メール対応を面談につなげるオープンクエスチョン
前回は、「質問の目的を明確化することとその伝達」についてお話ししました。
しかし、質問の目的を顧客と共有しても、顧客が回答しようと思える質問を投げかけなければ、返信をもらえませんよね。
そこで今回は、前回のテーマの質問をさらに深掘りしていきます。今回の重要キーワードは「オープンクエスチョンの活用」です。返信がもらえる具体的な「質問」の効果的な使い方に焦点を当ててお話ししていきたいと思います。
1.オープンクエスチョンとは
オープンクエスチョンという言葉をご存じでしょうか。オープンクエスチョンとは、1つの正解がはっきりと決まっていない質問のことです。また、回答者に詳細を説明してもらう質問のことを指します。
一方、「はい、いいえ」で答えられる質問をクローズドクエスチョンといいます。不動産購入に慣れていない顧客多くは「何を聞いたらよいのか分からない」「何が自分の本当の希望か分からない」などという漠然とした状態で、不動産情報を収集しています。
そのような方に対して、「そのほかにご希望はございませんか?」と質問していませんか?そういった質問をしても、返信メールは送られてきません。なぜならば、何を答えたらいいかを顧客自身も分かっていないからです。
2.質問はメリットを具体的に
返信をもらうためには、より具体的な文章表現をすることが大切です。顧客に質問を答えていただくためには、顧客に「この質問への回答は自分にメリットがある」という認識を持っていただく必要があります。
例えば、「予算内で新築住宅をお探しですか?」の質問だけでは「はい、いいえ」で終わってしまいます。この質問を「住宅をお探しの際、これだけは譲れないという条件や、家を買うならこんな生活がしたいというような希望はございますか? 予算と希望に合わせたよい物件をお探してお送りしたいと思います。」と変えたらどうでしょうか。このような質問ですと、答えるメリットも感じられますし、顧客自身が持つ思いをしっかりと語ってくれるようになります。
ほかにも、「近くに学校や公園へのアクセスが必要ですか?」「ペットを飼っているか、または飼う予定はありますか?」などの質問よりも以下のような質問が効果的です。
「現在のお住まいの周辺環境で、ここは絶対に近くに欲しいというようなお店や施設はありますか?」
「せっかく家を買ったら家でやりたいことなどはありますか? そのような希望がかなう物件をピックアップしたいと思います」
これらは、意図が明確に分かりやすいため、質問にも応じていただきやすくなります。
3.オープンクエスチョンは面談につながる
まだ会ったことのない営業担当者と顧客という関係では、一方的な質問には答えたくないと思うは当然です。そのため、せっかくの物件選びを失敗してほしくないのであれば、顧客の事前情報をうまく引き出し、ニーズを捉える質問をしていきましょう。
オープンクエスチョンは、営業担当者にとって重要な武器となります。顧客の要望を理解し、信頼を築くことで対面でのご案内につなげていくために、どんな質問を投げかけようか、しっかりと準備をして行動してほしいと思います。
その質問を通して信頼関係が構築できれば、「この営業担当者とは会ってもいいかも」という感情を顧客に与えることができます。すぐに「お会いしましょう」とアプローチするのではなく、メールを通して、オープンクエスチョンを通して焦らずに信頼関係を構築してください。
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