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空き家バンクで仲介を増やす!不動産会社の活用アイデア4選

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人口減少により、近年空き家が増加しています。これを背景に空き家バンクへの注目が高まる一方、自治体だけでは契約手続きや物件調査を担えないのが実情です。そこで、不動産会社の役割がますます重要になっています。

本記事では、成約率を高めている自治体の事例をもとに、不動産会社が空き家バンクを活用して仲介・管理収益を増やすための具体的なアイデアを解説します。

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空き家バンクの基本と市場背景

空き家バンクとは、空き家の所有者と利用希望者をつなぐ、自治体運営の情報マッチングサービスです。所有者が物件情報を登録し、自治体がウェブサイトで公開、利用希望者と引き合わせるのが基本的な流れです。

総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、長期不在などに該当する「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は約385万戸に上ります。また、国土交通省の推計では2030年には470万戸に達すると見込まれています。

空き家バンクは自治体が非営利で運営するため、売買・賃貸借契約などの仲介業務は担えません。契約手続きや物件調査は不動産会社が担う必要があり、不動産会社にとって新たなビジネスチャンスとなっています。

空き家バンクで成約率が高い物件の特徴

空き家バンクで成約率が高い物件には、生活の利便性が高いという共通の特徴があります。立地面では、最寄り駅から徒歩圏内であることや、車でスーパー・病院・学校などの生活施設にアクセスしやすい環境が重視されます。

価格面では、「500万円以下」のような割安感が成約の後押しになります。経済的なハードルが低いほど、広範な層へのリーチが期待できるためです。

物件の状態としては、リフォーム済みで即入居可能な物件が注目を集めやすい傾向にあります。すぐに生活をスタートできる安心感が、購入検討者の意欲を刺激していると考えられるでしょう。

成功している自治体の取り組み事例

成約率を伸ばしている自治体には、補助金・民間連携・多用途活用という3つの共通点があります。いくつかの代表事例を見てみましょう。

栃木市は「あったか住まいるバンク」を運営し、リフォーム工事に最大50万円、家財処分に最大10万円を補助する制度を設けています。農地付き空き家の取扱い開始など、施策を拡充した結果、2013〜2021年度に登録された合計683件のうち476件が成約し、成約率は約69.7%に達しました。

長野県佐久市は2008年から空き家バンク事業に取り組んでおり、早期から移住希望者に向けた情報発信や物件の見せ方の工夫を行ってきた自治体として知られています。地図やイラストを活用したわかりやすい情報提供など、利用希望者目線の導線整備に力を入れている点も特徴です。

これらの自治体に共通するのは、「登録を待つだけ」でなく補助金・連携・情報整備をセットで動かしている点です。不動産会社が自治体と組むことで、継続的な仲介案件の獲得が期待できます。

空き家バンクの活用における不動産会社の役割

空き家バンクは、自治体が運営するマッチングの仕組みに過ぎません。契約手続きや専門的な調査は不動産会社が担う必要があり、具体的には以下のような役割が求められます。

  • 物件調査と権利関係の整理
  • リフォーム・リノベーション提案
  • 移住者への生活サポート

空き家バンクの物件は、相続登記が未了の場合や、抵当権が残っている場合が少なくありません。そこで不動産会社が権利関係を精査し、売買・賃貸借契約をスムーズに進める役割を担います。

また、空き家バンクには老朽化した物件が多く、成約に至らないケースも多くあります。自治体の補助金制度と組み合わせながら改修提案を行うことで、成約率の向上と工事収益の両立が可能です。

さらに、地方移住を検討する利用希望者の多くは、物件だけでなく現地の生活環境についても不安を抱えています。地元の生活情報や行政サービスの案内まで行える不動産会社は、移住者から強く信頼され、口コミによる紹介案件の獲得にもつながります。

不動産会社が空き家バンク物件の仲介で収益を上げるポイントなど

空き家バンク物件の仲介を行うにあたっては、通常の不動産取引とは異なる収益構造を理解しておくことが重要です。

まず押さえたいのが、低廉な空き家等に関する仲介手数料の特例です。売買価格800万円以下の物件については、媒介契約の締結時にあらかじめ説明し合意を得ておくことで、依頼者の一方から受け取れる報酬の上限を33万円(税込)までにできると定められました(2024年7月1日以降)。

この特例により、通常のパーセンテージ計算では採算が合いにくい空き家物件でも、一定の収益を確保しやすくなっています。

次に重要なのが、仲介以外の収益源との組み合わせです。管理受託・リフォーム工事・補助金申請サポートをセットで提供することで、1件あたりの収益を高められます。

特にリフォーム工事は、自治体補助金を活用することで所有者・利用者双方の負担を抑えながら受注できます。有益な情報を提供しながら質の高い工事を行えば、顧客からの信頼を獲得でき、口コミを通じて次の紹介案件にもつながるでしょう。

成功事例に共通する5つの要因

成約率の高い自治体の取り組みを分析すると、不動産会社が再現できる共通パターンが見えてきます。

1.不動産会社と自治体の連携

国土交通省の調査では、空き家バンクを運営している55自治体のうち、47自治体が不動産事業者と連携・委託しています。

宅地建物取引業協会(宅建協会)を通じた組織的な連携は、個別に自治体と交渉を行うよりも広域で仲介案件を獲得できる点においても有効です。

2.移住支援との一体的な運営

物件の紹介だけにとどまらず、生活面・就労面のサポートまで一貫して行う体制が成約率を高めます。移住定住相談員の配置や移住体験ツアーの実施など、移住希望者目線の施策が有効です。

不動産会社がこうした移住支援と連携することで、問合せの段階から信頼関係を築けます。成約後のフォローまで手厚く対応できる会社は、信頼を獲得しやすく、継続的な紹介案件の獲得にもつながります。

3.補助金制度の戦略的な活用

改修費補助・家財処分費補助・移住補助など、自治体独自の支援制度の把握と活用も重要です。これらを活用すれば利用希望者の初期負担を軽減し、成約のハードルを下げられます。

補助金の申請手続きは複雑なケースもあり、利用希望者の負担になりかねません。この点を不動産会社が積極的にサポートすることで、他社との差別化につながります。また、補助金の活用実績を蓄積することで自治体からの信頼も得られ、良好な関係構築につながるでしょう。

4.物件情報の積極的な収集

自発的な登録を待つだけでは、物件数が増えません。固定資産税通知への案内同封など、自治体が空き家所有者に対して直接行っている周知の仕組みと連携することが有効です。

また、地域住民が「空き家コンシェルジュ」として情報提供や入居者サポートを行う取り組みも広がっています。地域の自治会や民生委員とネットワークを構築することで、不動産会社は市場に出回る前の物件情報をいち早くキャッチできるでしょう。

居住用途のみに限定すると、マッチングの機会を狭めてしまいます。幅広い利用希望者にアプローチするために、カフェ・宿泊施設・シェアオフィス・シェアハウスなど、多様な用途の提案を検討しましょう。

住宅だけでなく、空き工房や空き店舗も空き家バンクの掲載対象としている自治体も増えており、商業利用を前提とした仲介ニーズも生まれています。用途の幅を広げた提案は、不動産会社の競争力を高める重要な要素です。

不動産会社の活用アイデア4選

成功事例を踏まえ、不動産会社・管理会社が空き家バンクをビジネスに取り込む具体的なアイデアを4つ解説します。

1.自治体連携で仲介案件を獲得

空き家バンクの仲介案件を継続的に獲得するには、自治体と連携することが欠かせません。

具体的なステップとしては、まず地元の宅建協会を通じて自治体との協定締結を目指す方法が有効です。宅建協会が自治体と包括的な連携協定を結んでいるケースも多く、会員である不動産会社は比較的スムーズに仲介業務の委託を受けられます。

自治体の空き家担当部署に直接提案する場合は、「仲介業務の受託」「物件査定の支援」「契約書作成のサポート」など、自治体が手を出しにくい専門業務を具体的に提示することがポイントです。仲介手数料に加え、地域での信頼を得ることでの紹介案件の増加も見込めます。

2.管理受託で安定収益を確保

仲介は成約ごとの一時的な収益ですが、管理受託は月次の安定収益につながります。空き家バンクへの登録を検討している所有者の多くは、遠方に住んでいたり高齢だったりと、物件管理に手が回らないケースが少なくありません。

巡回・清掃・修繕手配などの管理業務を受託することで、所有者との継続的な関係を築けます。さらに、管理物件を空き家バンクに登録して仲介につなげるフローを構築することで、管理収益と仲介収益の両方を同一物件から得られる仕組みが生まれます。

3.リノベ提案で付加価値を創出

空き家バンクの物件は老朽化しているものが多く、そのままでは成約に至らないケースも珍しくありません。そのため、リフォーム・リノベーション(大規模な改修・用途変更を伴う改装)の提案力は、成約率を左右する重要な差別化ポイントです。

自治体の補助金制度を熟知したうえで改修提案を行うことで、所有者・利用希望者双方の初期負担を抑えながら工事受注につなげられます。仲介とリノベーション工事のワンストップサービスは、他社との明確な差別化になるうえ、1件あたりの収益も高まります。

4.全国版バンクで広域集客する

国土交通省が推進する「全国版空き家・空き地バンク」の一つが、LIFULLが運営する「LIFULL HOME'S空き家バンク」です。自社が仲介する物件をこれらのポータルサイトに掲載することで、地元だけでなく都市部の移住希望者にも広くアプローチできます。

自社サイトや移住希望者向けのSNS情報発信と組み合わせることで、問合せ数の増加が期待できます。特に移住需要が高まっている昨今、「地方暮らし」「古民家リノベ」といったテーマでの情報発信は、検索流入やSNS拡散による集客効果が期待できる分野です。

まとめ

空き家バンクは、不動産会社にとって新たな仲介・管理チャネルとなりうる存在です。単なるマッチング支援にとどまらず、管理受託・リノベーション提案・補助金サポートまでワンストップで提供できれば、地域での競争優位を得られるでしょう。

まずは地元自治体の空き家バンク担当部署や宅建協会と、連携の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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柴田 充輝
柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。保有資格はFP1級・社会保険労務士・行政書士・宅建士。金融メディアや不動産メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆経験がある。自身でも株式投資や不動産投資を行い、実体験に基づく質の高い情報の提供と、読者にとってわかりやすい執筆を心がけている。本業のかたわら、FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。

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