不動産売却の相談をされたら確認したいヒアリングポイントを解説! 信頼される営業担当者になろう
不動産売買の業界において「売主に対するヒアリング」は非常に大切です。
物件に瑕疵(かし)があることを知らずに買主へ売却した場合、会社にとって損となるだけでなく売主の責任問題に発展するケースがあります。
本記事ではヒアリングのコツをお伝えします。
目次[非表示]
- 1.不動産売却の相談をされたときのヒアリングポイント
- 1.1.なぜ物件を購入したのか
- 1.2.売却を検討する理由
- 1.3.物件情報やパーソナルな情報
- 1.4.財務計画
- 1.5.設備やリフォーム歴の確認
- 1.6.隣接地との境界に関する決め事
- 1.7.土地の価値を下げる情報の有無
- 1.8.建物の価値を下げる情報の有無
- 2.ヒアリング時の注意点
- 2.1.相手が緊張しないように話す
- 2.2.顧客に主体的に話してもらう
- 2.3.相手の言うことを否定しない
- 3.まとめ
不動産売却の相談をされたときのヒアリングポイント
顧客と不動産の売却について相談する際には、聞き出しておきたい情報が多数あります。
売主が話すべき内容をすべて把握しているわけではないため、相手から必要な適切な情報を引き出さなければなりません。
営業担当者としての腕を試されるシーンです。
なぜ物件を購入したのか
初めに聞いておきたい項目として「物件の購入理由」があります。
顧客は物件の売却が理由で来ているため、購入理由についてのヒアリングはおろそかになりがちなポイントです。顧客がいつ物件を買っているかを聞くことで、今後の買主目線で物件の魅力を把握できます。
また、購入理由を聞くことで得られる潜在的な情報は、顧客の過去や性格などです。
これらの情報は今後顧客と話を進めるうえで大切な情報となるため、必ず聞いておきましょう。
売却を検討する理由
売却理由は不動産売買の相談をする中でも核になる情報です。わざわざ自分が所有している物件を売ろうと考えるには、相応の理由があります。
売却理由を聞くことで、売主の考えが分かるだけでなく、買主も不安なく買い取れます。売却理由を聞く際には、売主の理由が1つではない可能性をあらかじめ考えておきます。売主の多くは1つの理由だけで売却に踏み切っているわけではありません。
誰にでも言える売却理由のほかにある、売却に踏み切った最大の理由を聞き出せれば、一人前の営業担当者だといえるでしょう。
物件情報やパーソナルな情報
物件売却に関する営業以前の問題として、話すなかで必ず物件や売主の基本情報を確認しましょう。
聞くべき情報は購入価格、他社への売却を検討しているか、電話がつながる時間や顧客の家族情報などです。ただ聞き出すだけでなく、登録情報と売主の言及が一致しているかを欠かさず確認します。
聞き出し方についても、ただ業務的に質問していては顧客との信頼関係は築けません。顧客には、あまり話したくない情報も少なからずあります。
会話を通じて打ち解けられれば、自然と情報を提供してくれるでしょう。
財務計画
不動産を扱うにあたっては、残債務の状況を含めた財務計画を聞き出しておくことは必須です。
売却の相談では、こうした売主しか詳細に知らない情報を優先して聞き出すことが重要です。特に財務計画は投資の際に損失になりうるポイントです。
設備やリフォーム歴の確認
物件の設備については細かい情報を含めて詳しく聞き出します。今備え付けられている設備について状態や不具合を聞くほか、忘れずに聞いておきたい情報がリフォーム歴です。
今の物件だけでは見えない情報も逃さず聞き出すことが重要です。
隣接地との境界に関する決め事
一戸建て物件の場合、隣接地との境界を把握することが大切です。
買主が隣人トラブルを避けられるように情報を聞き出します。持ち主が変わってからライフラインの撤去を要求された事例もあるため、今の持ち主では問題になっていないとしても、必ず確認をしましょう。
土地の価値を下げる情報の有無
不動産も売り物である以上、価値を下げる情報については確実に把握することが大切です。
物件の地下に埋まっているものはないか、建物の基礎はどのようなつくりか、土壌汚染が起こっていないかなど、物件の過去に関する情報を詳しく聞き出します。
その土地に、過去建てられていたものや、地盤の硬さなども確認しておきましょう。
そのほか、周辺の設備や騒音源・振動源といった周辺の状況も土地の価値に関わるため、調査するだけでなく売主から直接聞きます。
建物の価値を下げる情報の有無
不動産は土地の価値だけでなく建物自体の価値も重要です。
自殺や事件が起こった物件、いわゆる心理的瑕疵物件や、問題のある近隣住民などが建物の価値を下げる要因としてよく挙げられます。
ペット飼育の可否や、喫煙の可否、楽器演奏の可否など、居住時に条件としてよく提示される内容も建物の価値を決めるものです。こうした情報には売主しか知らない情報もあるため、うまく聞き出せるかというところに、営業担当者としての腕前が問われます。
ヒアリング時の注意点
ヒアリングはただ事務的に必要な情報を聞くだけではありません。顧客との信頼関係を築くために、さまざまな気遣いをすることが重要です。
ここからは、ヒアリングをする際の注意点やコツについて紹介します。
相手が緊張しないように話す
顧客目線では、不動産会社はその道のプロのため、自分が不利になるのではないかと考えてしまい、緊張してしまうこともあります。緊張した状態では会話がうまく運ばないこともあるため、うまく緊張をほぐすことが重要です。
緊張した顧客に対しては物件売買とは直接関係のない雑談を挟み、顧客との距離を縮めましょう。話題だけでなく、表情や身振り手振りも大切です。相手にポジティブな印象を与えられるように、笑顔を心がけます。
顧客に主体的に話してもらう
売買相談では顧客の発言が中心になることが望ましいといえます。
営業側が、一方的に会話のイニシアチブを握ってしまうと「話を聞いてもらえない」「口車に乗せられているのではないか」などと顧客に思われてしまいます。
必要に応じて顧客の疑問点に答えたり、顧客の話に相づちを打って聞いたりして、バランスよく話す必要があります。
顧客をコントロールしようとするのではなく、顧客が自分と対等な立場だと思えるような会話を意識しましょう。
相手の言うことを否定しない
不動産売買に限らず、営業として会話する際には相手の発言を否定しないことに専心することで、よりよい成果が得られます。
顧客の発言に対して違う意見があったとしても、一旦顧客の考え方に理解を示すことが、顧客との信頼関係を築くうえでは重要です。
物件の瑕疵を隠している疑いがあるなど顧客が悪いケースにおいても、顧客の言葉を頭ごなしに否定するのではなく、スマートに聞き出すことを意識しましょう。
また、直接的な否定の言葉だけでなく、受け取り方次第で否定的だと取られかねないような表現にも注意を払います。
まとめ
本記事では不動産売却の相談に対応する際の注意点を解説しました。
不動産売買で重要なことは、会話の内容をうまく整理し、情報をうまく引き出すことです。顧客との会話を通して信頼関係を築き、多くの成果を上げられるよう意識しましょう。
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