不動産賃貸・売買における物件案内のポイントは? お客さまに信頼され成約率を上げよう
物件案内は、お客さまにとって購入・賃貸を決定するための大切な工程です。営業マンにとってはお客さまとコミュニケーションをとり、信頼を獲得する場でもあります。
お客さまからの信頼を勝ち取り、成約に結びつける物件案内のポイントを「事前準備編」「当日編」に分け、それぞれ解説します。
目次[非表示]
- 1.物件案内をする7つのポイント
- 2.物件案内【事前準備編】
- 2.1.①物件案内先を絞る、追加の候補も準備する
- 2.2.②物件やエリアの下見を行う
- 2.3.③物件を清潔にする
- 2.4.④値段交渉の幅を確認しておく
- 3.物件案内【当日編】
- 3.1.⑤丁寧にヒアリングする
- 3.2.⑥情報を伝えすぎない
- 3.3.⑦物件の感想を聞き、アフターフォローを行う
- 4.まとめ
物件案内をする7つのポイント
当日までに準備しておくことは「物件案内先を絞る、追加候補を準備」「下見」「物件を清潔にする」「値段交渉の幅を確認しておく」の4つです。
物件案内当日は「丁寧なヒアリング」「情報を伝えすぎない」「物件の感想を聞き、アフターフォローする」の3つが大切です。
それぞれを見ていきましょう。
物件案内【事前準備編】
「事前準備編」として4つのポイントをご紹介します。
どのポイントも重要なものの、特に下見は念入りに行うことが重要です。下見を十分しておくことが当日の物件案内がうまくいくためのキーポイントです。
①物件案内先を絞る、追加の候補も準備する
ご案内する物件の数は先に絞っておくことが大切です。あまり多くご案内すると、お客さまの側で迷いが生じてしまい、次々と、何件も回れば回るほど決めにくくなることがあります。
3件ほどに絞っておくことで、希望に沿った物件を絞り込んだという印象も与えられます。絞り込みのためには、お客さまのご希望をしっかりと聞いておくとよいでしょう。
案内する物件を選択するための質問は「予算」「駅や希望エリア」「間取り」に加え、新築がご希望か、新築でなければ築何年程度までなら許容範囲かなどを中心にヒアリングします。
ただし、お客さまのご希望に沿って選んだとしても、必ずしも満足していただけるとは限りません。追加の候補をすぐにご提案できるよう前もって準備しておきましょう。
②物件やエリアの下見を行う
下見では以下の内容をチェックします。
- 物件の汚れ・ホコリ・シミ・カビの有無
- 照明器具、窓、エアコンなどの動作状況
- 日当たりや風通し、窓からの眺望
- 共有部分が管理されているか
ほかにも、お客さまは物件の周囲の環境も重視されます。
そのため、以下の内容も確認するとよいでしょう。
- 駅やスーパーまでの時間、距離
- 学校の有無
- 騒音、近隣住人のトラブル、防犯
- 交通量
- 公園や緑の多さ
同じ物件でも、昼と夜、平日と日曜・休日で周囲の状況は変わることがあります。たとえば、学校が近隣にあれば平日の日中はにぎやかでしょう。女性なら駅からの帰り道の人通りの有無や暗さも気になる項目です。
可能なら昼間と夜間、平日と休日の両方でご案内できると、お客さまもより納得されるでしょう。さまざまな角度からの質問を想定しての下見が肝心です。
③物件を清潔にする
少しの手間と工夫で物件の印象は変わるものです。物件を少しでも魅力的に感じてもらうためには、「視覚」と「嗅覚」に重点を置きましょう。
お客さまをご案内する直前にできることもあるものの、必要なものは必ず事前に準備しておくことが大切です。
視覚面
- 鏡を置き、部屋を広く見せる
- 家具を配置し、住んだときの様子をイメージしやすくする
- 照明器具をつける
- カーテンを開ける
嗅覚面
- 換気扇や窓を開けて空気を入れ換える
- 芳香剤を使用する(きつすぎると逆効果)
- 排水口に蓋をし、ニオイを防ぐ
お客さまによいイメージを持っていただくためには、築年数に限らず「明るさ」と「清潔さ」を意識することが重要です。
④値段交渉の幅を確認しておく
物件を見てから賃貸料や購入金額を交渉してくるお客さまもいらっしゃるでしょう。営業担当が価格を決めるわけではないため、値引きが可能か、可能ならばどの程度まで値引きができるのか、売主や貸主に事前に確認しておくことが必要です。
物件案内には売主が居住中のことがあり、そのような場合、売主も内見に立ち会うことがほとんどです。なかには、売主がいるからと直接価格交渉を始めるお客さまも見受けられます。勝手な交渉はトラブルのもとです。お客さまから直接交渉しないように「不動産会社を通して交渉してください」と伝えておきましょう。
物件案内【当日編】
事前準備をしっかりと終えたら、当日は落ち着いてお客さまをご案内しましょう。
大切なことは、お客さまの目線に立ってご案内することです。やたらと物件のアピールをするよりも、お客さまのペースに合わせ、人柄を信頼してもらうことが成約へとつながります。
⑤丁寧にヒアリングする
案内当日はお客さまと一緒に行動する時間が多く、お客さまの希望条件やニーズを掘り下げてお聞きするにもよい機会です。
希望条件を暗記しておき、その条件に沿って会話を広げます。希望条件とお客さまのニーズが一致していないこともあります。できるだけお客さまにたくさん話してもらいましょう。営業マンがうまく話をリードすることで、隠れていたニーズが分かることもあります。
お客さまの希望に沿いながら、予算に見合った物件をご紹介するためには正確なヒアリングが重要です。
賃貸や購入の動機もできるだけお聞きしたいとはいえ、プライベートに関わる質問はお客さまから話されない限り極力避けましょう。ただ、予算に関しては、賃貸の場合であっても何年間も支払い続ける可能性があるものだけに、正確に聞くことが大切です。
⑥情報を伝えすぎない
ご案内中は、お客さまにゆっくり自由に見てもらうことを優先しましょう。
その間は、積極的な営業トークは控えて様子を見ます。内見は、お客さまが物件を確認するためのものです。ゆっくりと見たいときに話しかけられると邪魔に感じてしまう人もいるでしょう。伝えたいことは先に伝えておくか、移動の最中にも伝えることもできます。
営業から物件のアピールや説明はしなくても、お客さまからの質問には迅速に回答しましょう。確認しなければいけない項目については、うやむやにせず、後日お伝えすることをはっきり約束します。曖昧に返事をしたり後日連絡を忘れたりすると、お客さまが不安を覚えてしまい、不信感につながるため気をつけましょう。
⑦物件の感想を聞き、アフターフォローを行う
無事に物件案内が終了した後は、お客さまにはぜひとも事務所に同行していただきましょう。物件を見ていただいての感想や、疑問点などお話しいただき、クロージングへとつなげます。
ただし、無理に契約を推し進めることはやめましょう。お客さまの意向を尊重し、自然な流れでお客さま自身の決断を待ちます。当日に決断できずに迷っている場合は、なぜかと質問せずに、会話して理由をヒアリングしましょう。どのようなときでも丁寧な応対が肝心です。
その場では契約が決まらなかったとしても、時期や予算等の都合で、少し先なら契約してもらえる可能性もあります。
当日契約せずに終わった場合も、アフターフォローは必ずしましょう。数日たつことでお客さまも考えが整理できていることもあるのであらためて別の物件を紹介することもできます。
まとめ
物件案内が成功するか否かは、十分な下見と事前準備にかかっていると言ってもよいでしょう。
お客さまは物件だけを見ているのではなく、契約決断には営業マンの応対も影響します。物件案内がなかなか成約に結びつかないとお悩みであれば、今回お伝えした内容を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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