集客できない理由とは? 不動産会社のホームページを改善するポイントを解説
不動産会社にとって、ホームページは自社の「顔」ともいえる重要なツールです。インターネットを通じた情報収集が当たり前になっている現代では、ホームページが自社の存在を知ってもらうきっかけとなります。
しかし、単にホームページを立ち上げて運用するだけでは、なかなか集客にはつながりません。今回はホームページ経由の集客が増えない場合に考えられる原因と、具体的な改善方法について解説します。
≫ 不動産会社におけるホームページ集客の3つのポイントと3つの施策例
目次[非表示]
- 1.ホームページが集客につながっていない理由
- 1.1.構造上の問題
- 1.2.運用上の問題
- 1.3.ターゲッティングの問題
- 1.4.独自性・差別化の問題
- 2.すぐに取り組める対策の具体例
- 2.1.ターゲットの見直し
- 2.2.スマホ対応と暗号化
- 2.3.Googleビジネスプロフィールの作成
- 2.4.その他の集客方法との組み合わせ
- 3.中長期的に取り組みたいWebの集客方法
- 3.1.SEO対策
- 3.2.コンテンツマーケティング
- 4.ホームページを改善する際の注意点
ホームページが集客につながっていない理由
ホームページが集客につながらないと感じている場合、まずは基本的なポイントに見落としがないかをチェックする必要があります。ここでは、おもな原因を4つに分けて見ていきましょう。
構造上の問題
不動産会社のホームページの目的は、自社の魅力を知ってもらい、知名度や信頼性の向上・集客の増加につなげることにあります。そのためには、ユーザーが求める情報を素早く的確な形で提供できるように整備しなければなりません。
そこで、まずは「ホームページの情報が閲覧しづらい」「スマホに対応していない」「情報が整理されておらず探しにくい」といった構造上の問題がないかを確認することが大切です。たとえば、「トップページにメニューがないため目的の情報がどこにあるか分からない」「資料請求や問合せをどこから行えばよいか分からない」「デザインやフォントに統一感がない」といった場合には、ユーザーに使いにくいと判定されてしまいます。
また、通信が暗号化(SSL化あるいはhttps化)されていないページは、検索エンジンで「保護されていない通信」と警告が出てしまうため、ユーザーから敬遠されるリスクが高まります。
運用上の問題
ホームページを多くの人に見てもらうには、SEO対策を行って検索エンジンの評価を上げ、検索結果の上位に掲載されるようにすることも大切です。SEOでは、「ユーザーにとって有益性が高いかどうか」が重要な基準となるため、ユーザーファーストを基本的な視点として押さえておく必要があります。
たとえば、「掲載コンテンツが少ない」「情報更新の頻度が低い」といった場合、評価が大きく低下してしまうため注意が必要です。
ターゲッティングの問題
「ターゲットを意識した内容になっていない」という点も、集客が増えないときに考えられる原因の一つです。不動産ではあらゆる消費者層が顧客になり得るため、的確なターゲッティングが行えていなければ、戦略も曖昧になりやすい面があります。
たとえば、子育てをするファミリー層を対象とするのか、バリアフリー性を重視する高齢者世帯を対象とするのかによって、発信すべき内容や情報には大きな違いが生まれます。そのため、具体的な集客につなげるには、自社のターゲットを意識したホームページの運用が欠かせません。
独自性・差別化の問題
ユーザーが不動産会社の情報を集める際には、いくつかの会社を比較しながらリサーチするというケースも多いです。このとき、ホームページで競合他社との差別化ができていなければ、なかなか集客につなげることはできません。
賃貸仲介などの場合、不動産会社で取り扱う物件は基本的にどこでも類似してしまうため、独自性を高め、差別化を図るにはサービスやホームページのデザイン、テキスト、コンテンツなどで違いを生み出す必要があります。
すぐに取り組める対策の具体例
ここからは、具体的なホームページの改善方法を見ていきましょう。まずは、すぐに取り組める対策の具体例をご紹介します。
ターゲットの見直し
ホームページによる集客の増加が見られない場合は、改めてターゲットの見直しを行い、発信している情報が適切であるかを確認することが大切です。たとえば、自社の営業エリアが大学や専門学校などの近くにある場合は、当然ながら紹介物件も一人暮らし向けのものを中心にそろえるほうが効果的です。
スマホ対応と暗号化
ホームページのスマホ対応と暗号化も、優先度の高い取組みの一つです。不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が2023年10月に公表した「不動産情報サイト利用者意識アンケート」によれば、物件を検索する際のスマホの利用率が93.4%という結果になりました。
近年ではスマホによるインターネット検索が主流になっており、モバイル対応を行うことでGoogleでのサイトに対する評価も高くなるといえます。
Googleビジネスプロフィールの作成
Googleビジネスプロフィールとは、特定のキーワードで検索したときに、地図アプリや検索結果の地図情報に表示される企業情報のことです。Googleビジネスプロフィールは、MEO(マップエンジン最適化)対策において重要であり、MEOに力を入れることで地域に対応したビジネスの可能性が広がりやすくなります。
MEOに力を入れれば、たとえばユーザーが「〇〇(地域名) 不動産会社」と検索したときに、自社の情報がトップに表示されやすくなります。Googleビジネスプロフィールは無料で利用可能であり、登録も手軽に行えるので、優先度の高い施策といえるでしょう。
その他の集客方法との組み合わせ
すでにSNSなどを運用しているのであれば、ホームページと連携させれば相乗効果が期待できます。また、ホームページの構成や内容に問題がないようであれば、すぐに集客効果を得ることを目的にWeb広告を利用してみるのも一つの方法です。
Web広告にはさまざまな種類があり、適したケースや費用の仕組みなどが異なるので、自社に合った方法を探してみましょう。
中長期的に取り組みたいWebの集客方法
ホームページによる集客を本格的に増やすためには、じっくりと腰を据えて、中長期的な取組みを行うことも大切です。ここでは、代表的な2つの手法について見ていきましょう。
SEO対策
SEO対策は、ホームページを運用するうえで基本となる施策の一つです。SEOとはユーザーが特定のキーワードを検索した際に、上位に表示されるための取組みであり、閲覧数やユーザー数を増やすために欠かせないポイントとなります。
SEOでは「サイトの構造」や「発信するコンテンツ」「キーワード選定」といった幅広い要素が関係してくるため、しっかりと情報収集を行い、時間をかけて取り組むことが大切です。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ブログやコラム、動画コンテンツなどを用いたマーケティング手法です。ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し続け、自社の見込み顧客を獲得し、サービスの利用につなげるのが目的です。
コンテンツについては、クオリティや更新頻度を大事にするとともに、ターゲットとの親和性も意識することがポイントとなります。たとえば、学生や一人暮らしを検討する若者世代をターゲットにするのであれば、「初めての一人暮らし特集」や「学生向け物件特集」として物件情報を際立たせたり、「一人暮らしの悩み相談室」のような形で若者向け記事コンテンツを連載したりするのが効果的です。
ホームページを改善する際の注意点
ホームページのクオリティを高めるうえでは、短期的な取組みを着実に実行するとともに、中長期での改善にも着手することが大切です。SEO対策やコンテンツマーケティングは、時間をかけて取り組むことで大きな成果が得られます。
しかし、これらは実行してからすぐに成果が得られるわけではないため、十分な時間と予算を確保しておく必要があります。まずは、自社のリソースをどこまで割けるのかを精査し、丁寧に計画を立てましょう。
コンテンツ制作や運営管理については、必要に応じて外部のリソースを活用するのも有効です。社内の基本業務に支障が出ないように、無理のない運用計画を立てましょう。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:ホームページが集客につながらないときの原因は?
A:まずは基本的なポイントとして、「構造上の問題」と「運用上の問題」をチェックする必要があります。またターゲッティングが適切でない、他社との差別化を図れていないといった点も原因として考えられます。
Q:ホームページの効果を上げるためにすぐすべきことは?
A:まずは暗号化やスマホ対応といった基本的なポイントを見直しましょう。そのうえで、「ターゲットの見直し」「Googleビジネスプロフィールの作成」「Web広告の運用」などが比較的にすぐ取り組める対策として考えられます。
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