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賃貸不動産経営管理士と宅建士の違いとは? ダブルライセンスのメリットも解説

不動産業に関する資格にはさまざまなものがありますが、なかでも宅地建物取引士(以下、宅建士)は代表的な国家資格の一つといえます。

また、2021年には、新たに“賃貸不動産経営管理士”という国家資格が登場しました。宅建士とのダブルライセンスの取得を行うことで、不動産会社での業務範囲の拡大やスキルアップに役立てられます。

しかし、「両者の資格にどのような違いがあるのか」「ダブルライセンスを取得するメリットはあるのか」などの疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、賃貸不動産経営管理士と宅建士の違いや、ダブルライセンスを取得するメリットについて解説します。

なお、賃貸不動産経営管理士については、こちらの記事で詳しく解説しています。

 ≫ 賃貸不動産経営管理士とは? 国家資格化された背景と業務内容について

目次[非表示]

  1. 1.賃貸不動産経営管理士と宅建士の違い
    1. 1.1.①独占業務
    2. 1.2.②難易度
    3. 1.3.③業務範囲
      1. 1.3.1.賃貸不動産経営管理士
      2. 1.3.2.宅建士
  2. 2.ダブルライセンスを取得するメリット
  3. 3.まとめ

賃貸不動産経営管理士と宅建士の違い

賃貸不動産経営管理士と宅建士は、ともに国家資格です。賃貸不動産経営管理士は、2021年4月21日に発表された国土交通省令によって国家資格となりました。

ここでは、両者の資格の違いを独占業務・合格難易度・業務範囲の3つの観点から解説します。

(出典:国土交通省『宅地建物取引の免許について』)


①独占業務

賃貸不動産経営管理士には法律で定められた独占業務はありませんが、宅建士には宅地建物取引業法に基づく独占業務があります。

▼独占業務の有無

資格の種類
独占業務
宅建士
  • 重要事項の説明(宅地建物取引業法第35条)
  • 重要事項説明書への記名(宅地建物取引業法第35条)
  • 契約書への記名(宅地建物取引業法第37条)
賃貸不動産経営管理士
なし

賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業務を行う際に設置義務のある“業務管理者”の要件を満たしている資格です。

また、管理受託契約前の重要事項の説明は、独占業務とはしないものの、専門知識や経験を持った者が行うことが望ましいとされています。

(出典:国土交通省『管理業者の業務』『業務管理者について』『賃貸住宅管理業法制度概要ハンドブック』)


②難易度

賃貸不動産経営管理士と宅建士は、資格試験の合格率にも違いがあります。

2019~2021年における賃貸不動産経営管理士と宅建士の資格試験の合格率は、以下のとおりです。

▼賃貸不動産経営管理士と宅建士の試験合格率

                                                                
賃貸不動産経営管理士
約30~37%
宅建士
約15~18%

合格率だけでいえば、宅建士よりも賃貸不動産経営管理士の試験合格率のほうが高いことが分かります。

ただし、資格試験の難易度は、その年の受験人数や試験内容によっても変化します。試験に向けて、傾向を調べながら対策を行うことが重要です。


③業務範囲

賃貸不動産経営管理士は、業務管理者の業務に加えて、賃貸住宅の管理に関する幅広い業務を行います。一方、宅建士は、賃貸借契約や売買契約に関する契約業務を中心としています。

賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士について取り決めている『賃貸住宅の管理業務などの適正化に関する法律』は、入居者・オーナーとのトラブル防止のために制定されました。

賃貸不動産経営管理士は、以下に挙げる賃貸住宅の管理受託契約に関する業務を行います。

▼主な業務内容

  • 管理受託契約の締結
  • 賃貸住宅の維持保全
  • 家賃・敷金・共益費の管理 
  • オーナーへの定期報告
  • 入居者からの苦情の処理 など

(出典:国土交通省『賃貸住宅管理業法制度概要ハンドブック』)

宅建士

宅建士について取り決めている『宅地建物取引業法』は、宅地(土地)・建物の取引の公正を確保して、流通を円滑化することが目的です。

第一条 この法律は、宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引の公正とを確保するとともに、宅地建物取引業の健全な発達を促進し、もつて購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的とする。

引用元:e-Gov法令検索『宅地建物取引業法』第1条

宅建士は、土地・建物の売買・賃貸借契約に関する業務を主としています。これらは前述したとおり、宅建士の独占業務として定められています。

▼宅建士の業務

  • 土地・建物に関する重要事項の説明
  • 重要事項説明書への記名
  • 契約書への記名

(出典:e-Gov法令検索『宅地建物取引業法』)

ダブルライセンスを取得するメリット

賃貸不動産経営管理士と宅建士、ダブルライセンスを取得することで、不動産業界での就職や転職に有利に働くことが期待できます。

賃貸不動産経営管理士は、国家資格になって日が浅いため、有資格者は希少と考えられます。

また、ダブルライセンスを取得することで、売買・賃貸の仲介業務や、賃貸管理に関する知識の証明につながることから、キャリアアップを目指せるようになります。

なお、賃貸不動産経営管理士や宅建士の資格を持っている人に対して、資格手当を支給している会社もあるため、年収アップを目指すことも可能です。

(出典:国土交通省『賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律について』)

まとめ

この記事では、賃貸不動産経営管理士と宅建士について、以下の内容を解説しました。

  • 独占業務・合格難易度・業務範囲の違い
  • ダブルライセンスを取得するメリット

賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の管理受託に関する国家資格であり、宅建士は、土地・建物の売買契約や仲介に関する国家資格です。

独占業務の有無や合格難易度、業務範囲に違いはありますが、不動産業界における有資格者の需要は、両者ともに高いと考えられます。

ダブルライセンスを取得することで、不動産業界での就職や転職に有利に働くほか、給料アップを目指せるといったメリットもあります。

「社内での活躍の場を広げたい」「キャリアアップを目指している」という方は、ダブルライセンスの取得を目標に準備を始めてみてはいかがでしょうか。

なお、今回ご紹介した宅建士についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

 ≫ 宅建を取得するメリットとは? 試験の合格率や難易度も解説

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Business 編集部
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