視覚で顧客の不安を安心に変えるコツ
前回は、不安要素に対する説明を組み立てるという視点で、トークの組み立て方のコツについてお話ししました。
今回は、「クロージングを成功させる4つの視点」の4つ目となる「目で見て安心させる」という点についてお話しします。
①クロージングがうまくいかない王道パターン |
「説明に資料は不要」の誤解
目で見て安心させるとは、つまり「資料で説明する」ということです。
しかしこの話を、成果を出しているベテラン営業の方に話すと否定されます。
「営業は目の前のお客様に合わせて話さないと成果は出ない」
「資料を使っているようじゃまだまだ半人前」
このようなことを言われることが多いです。
しかし、ベテランの人のように資料が無くてもうまく伝わるようになるには、時間がかかります。そのため、早く成果を出したいのであれば資料にするほうが、成果を早く出せるケースが多いです。
資料にするメリット
資料を作ることで営業活動において次のようなメリットがあります。
- 行うべき説明を正しく伝えられる
- 顧客が安心しやすくなる
資料にすることは、営業担当者の伝え漏れが減るだけでなく、視覚で情報が伝えられるというメリットがあります。
人のコミュニケーションは、視覚・聴覚・言葉の3つで構成されており、そのうち視覚が55%を占めていると言われています。(メラビアンの法則)
そのため、口頭での説明ではコミュニケーションとして45%しか伝わらないのに対して、プレゼンテーション資料に口頭説明を組み合わせることで、聞き手がより理解しやすくなります。
テレビやYouTubeなどで、口頭説明しながらスライドやボードで情報を伝えているシーンを連想してみると分かりやすいと思います。
もう一つ重要なのは「安心」です。
口頭のみで説明を受けている顧客の心理としては
「口がうまいだけで、嘘を言われているんじゃないかな」
「会社の意見とかではなく、この人の主観で言われているだけなんだろうな」
「後で、言った・言っていないのトラブルにならないかな」
などと、不安を抱く結果につながります。
資料にしておくことで、
「これは誰にでも同じ説明をしている内容なんだ」
「会社としても正式な見解・回答なんだ」
「ちゃんと記録が残るから安心」
などの安心感に変えることができ、説得力が飛躍的に増すのです。
資料の使いどころのポイント
どのような説明を資料にした方がいいかというと、
- 顧客からのよくある質問
- 顧客が心配するポイント
- 顧客が契約しない理由
上記のいずれかに該当するものは、一つずつでも資料としてまとめておくことで、営業失注率を下げていくことができるようになります。
全3回にかけてクロージングを成功させる下記4つの視点についてお話ししました。
①クロージングがうまくいかない王道パターン
②不安要素を確認する
③不安要素に対する説明を組み立てる
④目で見て安心させる
これらのポイントを意識して今後の営業活動に活かしていただけましたら幸いです。
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