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LGBTQ接客チェックリストを生かしてみよう! 賃貸仲介におけるポイント

LGBTQ接客チェックリストを生かしてみよう! 賃貸仲介におけるポイント

近年、ニュース報道やインターネットなどで、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)に関する話題に触れる機会も増えました。多様な性のあり方を尊重する動きが生まれているなか、先進的な企業や団体では、LGBTQの顧客と接する際の配慮に力を入れるケースも多くなっています。

今回は不動産会社の営業担当者に向けた『LGBTQ接客チェックリスト』をテーマに、つくられた背景や内容、実際に活用する際のポイントをご紹介します。

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目次[非表示]

  1. 1.LGBTQ接客チェックリストとは?
  2. 2.LGBTQ接客チェックリストがつくられた背景
    1. 2.1.LGBTQとは
    2. 2.2.セクシュアル・マイノリティ特有の課題
    3. 2.3.LGBTQ接客チェックリストの意義
  3. 3.LGBTQ接客チェックリストの内容
    1. 3.1.初級編
    2. 3.2.上級編
  4. 4.賃貸仲介におけるポイント

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LGBTQ接客チェックリストとは?

『LGBTQ接客チェックリスト』とは、2021年4月からLIFULL HOME'Sが提供しているチェックリストです。あらゆる人の“したい暮らし”を実現する取組みである「LIFULL HOME'S ACTION FOR ALL」のプロジェクトの一環として、LGBTQフレンドリーな不動産会社である株式会社IRISの監修により制作した業界初の取組みです。

LGBTQ接客チェックリストでは、セクシュアル・マイノリティの方々にまつわる住まいの問題に注目し、不動産会社が接客の際に活用できるようなチェック項目がまとめられています。電通ダイバーシティ・ラボの「LGBT調査2020」によれば、日本の人口のうちLGBTQ当事者が占める割合は8.9%とされており、決して少なくないことが分かります。

これまで見過ごされてきた課題に向き合うために、LGBTQフレンドリーと称する企業やサービスは増えており、それは不動産業界でも例外ではありません。こうした社会的背景において、LGBTQ接客チェックリストはさまざまな場面での活用が期待されるサービスとして注目を集めています。

LGBTQ接客チェックリストがつくられた背景

LGBTQ接客チェックリストは、そもそもどのような背景で生まれたものなのでしょうか。ここでは、LGBTQに関する基本的な要素も踏まえて解説します。

LGBTQとは

LGBTQとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時の身体的な性別とは異なる人)、Questioning(クエスチョニング、性自認や性的指向が定まっていない人)ないしQueer(クィア、男女という性や異性愛を前提としない個人の主体性に価値基準を置く概念)の頭文字をとった略称です。セクシュアル・マイノリティを示す総称として用いられるケースが多く、前述のように日本の人口の1割程度が、LGBTQ当事者であるというデータも示されています。

セクシュアル・マイノリティ特有の課題

セクシュアル・マイノリティは、これまで社会的な偏見や無意識による差別、不十分な社会制度などにより、何らかの損失や困難に見舞われる場面が多くありました。現在では社会的な認知が進んできたものの、依然として目に見えない不自由や生きづらさといった課題は残されています。

不動産の分野においても、LGBTQ特有の課題はさまざまな場面で起こり得ます。たとえば、「不動産会社でカミングアウトすることにストレスを感じる」「名前や性別欄を記入する際にためらいがある」といった心理的なハードルから、不動産会社へ足を運ぶことに抵抗を感じてしまうケースです。

また、よりシビアな問題としては、「同性の2人暮らしでルームシェアを断られる場合がある」「性別と外見のギャップで入居を断られる場合がある」といった体験や不安も挙げられます。こうしたネガティブな感情を抱えるLGBTQ当事者は決して少なくなく、不動産業界としても課題の解決が待たれるところです。

LGBTQ接客チェックリストの意義

これまで見てきたように、LGBTQの当事者が感じやすい不安や悩みは、不動産の分野においてもさまざまな形で存在します。一方で、不動産会社からも、「LGBTQ」という言葉こそ聞いたことはあっても、実際にどのように接すればよいのかが分からないといった声もあがっています。

『LGBTQ接客チェックリスト』は、こうした社会的背景においてセクシュアル・マイノリティの顧客への理解を促し、不動産会社の意識をアップデートする目的でつくられたものです。

LGBTQ接客チェックリストの内容

『LGBTQ接客チェックリスト』は、LGBTQという名称はついているものの、セクシュアル・マイノリティだけでなくオールフレンドリーな接客を想定して作成されているのが特徴です。内容は「初級編」と「上級編」に分かれており、それぞれ全20問で構成されています。

どちらも基礎知識編、店舗接客・内見編、申込・契約編、入居後対応編の4部構成になっており、問題によって現在の理解度を確かめられるだけでなく、解説を通して理解を深められる仕組みとなっています。

ここでは、それぞれの設問内容について具体的に見ていきましょう。

初級編

初級編は、以下のようにLGBTQに関する基本的な知識や、適切な接客スキルの有無が問われる内容となっています。

店舗接客・内見編の問題例
Q:来店時のヒアリングシートに性別を尋ねる項目がある場合、「男・女」以外の選択肢(「その他」など)がある。もしくは、性別を尋ねる項目がない。
 
申込・契約編の問題例
Q:2人で入居申込や買入申込を行う場合、関係性について確認する必要が生じたときは、必ず個室や人が周りにいない場所で行っている。 


これらは、性別に関する取り扱い方やアウティング(本人の了解なしに性的指向や性自認などの秘密を暴露する行為)のリスクなどを確かめる設問です。どちらもLGBTQフレンドリーを実現するうえでは基本的な内容であり、自社における現在の仕組みを見直すきっかけとなり得ます。

上級編

上級編は初級編よりも踏み込んだ内容になっており、より高度な接客を実現するための意識を確認する設問が中心です。

基礎知識編の問題例
Q:店舗の全員が、相手の配偶者の性を決めつける言動(例:「ご主人様」「彼女様」など)がLGBTQ当事者を不快にさせる可能性があることを知っている。


入居後対応編の問題例
Q:女性・男性専用物件などの入居者が、その後の治療により見た目の性別に変化が生じたときは、入居者の相談に応じ、柔軟な対応を心掛けることができる。

賃貸仲介におけるポイント

『LGBTQ接客チェックリスト』は2021年に公表されて以降、LGBTQフレンドリーに関心を持つさまざまな不動産会社に活用されています。賃貸仲介の分野においても、日ごろからさまざまなバックグラウンドを持つ顧客と関わる機会があるため、知識や意識をアップデートすることは重要といえるでしょう。

チェックリストでは、自社の現状を把握できるとともに、次につながるアクションとして活用している不動産会社も少なくありません。たとえば、結果を踏まえて、自社の従業員でディスカッションをしたり、既存の接客マニュアルを更新したりするなど、さまざまな使い方が考えられます。

オールフレンドリーな接客を実現するには、多様性への理解と顧客1人ひとりへの細やかな配慮が必要不可欠です。良質な店舗運営を行うためにも、『LGBTQ接客チェックリスト』を効果的に活用してみてはいかがでしょうか。


●記事のおさらい
​​​​​​​
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:『LGBTQ接客チェックリスト』とは?
A:
2021年4月からLIFULL HOME’Sが提供しているサービスであり、セクシュアル・マイノリティの方々にまつわる住まいの問題を踏まえ、不動産会社が接客の際に活用できるようなチェック項目がまとめられています。

Q:『LGBTQ接客チェックリスト』の内容は?
A:
初級編と上級編の2パターンに分かれており、どちらも基礎知識編、店舗接客・内見編、申込・契約編、入居後対応編の4部構成になっています。設問は20問ずつあり、それぞれに細かな解説がついています。


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