過去の反論を生かした対策づくり
前回は反論処理とは何かと、反論処理を先回りするという発想についてお話ししました。不動産営業において、反論が出てから焦って説明するのではなく、事前に反論されないよう準備することが大切です。
今回はその反論処理を先回りするための事前準備について解説します。
反論処理のコンテンツ洗い出し
反論処理を先回りするためにやるべきことは、どんな反論に対して先回りしておくかを準備しておくということです。
たとえば、
①過去に失注になった理由
②最終的に成約になったが顧客が示した懸念
③その他、電話やメールでくる問合せや質問等
まずはこのあたりの洗い出しが重要です。
特に、「こういう理由で他社に決まってしまった」などのコンテンツは、営業成績を伸ばすために特に重要です。そのため、ぱっと思いついたものだけを洗い出すのではなく、様々な角度から思いつく限り書き出すことが重要です。
また、仲間や上司の方とも話し合いながら、コンテンツの洗い出しを行うと、より精度の高い先回りコンテンツをつくることができるようになります。
コンテンツを洗い出す際の注意点
営業成績を上げるためにも、洗い出しを行う際は、抽象的な言葉ではなく、具体的な言葉で洗い出すことがポイントとなります。
たとえば、
「他社の営業担当者が優秀だった」
「他社のほうが安い」
このような定義だと、具体的にどんな先回り策を考えるべきかを考えることができません。
この場合は、
「他社の営業担当者は当社よりも初動が早い」
「他社のほうがクロージングの際に仲介手数料の値引き額が大きい」
などと具体化しておくことで、先回りのトークを考えやすくなります。
また、あなた自身で解決できないテーマを掲げても結果にはつながりません。「他社の物件のほうが魅力的だった」というのは、仕入れを強化するという対策はあるものの、目先の顧客に対する反論処理ができるものではありません。
同様に「他社のほうが大手でブランド力がある」と言われても、あなたが会社のブランドを大手レベルまで引き上げることは難しいと思います。
この場合は以下のように、自分自身で解決できるテーマに落とし込みます。
たとえば、
「自社でも案内できるのに、他社に内覧の依頼をされている」
→どうしたら他社の物件でも自分が案内できるようになるか?
「知名度を理由に他社と契約が決まっている」
→どうすれば知名度がなくても契約が取れるか?
自分で解決できないテーマを掲げても、会社にしてもらうのを待つだけになってしまうと、自身の営業成績が伸びません。そのため、上記のように、自分の工夫で解決できる視点に置き換えましょう。そして、その視点で反論処理を先回りする方法を考えていきましょう。
では、テーマが決まったらどういう方法で先回りをしておくのか、その「反論処理を先回りするための手法」については次回お話しします。
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