話し方のクセやトークの進め方などを実践形式で学べます。ロープレは大きく分けて4つの種類があり、特徴をまとめると次のとおりです。
ロープレの種類
|
やり方 |
得られる効果 |
---|---|---|
ケース型ロープレ |
顧客の立場に立って、 さまざまなケースを想定して行う |
実践に近い形で、顧客への 対応方法を学べる |
グループロープレ |
グループに分かれて、営業担当者と 顧客役をそれぞれ交代しながら 実施する |
顧客の視点から物事を 捉えられるようになる |
問題解決型ロープレ |
実際に起こったケーススタディを学ぶ |
さまざまな視点から 問題を解決する |
モデリング型ロープレ |
先輩社員や優秀な成績をあげている 社員のトークを模倣する |
基本的な営業スタイルを 身につけられる |
不動産営業においては、顧客が求めている物件の種類や目的などに応じて、トーク内容もそれぞれ違ってきます。社員が抱えている課題に応じて、適切なロープレを実施することが大切です。
不動産営業のロープレを行うメリット
不動産営業において、ロープレを行うことでさまざまなメリットを得られます。どのようなメリットがあるのかを具体的に紹介します。
営業スキルを向上できる
ロープレを実施すれば、先輩社員や優秀な成績をあげている社員の話し方やトークの進め方などを学べます。特に営業経験のない新入社員の場合、現場においてどのような話し方をすればよいのか迷ってしまうものです。
教育担当者と一緒になって、営業担当者と顧客役をそれぞれロープレしてみることによって、適切な言葉遣いや話し方を身につけられるでしょう。さまざまなケースを想定してロープレを行えば、営業スキルの向上につなげられるはずです。
営業の基本的な流れを把握できる
ロープレで実際の営業シーンのイメージを持っておけば、顧客と対面したときの緊張やストレスを軽減できるでしょう。新入社員の場合は、顧客を前にすると緊張からうまく話せなかったり、プレッシャーを感じてしまったりすることがあります。
ロープレを繰り返し行うことで、営業の基本的な流れを理解すれば、本番での営業を落ち着いて行えるようになるでしょう。
自社の商品やサービスについて理解を深められる
ロープレを行うことによって、自社の商品やサービスについての理解を深められるようになります。商材に関する理解が深まれば、提案方法の検討や資料作りなどに生かせるでしょう。
正しい知識を身につけておくことによって、顧客からの質問に対する回答の準備も行いやすくなるでしょう。
自分の得意、不得意が分かるようになる
営業スキルを高めるには、一人で努力しようとするよりも、複数人で学んでいくのが効率的だといえます。実際に相手を想定しながら話してみなければ気づかない部分も多く、ロープレを実施すれば適切なアドバイスを受けられるので、すぐに改善につなげられます。
また、自分の得意・不得意を客観的に判断できるようになり、営業の場面においてどのような部分を強みとできるかに気づけるでしょう。
ロープレを行う基本的な流れ
不動産営業に関するロープレを行うときの基本的な流れをまとめると、以下のとおりです。
1 . ロープレの状況設定を行う(場面・顧客・商材) 2. 各自の役割を決める 3. 状況設定を踏まえて、営業準備を行う 4. ロープレの実施 5. フィードバックを行う |
ロープレを行うためには、まず自社の顧客像を明確にしたうえで、ロープレの場面設定や販売する商材を決めます。できるだけ細かく設定することで、ロープレを進めやすくなるので1つずつ丁寧に決定してみましょう。
顧客像を明らかにするには、既存顧客の属性から探っていき、ターゲットとする層を絞り込んでいくことが大切です。ロープレの場面設定については、商談のスタートからクロージングまでの流れをプロセスごとに分けて行ってみてください。
次に、営業担当者と顧客役をそれぞれ決めて、設定した状況を踏まえて営業準備を行う時間を設けます。準備が完了したら、実際にロープレを進めることになりますが、さまざまな角度からフィードバックを得るためにも3人以上で実施するのが望ましいでしょう。
そして、ロープレが一通り済んだら、フィードバックする時間を設けます。顧客役は契約のYES・NOにかかわらず、どうしてそのような結論に至ったのかを営業担当者に丁寧に伝えることが大切です。
ロープレの効果を高めるためのポイント
ロープレの効果を高めるためには、次の点についても意識をしておく必要があります。
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それぞれのポイントについて解説します。
3人1組(営業担当者・顧客役・オブザーバー)で行う
ロープレは3人1組で行うのが望ましいといえます。営業担当者と顧客役がいるのはもちろんですが、オブザーバーが1人いることによって、客観的なアドバイスができるといえるでしょう。
2人1組で行うと、営業担当者は顧客役の意見は聞けても、具体的にどのように改善していけばよいかが見えてこない部分もあります。そうしたときに、オブザーバーの意見があることで気づきを得やすくなるはずです。
動画で記録に残し、振り返りながら学ぶ
当日参加できない人のためにも、ロープレの様子は動画で記録しておくとよいでしょう。動画を振り返りながら参加者全員で学ぶことで、良い事例や悪い事例などを全体で共有できます。
また、動画コンテンツが多くなれば、新入社員の教材として活用することが可能です。積極的に記録に残してみましょう。
さまざまなシチュエーションを想定しておく
新入社員が落ち着いて商談に臨めるようにするには、さまざまなシチュエーションを踏まえて、ロープレを繰り返し行うことが重要です。優秀な成績を収めている社員の意見なども参考にしながら、自社の顧客で想定される商談シーンを1つずつ丁寧に追っていきましょう。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:ロープレはどのような目的で行われる?
A:不動産営業においては、主に新入社員を対象として営業スキルを磨いたり、トークの進め方を学んだりするために実施します。さまざまなシーンを想定して練習を重ねておくことで、本番の営業を落ち着いて進められるでしょう。
Q:ロープレを上手に活用するコツは?
A:ロープレをうまく活用するには、営業担当者・顧客役・オブザーバーの3人1組で行うのがよいでしょう。動画で記録を残し、繰り返し学ぶことが大切です。
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