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営業ノウハウ

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賃貸仲介の成約率向上のために準備したい各種チェックリスト

賃貸仲介の成約率向上のために準備したい各種チェックリスト

これまで仕事柄、不動産各社の多くの優秀な営業メンバーにお会いしてきましたが、中長期的に見て高い売上を上げ続けているメンバーのかたに共通して言えることは、「周到な事前準備」を行っていることです。反響獲得時から接客、申込手続きに至るまで想定したプランを持って営業に臨みます。一方で、なかなか売上が安定していないメンバーは、顧客対応にばらつきがあります。また優秀な仲介店舗も同様に、毎月安定的な売上を上げている店舗は、かなり細かく営業準備を行い、各メンバーに指導を行っています。

また、「周到な事前準備」とともに、「振り返りと分析」もしっかりと実施しています。これは、成績の良い営業メンバーも、仲介店舗も同様に行っています。これまでの顧客対応などを振り返り、しっかりと次回の営業活動につなげています。

では、このような優秀な営業メンバー、そして優秀な仲介店舗での「周到な事前準備」「振り返りと分析」を継続的に実行するためにどのような施策を打てば良いでしょうか?
それは、「チェックリストの作成」です。準備であれ、分析と振り返りであれ、各チェックリストを作成し、運用することで、抜け漏れを防ぎ、安定的な売上を確保できます。
​​​​​​​そこで今回は、各業務のなかで作成した方が良いチェックリストを紹介します。

関連お役立ち資料
 ≫ 身だしなみ・第一印象チェックシート

目次[非表示]

  1. 1.​​​​​​​営業メンバーの第一印象のチェックリスト
  2. 2.店舗内のチェックリスト
  3. 3.反響対応による顧客確度のリスト
  4. 4.ヒアリング時のチェックリスト
  5. 5.内見に行く前のチェックリスト
  6. 6.内見中のチェックリスト
  7. 7.営業の振り返りチェックリスト

​​​​​​​営業メンバーの第一印象のチェックリスト

よく研修などでお伝えしていることですが、営業をする際にとても重要な要素として、「第一印象」の良さがあります。いくら接客技術が高くても第一印象が悪ければ、成約率は向上しません。
店舗によっては、こうした営業メンバーの第一印象をチェックするチェック表を作成している店舗もあります。

身だしなみや、表情、声の通り方、ビジネスマナーなどを、他の営業メンバーが確認し、チェックしていきます。なかなか人に与える印象は分かりにくいこともあります。第三者からのフィードバックを受け、細かいところを改善していきながら、第一印象を良くする施策を打ちます。

店舗内のチェックリスト

来店時に店舗に清潔感がなかったり、書類が煩雑に机の上に置かれたりしている場合も、成約率に悪い影響を与えてしまいます。またスタッフの挨拶や対応などもそうです。繰り返しますが、こうした基本的なところが顧客の心理状態に影響を与えることを忘れてはいけません。とある仲介会社では、店舗の美化状態、雰囲気などを定期的にチェックするリストを作成していました。

また運用事例として、別の店舗のスタッフが別の店舗に訪問し、チェックをし、フィードバックを行います。これにより、店舗のサービス対応が大幅に向上し、成約率を向上させた例もあります。

反響対応による顧客確度のリスト

反響対応から顧客とのやり取りを行うなかで、顧客の「確度」を図ることができます。引越し理由や入居希望時期によって、その成約率は変わってきます。たとえば、転職や転勤、入学などの「引越しをしなければいけない可能性が高い理由」、またなんとなく良いのがあれば、のような「差し迫った引越しではない理由」では、それぞれの成約率に違いが生まれます。

また入居時期も、たとえば1ヶ月以内などの直近の時期と、半年以上先の時期では、成約率が異なります。

重要なところは、こうした「引越し理由」「時期」によって顧客をリスト化し、それぞれにあった営業や追客を行うことです。

たとえば、引越し理由が「転職」で入居時期が「1ヶ月以内」の顧客は、「A」にカテゴライズする。一方で、「良いところがあれば引越したい」という引越し理由、かつ入居時期が「半年以上先」のような顧客は、「E」にカテゴライズします。

この顧客分類によって、営業方法や追客方法を変えていきます。優秀な店舗は、こうしたリスト化をしっかりと店舗でルール化し、実行しています。また興味深いのは、優秀な営業メンバーは、仮に店舗内でこうしたリスト化を行っていなくても、自身でリスト化し、営業活動を行っていることです。

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ヒアリング時のチェックリスト

ヒアリングシートを使い、接客時にヒアリングをする仲介店舗がほとんどだと思いますが、それとは別のチェックリストを作成し、運用している店舗もあります。

その内容は、「問い合わせした物件の確度」「これまで内見した物件の感想」「これまで内見した物件で申し込みされていない理由」「エリアが確定しているか」「予算が確定されているか」、「引越し時期は確定しているか」などのような「顧客の状況把握」を可視化する内容になります。ヒアリングシートのみだと、あくまで顧客の希望条件を表面的にリスト化するシートになりますが、こちらのチェックリストでは、顧客の希望条件や引越し時期などが、どれだけ明確化されているかを確認するリストになります。

こうしたチェックリストがあると、ヒアリングの精度が変わりますし、その後の提案でも大いに役立ちます。

内見に行く前のチェックリスト

優秀な仲介メンバーは、内見に行く前にいくつかのことをチェックして内見に行きます。「内見する物件の初期費用を伝えたか」「内見する物件の周辺環境、駅までの動線を確認頂いたか」「物件の写真、動画を使っての確認」などがそうです。

内見に行く前にこのあたりの項目を押さえて行くのと、そうではない場合とでは、成約率に変化が現れます。実際に、上記のような項目をおさえて内見に行くと、「思ったよりも初期費用が高かった」「物件周辺の立地の雰囲気が悪かった」「部屋のなかのイメージが違った」というような誤解を事前に防ぐことができます。

内見前にこうした確認を忘れずに行い、内見に行くことで成約率を向上させることができます。

内見中のチェックリスト

内見中、忘れがちなのが共有部のゴミ捨て場の確認や駐輪場などの確認です。また、居室部ではコンセントの位置や冷蔵庫置き場、洗濯機置き場の寸法などを確認し忘れることがあります。

こうした内見時に忘れがちなところをチェックリストにし、現地でスマホを使って確認します。特に仲介営業を始めたばかりの新人のかたには、とても有効なチェックリストになります。

営業の振り返りチェックリスト

接客後に、その時の接客対応について振り返りを行う。営業において、事前準備と同じぐらい重要なことは、振り返る時間を作ることです。接客終了時などに「ヒアリングの抜け漏れ」「希望条件の確定」「テストクロージングの実施」「内見前の確認」「内見時のクロージング」などをチェックリスト化します。また同様のリストに、振り返りの項目として、「成約に至った理由、至らなかった理由」を入力する箇所を作ります。こうしたひとつの接客を振り返ることで、今後の営業活動の改善点を早期に見つけることができます。

以上のようなチェックリストを店舗内で運用し、全体の売上の底上げを目指していただければと思います。また、もし仮に店舗で実施しなくとも、営業個人で試しに運用してみても良いでしょう。こうした確認作業を自分の仕事のルーティンに取り込むことで成約率を大きく向上させることができます。

頭では、「これを確認しないと」や「これを伝えないと」と思っていても、すべての顧客にそれを実践できるかと言えば、こうしたチェックリストがなければかなり難しいのではないかと個人的に感じます。是非、成約率向上のために、チェックリストの作成、運用をお試しいただければと思います。

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株式会社南総合研究所 南 智仁
株式会社南総合研究所 南 智仁
1978年生まれ。不動産会社に勤務後、大手ポータルサイトに入社。退社後、株式会社南総合研究所を2018年に設立。大手から中小不動産会社様向けに幅広くコンサルタント支援を実施。支援業務として、経営戦略の策定から実行支援。またクライアント独自の不動産業務改善、オリジナル研修等を提供。特に賃貸仲介業の売上向上支援や賃貸管理業務の生産性向上支援は、クライアントから高い評価を得ている。

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