訪問査定につなげるためのポイントとは?
売買仲介会社にとって売却物件の獲得は、非常に重要なポイントになります。また、売却物件を獲得するために物件査定を行いますが、物件査定には、取引事例などのデータを基に行い査定内容をメールなどで連絡する「簡易査定」と、売却検討者の所有する物件に伺い、実施する「訪問査定」があります。ご存知のように、売却物件の獲得率が高いのは、「訪問査定」のほうになります。
興味深いのは、この「訪問査定」につなげるのがうまい不動産会社とそうではない不動産会社があることです。また訪問査定につなげるのがうまい不動産会社には、共通点もいくつかあります。
今回は、訪問査定につなげるためのポイントを紹介したいと思います。
目次[非表示]
- 1.顧客が安心して訪問査定を受け入れるような不動産会社になる
- 1.1.顧客へ好印象を与える
- 1.2.初期対応で信頼関係を構築する
- 1.3.デジタルマーケティングの活用
- 2.他社と差別化する訪問査定獲得のポイントは?
- 2.1.具体的な対応のポイント
- 2.2.顧客へ提供できるサービスとは?
- 2.3.他社との差別化ができるサービスとは?
顧客が安心して訪問査定を受け入れるような不動産会社になる
顧客へ好印象を与える
まずそもそも知らない人を家に上げる、そして自宅の価格を査定されることは、かなり顧客の心理的ハードルが高いことになります。そのために、まず顧客に対して自社のブランドイメージの強化をすることは、かなり大きなメリットになります。
一貫した自社の事業メッセージやビジュアルを通じて、プロフェッショナルな印象を与えます。ロゴやウェブサイトのデザイン、社員の名刺や服装などに統一感を持たせることが重要です。そしてそれをホームページで積極的に掲載していきます。ちなみに、訪問査定案件の獲得が多い不動産会社に共通していることのひとつとしては、自社のイメージをうまく発信していることがあげられます。
また、それと同時に訪問査定獲得がうまい不動産会社の共通点として、社員への教育が行き届いていることもあげられます。営業社員が最新の不動産市場の動向や法律について熟知し、プロフェッショナルな対応ができるように継続的なトレーニングを行うことで、顧客への印象アップを図ることができます。
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初期対応で信頼関係を構築する
まず初期対応で重要なのは、対応のスピードと、丁寧さです。査定サイトやホームページからの問合せに対して、迅速かつ丁寧に対応することで、初期段階から信頼感を築くことが重要です。当然のことながら、いきなり訪問査定を希望する顧客は多くありません。
まずは、簡易査定などのメール等での相談からスタートするケースが圧倒的に多いかと思います。ですので、初期対応が悪い場合は、訪問査定へつなげる確率が圧倒的に低下します。今いちど社内の問合せの対応スピードなどを見直してみてもよいかもしれません。
また、対応のスピードだけではなく、その返信内容も重要です。市場動向や物件の詳細情報について豊富な知識と適切なアドバイスを返信内容に入れることで、顧客に信頼される存在となることが重要になります。
デジタルマーケティングの活用
顧客は、知らない不動産会社に訪問されるよりも「聞いたことのある」、「見たことのある」不動産会社に訪問されたほうが安心です。そのために売却検討者向けにウェブでの発信を行います。たとえば、不動産関連の情報や査定に関する記事をウェブサイトやブログに掲載し、SEOを強化します。これにより、自然検索からの問合せを増やすことができますし、自社の認知度を向上させることができます。また、ソーシャルメディアを活用して、ターゲット顧客に向けた広告や情報発信を行います。
こうしたデジタルマーケティングの活用は、すぐには成果は出ませんが、地道に続けることで訪問査定の獲得増加の後押しになります。
他社と差別化する訪問査定獲得のポイントは?
具体的な対応のポイント
それでは、ここから訪問査定へつなげるための具体的な対応方法について3つのポイントを紹介していきます。
まずひとつ目のポイントは、「なるべくオンラインや電話を訪問に至る前に挟む」ということです。いきなり査定サイトや自社ホームページの問合せなどの反響に対して、訪問の打診をしても、なかなか訪問に結びつきません。「反響対応→電話やオンラインで営業社員の人となり、顔を覚えてもらう→訪問査定」という流れがベストでしょう。
ふたつ目のポイントは、「訪問査定の流れを詳細に説明する」ということです。オンラインや電話で訪問査定の流れや所要時間などを説明します。これにより、顧客は具体的な訪問査定のイメージがつきやすくなります。
最後のポイントは、訪問査定前に「他社との違い」を明確に打ち出すことです。詳細は、後程説明しますが、訪問査定前のメールのやり取りや、オンラインもしくは電話での打ち合わせ時に、他社と異なる自社独自のサービスを説明します。
顧客へ提供できるサービスとは?
訪問査定につなげるために、訪問査定時に自社独自のサービスを提供します。こちらのサービス内容をホームページに掲載したり、初期対応のメールの文言などに入れておくとより効果的になります。よくあるケースとしては、市場分析レポートの提供などがこれにあたります。訪問時に詳細な市場分析レポートを提供することにより、顧客が訪問査定の価値を理解しやすくなります。
さらに過去の成約事例や顧客の声を紹介することで、顧客に安心感を与えます。こちらもホームページ等に掲載しておくことでより顧客から訪問査定のハードルを下げる手助けになります。
他社との差別化ができるサービスとは?
最後に訪問査定につなげるために他社と差別化できるサービスについて紹介したいと思います。おおまかに、訪問査定時のサービスと売却活動の内容で、差別化できるポイントは2つあります。
まずひとつめのポイントとして、訪問査定時に他社と差別化できるサービス内容を紹介します。
訪問査定時に他社と差別化できるサービス内容
・リアルタイム査定ツールの提供
訪問中にタブレットやスマートフォンを使ってリアルタイムで査定結果を見せるツールを導入します。これにより、迅速かつ透明性の高い査定プロセスを提供し、顧客の信頼を得やすくします。
・VR・AR技術の活用
バーチャルリアリティ(VR)や拡張現実(AR)を活用して、物件のリノベーション後の姿を見せることができるサービスを提供します。これにより、物件の潜在価値を視覚的にアピールでき、顧客に具体的なビジョンを提供します。
・パーソナライズドレポートの提供
訪問査定後、顧客のニーズや物件の特性に応じた詳細なパーソナライズドレポートを即座に作成して提供します。一人一人の顧客に対して特別な対応を行っていることを示し、満足度を高めます。
・査定時のプチギフト提供
訪問査定時に、小さな感謝の気持ちとしてプチギフト(エコバッグ、コーヒーカップ、地域特産品など)を提供します。これにより、顧客に対して感謝の気持ちを示し、良い印象を与えます。
・動画レポートの提供
訪問査定後、査定のポイントや物件の特徴を動画にまとめて顧客に提供します。視覚的にわかりやすく、後から見返すことができるため、顧客にとって便利で理解しやすいです。
次に売却活動の内容において、他社との差別化を図ることができるサービスを紹介します。
売却活動の内容において、他社との差別化を図ることができるサービス
・ホームステージング
プロのデザイナーによるホームステージングサービスを提供し、物件を魅力的に演出します。このサービスを提供することで、物件の見栄えを良くし、購入希望者に対して良い印象を与え、成約率を高めます。
・プロフェッショナルフォトグラフィー
専門の写真家による高品質な写真撮影を行い、広告や図面に使用します。きれいな写真が物件の魅力を最大限に引き出し、オンラインリスティングでの注目度を高めます。
・成約後のアフターサービス
売却後のサポートとして、引越しサービスや新居探しのアシスタンスを提供します。これにより、顧客の満足度を高め、リピーターや紹介による新規顧客獲得につながります。
以上が他社との差別化を図るポイントになります。
冒頭に述べたように訪問査定案件の増加は、そのまま売却案件獲得増加に大きく関わってきます。ぜひ、参考にしていただき、多くの査定訪問の獲得をしていただければと思います。