賃貸版_不動産接客対応 東日本 vs 西日本 from 接客グランプリ2024-2025
接客グランプリ2024-2025(以降接客グランプリ)の調査データから、東日本と西日本の得点と平均得点率を比較してみました。両地域のサービスレベルにおける特異な傾向とその背景を探っていきます。
※本コラムでは東日本を「関東甲信越・東北・北海道」で定義しています
総合得点と満足度
調査によると、西日本が総合得点で151.4点、東日本が143.8点と、西日本が優勢でした。また、総合満足度でも西日本が73.13%、東日本が67.18%と高い数値を示しています。全体的に西日本の接客サービスが顧客に対して好意的に受け入れられていることを示しています。
各項目での比較
・店舗および車内の印象:両地域とも高得点でしたが、西日本(95.08%)が東日本(92.71%)をわずかに上回っています。車内の印象もほぼ同水準で、西日本がわずかにリードしています。
・メール対応:ここでは東日本のサービスが若干上回っており、78.45%の満足度を示しています。また各エリアともにメール対応に併せてLINEやSMSへの誘導が入った対応が増えてきました。お客様も電話・メール以外の選択肢が増えることで、対応しやすくなったという声があがっていました。
なお、西日本の調査員コメントでは「印象に残ったことは、メールの下部に担当スタッフさんの写真付きプロフィールがあったことです。どのような方が担当なのかと不安に感じていましたが、写真付きで趣味などのコメントもあり、とても安心感がありました」
このような他社とは違う対応が顧客から高評価を得られていました。
・電話対応:東日本が90.48%と、西日本をかなり引き離しています。電話でのコミュニケーションにおいては「ハキハキと話す」「希望を聞いてくれた」「気を付けてお越しください、という終話」が、特に良好な印象を与えているようです。
・来店対応:メールや電話とは逆に、西日本が82.46%の高評価を得ており、東日本の70.40%を大きく上回っています。東日本ではメールや電話といった事前の対応で評価を得られていますが、半面他項目では西日本の評価が高く出る結果となりました。これは、来店前の対応と実際のサービス提供時の印象が大きく影響していると考えられます。
営業面での評価
営業担当者の好感度と信頼度は西日本が若干高く、数ポイントの差ですが、顧客からの信頼感を得ていることが伺えます。物件選びのポイントに関する説明や将来のイメージ共有といった面でも、西日本が東日本を上回っており、顧客に納得感を与えるコミュニケーションがなされていたと推測できます。
物件選びのポイントでは「治安や防犯面」「営業担当者の経験談」「条件の優先付け」、将来のイメージ共有では「家族構成に応じた住み方の提案」「防音性や足音など住んでわかる気付き」といったトークが評価されていました。
総括
全体の結果から、接客グランプリ2024-2025においては、西日本のサービス品質が高評価を得ていることが浮き彫りになりました。特に対面でのコミュニケーションやサービス提供の場面での印象が顧客満足度に大きく貢献しています。
一方で、東日本もメールや電話対応で高評価を獲得しており、それぞれの地域での強みが顕在化しています。今後、両地域の長所を取り入れ、業界としてさらなるサービス向上を目指していきたいですね。
次回「接客グランプリ2026」へのエントリーも始まっています。この機会に、ご自身の店舗や接客対応を客観的に振り返り、課題に応じた研修などのサポートを考えてみてはいかがでしょうか。
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