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境界未確定の土地売買|押さえる5つのポイントとトラブル事例

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境界未確定の土地を売却するにあたって、「このままでも売れるのか」「後からトラブルにならないか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。実際には、境界未確定でも売買自体は可能です。

しかし、住宅ローン・建築・価格交渉などに影響が出るため、適切な対応が重要です。

この記事では、境界未確定の状態が土地売買に及ぼす影響・実務で押さえるべきポイント・トラブル事例を解説します。売買仲介に関わる方はぜひ参考にしてください。

境界未確定とは

境界未確定とは、隣地所有者との立ち会いや合意による正式な境界の確認が行われていない状態を指します。実際には、次のようなケースが該当します。

・境界標(杭)が設置されていない
・隣地所有者との合意に基づく境界確認書が存在しない
・古い測量図が残っているのみで現況と一致していない

一見すると問題なく利用できている土地でも、実は境界が曖昧なまま放置されているケースは少なくありません。日常生活では支障がなくても、売買の場面では重要な確認事項となります。

境界未確定が土地売買に及ぼす影響

境界未確定の土地でも売却自体は可能ですが、売買の場面ではさまざまな影響が生じやすく、実務にも大きく関わります。特に次の点に影響するため、事前の把握が欠かせません。

・住宅ローン
・建築計画
・隣地との関係

まず、金融機関の審査に影響します。境界が明確でない土地は担保評価が難しく、住宅ローンが利用できない、もしくは条件付きとなる場合があります。

また、敷地の範囲や面積が確定していないと建築確認が進まず、買主の計画に支障が出る可能性があります。

さらに、隣地の所有者とのトラブルにつながりやすい点にも注意が必要です。ブロック塀や建物の一部の越境が判明するケースや、境界の認識について隣地所有者と見解が食い違うケースも見られます。

特に契約後に問題が発覚すると、売主・買主双方の対応負担が大きくなります。仲介会社としても説明不足と判断されるリスクがあるため、慎重な対応が求められます。

境界未確定の土地売買で押さえる5つのポイント

ここでは、境界未確定の土地を売買する際に仲介会社として押さえておきたい実務上のポイントを5つ解説します。

1. 測量の種類と費用の目安を理解しておく

測量の種類と費用を把握しておくことは、売主への提案の質を高めるうえで重要です。測量には主に現況測量と確定測量があり、それぞれ目的や精度が異なります。

主な違いは次のとおりです。

・現況測量:現状の形状を把握する(依頼者・隣地所有者ともに立ち会いなし)
・確定測量:隣地所有者との合意のうえで境界を確定する

費用は土地の条件によって異なりますが、確定測量の場合は30万円〜80万円程度が一般的な目安です。隣地が多い場合や道路(国や自治体)との境界確定が必要な場合は、費用が高くなる傾向があります。

測量費用は売却方針の判断に直結します。早い段階で複数の選択肢を提示できれば、スムーズな売却につながるでしょう。仲介会社としては、現況のまま売却する場合と確定測量を行う場合の両方を想定して提案することが重要です。

2.引き渡しまでに行う対応(確定測量の有無)を整理する

売却前に確定測量を行うかどうかは、引き渡し条件に大きく関わる重要な判断です。測量には一定の期間が必要となるため、スケジュールと契約条件を併せて整理しておくことが大切です。

主な対応パターンは次のとおりです。

・売却前に確定測量を完了させる
・現況のまま売却する

確定測量を行う場合は1ヶ月半〜3ヶ月程度かかることもあるため、引き渡し時期の調整が必要になります。一方で、現況のまま売却する場合は、境界非明示や現況有姿といった条件を事前に整理しておく必要があります。

3.境界未確定のリスクを売主にわかりやすく説明する

境界未確定のリスクを売主が十分に理解していないケースもあります。そのまま売却を進めると、途中で条件変更やトラブルにつながる可能性があるため、初期段階で丁寧に説明しておくことが重要です。

境界未確定の主なリスクは次のとおりです。

・買主が購入を見送る可能性がある
・隣地所有者との認識の違いからトラブルにつながる可能性がある
・価格交渉や売買条件の変更につながる可能性がある

たとえば、境界の認識の違いから隣地所有者と見解が食い違い、越境が問題となるケースがあります。また、状況によっては境界の位置をめぐる話し合いが長期化することもあるでしょう。

さらに、境界が確定していないまま買主が建築を進めると、後から是正対応や追加費用が発生する可能性もあります。

こうしたリスクを具体的に伝えたうえで、確定測量の有無による違いや対応方法まで整理して説明することが重要です。

4. 売買契約の条件(確定測量・現況有姿など)を事前に決める

境界未確定の土地の売買契約では、事前の条件整理がトラブル防止のポイントになります。条件が曖昧なまま契約を進めてしまうと、引き渡し直前で調整が必要になる可能性があります。

特に整理しておきたい主な項目は次のとおりです。

・確定測量を売主負担で行うか
・現況有姿で引き渡すか
・越境物の取扱いをどうするか

一般的には、売主負担で確定測量を行うケースが多く見られます。一方で、現況有姿で引き渡す場合は、価格や売買条件で調整を行うこともあるでしょう。

また、越境物がある場合には、事前に覚書や合意書を取り交わしておくことで、引き渡し後のトラブルを防ぎやすくなります。

契約は一度締結すると条件変更が難しいため、初期段階での整理が重要です。仲介会社としては、複数の対応パターンを想定し、売主・買主双方にわかりやすく提示できるよう準備しておくことが求められます。

5. 住宅ローンや建築計画に与える影響を確認する

境界未確定の状態は住宅ローンや建築計画に影響するため、事前の確認が重要です。特に買主が住宅建築を予定している場合、境界確定の有無が契約条件に関わるケースもあります。

注意しておきたい主なポイントは次のとおりです。

・金融機関が境界確定を融資条件とする場合がある
・建築確認申請で敷地範囲の確定が求められる
・土地面積が不明確だと建築計画に影響が出る

たとえば、金融機関によっては確定測量が完了していない土地は融資対象外となることがあります。また、建築確認では敷地面積や接道条件の確認が必要となるため、境界が曖昧なままだと手続きが進まないケースも見られます。

事前に融資条件や建築要件を確認しておくことで、無理のない取引につながります。仲介会社としては、買主の利用目的や資金計画まで踏まえた対応が求められます。

境界未確定の土地売買でよくあるトラブル事例3選

境界未確定の土地では、見た目に問題がなくても売買の途中でトラブルが発覚することが少なくありません。ここでは、実務でよくある代表的な3つのトラブル事例を解説します。

事例1. 越境が発覚したケース

境界未確定の土地では、売却時の調査で越境が発覚するケースが見られます。境界が曖昧なまま長年利用していると、所有者自身も気づかないうちに越境していることがあるためです。

たとえば、売却に向けて測量を行ったところ、ブロック塀・カーポート・建物の一部が隣地に入り込んでいることが判明するケースがあります。このケースでは、境界を確定したうえで隣地所有者との協議が必要となり、引き渡しまでに時間を要します。

越境は契約後に発覚するとトラブルにつながりやすいため、事前に測量や現地確認を行い、状況を把握しておくことが重要です。

事例2. 隣地所有者が立ち会いを拒否したケース

確定測量には隣地所有者の立ち会いが必要ですが、必ずしも協力を得られるとは限りません。たとえば、隣地所有者との関係が悪化している場合や、境界認識に相違があることなどを理由に、立ち会いを拒否される場合が見られます。

売却に向けて確定測量の手配を進めたものの、隣地所有者の同意が得られず境界確認書を作成できないケースも考えられます。この結果、測量が完了せず、筆界特定制度(公的な機関に境界を特定してもらう制度)の手続きが必要となり、売却スケジュールに影響が出ることもあるでしょう。

特に、隣地所有者が法人の場合や遠方に居住している場合は、連絡が取れず手続きが進まないこともあります。こうしたリスクを踏まえ、事前に隣地所有者の状況を確認しておくことが重要です。

事例3. 面積の差異が発覚し価格交渉になったケース

確定測量を行った結果、登記面積と実測面積に差が生じるケースがあります。特に土地を分ける分筆や、登記面積を修正する地積更正が行われていない土地では、登記面積と実際の面積が一致していないことが少なくありません。

たとえば、売却に向けて測量を行ったところ、登記面積よりも実測面積が小さいことが判明し、買主から代金の減額を求められるケースが挙げられます。この結果、当初の契約条件では合意に至らず、価格や条件の見直しが必要となる可能性もあります。

面積が増えるケースもありますが、いずれの場合も契約内容に影響が出る点に注意が必要です。面積差異は契約後に発覚するとトラブルにつながりやすいため、事前に測量を行うか、面積の取扱いを契約で明確にしておくことが重要です。

境界未確定の土地売買で確定測量を依頼する判断基準

境界未確定の土地であっても、すべてのケースで確定測量が必要とは限りません。ただし、一定の条件に該当する場合は依頼を前提に検討することが重要です。

判断の目安は次のとおりです。

・境界標がない
・境界の位置が不明確
・越境の可能性がある
・買主が住宅ローンの利用による建築を予定している
・早期売却を希望している

境界標が設置されていない、または位置が不明確な場合は、確定測量を行うことでトラブルを防ぎやすくなります。隣地所有者との境界認識に不安がある場合も、同様に検討が必要です。

また、買主がローン利用での住宅建築を前提としている場合、境界確定が条件となることが多く、未対応のままでは契約が進まないケースがあります。一方で、現況での買取を前提とする場合は、必ずしも測量が必要とは限りません。

確定測量は費用と時間がかかる一方で、売却の確実性を高める効果があります。仲介会社としては、土地の状況と買主ニーズを踏まえ、適切なタイミングで提案することが重要です。

まとめ

境界未確定の土地でも売却は可能ですが、価格や条件によって成約のしやすさが大きく変わります。仲介会社としては、境界の状況を踏まえたうえで、市場価格や売却方法を事前に把握する提案が重要です。

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岩井佑樹 ゆう不動産代表
岩井佑樹 ゆう不動産代表
合同会社ゆう不動産代表。熊本学園大学商学部経営学科卒業。大学卒業後に飲料メーカーの営業として7年間勤務後、宅建を独学で取得し不動産業界に転職。不動産業界歴は10年目となり、現在は不動産会社とWebライティング制作会社を経営。今まで、実体験を絡めたリアルな不動産関連の記事を500記事以上作成。日ごろから、記事を読む人が「どんなことで悩んでいるのか」「どんなことを知りたいのか」など、読み手の方の気持ちに寄り添って記事を書くように心がけている。

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