反論処理を先回りするための手法
前回は、過去の反論を生かした対策づくりをテーマに「自分自身で解決できる」ことを考えました。
今回は、
「自社でも案内できるのに、他社に内覧の依頼をされている」
→どうしたら他社の物件でも自分が案内できるようになるか?
「知名度を理由に他社と契約が決まっている」
→どうすれば知名度がなくても契約が取れるか?
など、いまの課題を自分の工夫で解決できる視点を持ったうえで、どのようにこの課題を解決するかについて、お話しします。
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客観的で顧客目線での反論を行う
反論を考えるときに一番大切なのは、「客観的であること」です。
うまくいかないのは、売り手の自己主張と捉えられるような、営業する側の目線で顧客を言いくるめるような説明です。
「自社でも案内できるのに、他社に内覧の依頼をされている」
→どうしたら他社の物件でも自分が案内できるようになるか?
このテーマでいうと、
「他社の物件も私が案内できますので、私にお任せください」という回答では、顧客としてはこれを受け入れる理由がありません。ポイントは、顧客のメリットです。顧客にとってそれを受け入れることにどんなメリットがあるのかを明確にします。
例えば
・多くの不動産物件は不動産会社が共有しているので、会社によって扱える物件に変わりがないこと
・不動産会社を変えると毎回、イチから説明する必要があること
・伺った条件で他社物件を自分が調べて提案することができるということ
・いろんな会社から連絡が入ったりするのを防いで電話対応が簡潔になること
など、不動産会社を一社に絞ることの価値を、客観的かつ顧客にメリットがある形で伝えてください。
顧客は売り手のメリットのためには行動しません。あくまでも自分のメリットがあるときにだけ行動する、という前提に立って、あなたの提案を受けることのメリットを常に伝えていくようにしてください。
弱みを強みに変える
弱みを強みに変える、という視点は、一見弱みに思えるものの見方を変えて、強みとして打ち出すという手法です。
「知名度を理由に他社と契約が決まっている」
→どうすれば知名度がなくても契約が取れるか?
このテーマで考えてみると分かりやすいですが、大手は確かに知名度があって企業としての安心感が強みになります。しかし、見方によっては弱みにもなるとも考えています。
例えば大手の場合
・担当者の異動が多く、同じ担当者がずっと同じ営業所にいない
・社内のルールがあるので柔軟な対応ができない
・社内承認フローなどが複雑で決断に時間がかかる
・営業担当者の数が多いため、担当者ごとのスキルに差がある
などといった弱みが隠れているかもしれません。
そのため、中小の不動産会社が顧客と向き合う際は、
・担当者の異動がないため、同じ担当者がずっと対応できる
・フットワークが軽く柔軟に対応ができる
・すぐに上長と交渉して値引きなどにも対応しやすい
・その地域を熟知している担当者が顧客の案内ができる
などの強みを打ち出していくことができます。
このような価値を、営業担当者が顧客に伝えることができれば、いままで弱みになっていたポイントをクリアすることができるようになりますので、ぜひ一つ一つのテーマに対して検討してみて下さい。
弊社では、不動産営業担当者向けの実務者研修のほか、幹部育成、新人育成なども行っています。トップ営業が実践している顧客対応のコツや、マーケティング知識の向上、離職率の低下など、現場で培った実践ノウハウを、講師が直接お伝えします。
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