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既存住宅状況調査技術者の資格制度を解説|既存住宅状況調査や活用メリットも紹介

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中古住宅の売買を強化するなかで「既存住宅状況調査技術者とはどのような資格なのか」「既存住宅状況調査を事業に取り入れるメリットは何か」などの疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

既存住宅状況調査は、中古住宅の状態を客観的に把握し、売主・購入希望者双方が安心して取引できるよう支える重要な制度です。
しかし、資格制度や取得方法、実務での活用方法まで正しく理解できている方は多くありません。

そこでこの記事では、既存住宅状況調査技術者の資格制度や既存住宅状況調査の概要、不動産会社が活用するメリットについて詳しく解説します。中古住宅の媒介業務や買取再販事業の強化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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既存住宅状況調査技術者とは?既存住宅状況調査の基礎知識

ここでは、既存住宅状況調査の概要・既存住宅状況調査技術者の役割・調査で確認する主な項目について解説します。

既存住宅状況調査とは

既存住宅状況調査とは、既存住宅状況調査技術者が国の定める基準に沿って「中古住宅の劣化状況」や「不具合の有無」を、目視や計測などで確認する調査です。

中古住宅は新築と異なり、築年数や使用状況によって建物の状態がそれぞれ異なります。そのため、売主・購入希望者ともに建物の状態を正しく把握したうえで取引を進めることが重要です。

既存住宅状況調査を実施することで、住宅の現況を客観的に確認でき、価格設定や購入判断の根拠として活用できます。

既存住宅状況調査技術者とは

既存住宅状況調査技術者とは、建築士のうち、既存住宅状況調査を実施するために必要な講習を修了し、登録を受けた専門家を指します。講習や登録は2017(平成29)年2月に創設された「既存住宅状況調査技術者講習制度」に基づいて運用されています。

講習では調査方法・判定基準・報告書の作成方法などを学び、修了考査に合格した後に登録することで、既存住宅状況調査技術者として活動できます。

既存住宅状況調査で確認する主な調査項目

既存住宅状況調査では、建物の安全性や雨漏りリスクなど、中古住宅取引で重要となる項目を中心に調査します。調査結果は、住宅の状態を客観的に把握するための資料として活用されます。

主な調査項目は以下のとおりです。

  • 構造耐力上主要な部分(基礎・柱・梁・床・屋根など)のひび割れや劣化、変形
  • 雨水の浸入を防止する部分(屋根・外壁・開口部など)の雨漏りや漏水の有無
  • 外壁や基礎の著しい損傷、腐朽、シロアリ被害の有無
  • 建物全体の劣化状況や不具合の有無

調査を行うことで補修が必要な箇所や劣化の程度を把握できるため、購入希望者は購入後の大まかな修繕費用を見込みやすくなります。また、売主も建物の詳細な状態を事前に説明できるため、認識違いに起因する引き渡し後のトラブル防止につながります。

なお、設備機器の性能や建物内部の隠れた欠陥まで確認する調査ではないため、必要に応じて専門的な追加調査を実施することも重要です。

既存住宅状況調査技術者の資格制度

建築士資格を保有しているだけでは、既存住宅状況調査技術者としては活動できません。国が定める講習の受講や修了考査、登録などの手続きを経て、初めて資格者として調査を実施できます。

ここでは、受講要件・講習内容・修了考査・登録、更新制度・資格者の検索方法について解説します。

受講要件

既存住宅状況調査技術者講習を受講できるのは、一級建築士・二級建築士・木造建築士のいずれかの資格を保有している方です。資格取得には、建築士資格を保有したうえで登録講習機関が実施する講習を受講し、修了考査に合格した後、登録手続きを行う必要があります。

そのため、不動産会社に勤務していても、建築士資格を保有していなければ「既存住宅状況調査技術者」になることはできません。

講習内容

既存住宅状況調査技術者講習では、既存住宅状況調査の基準や実施方法を学びます。単に中古住宅の知識を身につけるだけではなく、国が定める基準に沿って適切に調査を実施するための知識や実務能力を習得することが目的です。

講習では主に以下の内容を学びます。

  • 既存住宅状況調査の制度や関連法令
  • 建物の調査方法と判定基準
  • 調査報告書の作成方法
  • 実務上の留意点や事例

実際の調査業務に直結する内容で構成されており、建築士としての知識を実務に活かしやすい点も特徴です。

修了考査(試験)の概要と難易度

講習の修了後には、修了考査を受験する必要があります。修了考査では、講習内容を正しく理解しているかが問われるため、講習内容を十分に理解しながら受講することが重要です。

修了考査は国家試験のような高難易度ではなく、講習内容を理解していれば合格可能性は高いとされています。なお、合格基準は講習実施機関によって異なります。

たとえば、日本木造住宅産業協会では2026年3月度の合格基準を、100点満点中70点以上としていますが、住宅瑕疵担保責任保険協会では、受検者の得点分布などに基づいて合格基準を設定しています。

また、実務経験の長さよりも、調査基準や調査方法を正しく理解していることが重視されます。建築士として豊富な実務経験があっても、修了考査では講習内容に基づいた知識が問われるため、受講内容を理解しながら受講することが大切です。

登録・更新制度

修了考査に合格したあとに登録手続きを行うことで、既存住宅状況調査技術者として活動できるようになります。資格には有効期間が設けられており、資格を取得した年度の3年後の年度末まで有効です。有効期間満了後も継続して活動するためには、更新講習を受講し、更新登録を行う必要があります。

更新制度が設けられているのは、制度改正や調査基準の変更などに対応し「調査品質」を維持するためです。資格者として継続して活動する場合は、更新漏れがないよう注意しましょう。

既存住宅状況調査技術者の検索方法

既存住宅状況調査技術者は、登録講習機関や住宅瑕疵担保責任保険協会などが公開している検索サービスに登録されます。都道府県や登録機関などの条件で検索できるため、依頼者は地域に対応した資格者を探すことが可能です。

そのため、既存住宅状況調査技術者として活動する際は、検索された際に選ばれやすい体制を整えることも重要です。調査実績や対応エリアを自社ホームページなどで発信することで、依頼につながりやすくなります。

また、わかりやすい調査報告書の作成や迅速な対応を心がけることで、顧客満足度の向上だけでなく、継続的な依頼や紹介につながる可能性も高まります。

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既存住宅状況調査技術者として活動する5つのメリット

ここでは、既存住宅状況調査技術者として活動する5つのメリットを解説します。

中古住宅の媒介提案力向上につながる

既存住宅状況調査技術者が在籍している不動産会社は、建物の状態を客観的な根拠に基づいて説明できるため、中古住宅の媒介提案力向上につながります。

中古住宅は、築年数や見た目だけでは建物の状態を正確に判断できません。既存住宅状況調査を実施すれば、劣化状況や不具合の有無を踏まえたうえで、価格設定やリフォームの必要性を説明しやすくなります。

たとえば「基礎や外壁に大きな問題はないものの、屋根は数年以内にメンテナンスが必要」といった具体的な情報を提示できれば、売主・購入希望者ともに納得感を持って取引を進められるでしょう。

また、建物状況まで詳細に把握したうえで提案できることは、不動産会社としての専門性をアピールする材料にもなります。

売主・購入希望者の安心感を高められる

既存住宅状況調査技術者として調査を実施すれば、建物の状態を客観的な根拠に基づいて説明できるため、売主・購入希望者双方の安心感につながります。

中古住宅では「建物の状態がわからない」「購入後に高額な修繕費がかかるのではないか」と不安を感じる方も少なくありません。既存住宅状況調査の実施によって建物の状態を第三者の立場で確認することで、売主・購入希望者双方に次のようなメリットを提供できます。

売主:住宅の状態を事前に開示しやすくなる
購入希望者:建物の状態を把握したうえで購入を判断できる

また、明確な調査結果があることで、引き渡し後の認識のずれによるトラブルを防ぎやすくなります。

媒介受託時の差別化につながる

既存住宅状況調査技術者が在籍していることは、不動産会社の強みの1つになります。

近年では、査定価格だけでなく「安心して売却を任せられる会社であること」を重視する売主も増えています。そのため、既存住宅状況調査まで提案できれば、競合他社との差別化につながるでしょう。

特に中古住宅の売却では、建物の状態を可視化できることが大きな強みになります。価格査定に加えて建物の状態まで説明できれば売主の安心感が高まり、媒介契約の獲得につながる可能性があります。

また、建築士資格を持つ社員が「既存住宅状況調査技術者」として活動できれば、調査会社との日程調整や依頼手続きの負担を軽減しやすくなります。

既存住宅売買瑕疵保険を活用しやすい

既存住宅状況調査技術者が在籍していると、既存住宅売買瑕疵保険の利用を見据えた提案がしやすくなります。

既存住宅売買瑕疵保険は、一定の検査基準を満たした中古住宅を対象とした保険制度です。個人売主(検査機関保証)タイプでは、既存住宅状況調査技術者が保険法人に代わって現場検査を実施できる場合があり、保険加入に向けた手続きを円滑に進めやすくなります。

保証付き住宅として提案できれば、購入希望者は万が一の不具合に備えられるため、安心して購入を検討しやすくなります。また、売主にとっても、保証付き住宅として売却できることで住宅の信頼性が高まり、購入希望者に安心感を伝えやすいでしょう。

リフォームや買取再販の提案精度が向上する

既存住宅状況調査技術者として中古住宅の状態を適切に把握できるようになると、リフォームや買取再販に関する提案の精度向上につながります。

既存住宅状況調査を実施することで、建物の劣化状況や補修が必要な箇所を事前に確認できるため、住宅の状態に応じたリフォーム計画を提案しやすくなります。必要以上の工事を勧めることなく、根拠のある提案ができる点もメリットです。

また、買取再販事業では、購入前に修繕リスクや改修費用を把握しやすくなるため、事業計画や収支計画の精度向上にも役立ちます。さらに、調査結果を基にリフォーム会社や施工会社と連携できるため、工事内容や費用を踏まえた、より具体的な提案につなげやすくなります。

まとめ

既存住宅状況調査技術者は、中古住宅の状態を客観的に調査し、売主・購入希望者双方が安心して取引できる環境づくりを行う専門資格です。不動産会社にとっては、建物状況を踏まえた中古住宅の提案が可能となり、他社との差別化や顧客満足度の向上、リフォーム提案や買取再販の精度向上にもつながります。

中古住宅市場の拡大が進むなか、既存住宅状況調査を活用できる体制を整えることは、不動産会社の付加価値を高める有効な取り組みといえるでしょう。

岩井佑樹 ゆう不動産代表
岩井佑樹 ゆう不動産代表
合同会社ゆう不動産代表。熊本学園大学商学部経営学科卒業。大学卒業後に飲料メーカーの営業として7年間勤務後、宅建を独学で取得し不動産業界に転職。不動産業界歴は10年目となり、現在は不動産会社とWebライティング制作会社を経営。今まで、実体験を絡めたリアルな不動産関連の記事を500記事以上作成。日ごろから、記事を読む人が「どんなことで悩んでいるのか」「どんなことを知りたいのか」など、読み手の方の気持ちに寄り添って記事を書くように心がけている。

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