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LPガスの制度改正は2025年から! 影響について詳しく解説

LPガスの制度改正は2025年から! 影響について詳しく解説

LPガス(プロパンガス)は、ガスボンベを設置すればどこでも使用できるのが強みであり、主にガス管を配置できない地域などで幅広く用いられています。もともと公共料金として扱われていた都市ガスとは異なり、LPガスでは古くから料金形態に明確なルールがなかったため、ときとして価格設定などが問題化するケースもありました。

こうした背景もあり、2025年にはLPガスの制度が大幅に改正される運びとなっています。今回は、制度の変更点や想定される影響、住宅会社に求められる対応策などをご紹介します。

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目次[非表示]

  1. 1.LPガスにまつわる課題
    1. 1.1.LPガスの特徴
    2. 1.2.料金上乗せの懸念
    3. 1.3.貸付配管の問題
  2. 2.制度の変更点を解説
    1. 2.1.過大な営業行為の制限
    2. 2.2.三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)
    3. 2.3.入居者への情報提供
  3. 3.制度改正に伴う影響
    1. 3.1.入居者への影響
    2. 3.2.物件オーナーへの影響
  4. 4.住宅会社に求められる必要な対策

LPガスにまつわる課題

そもそも、LPガスの制度改正には、LPガス特有の商慣行が大きく関係しています。ここでは、LPガスの基本的な特徴と課題について見ていきましょう。

LPガスの特徴

LPガスは都市ガスのように大規模な配管インフラを必要とせず、ガスボンベを設置すればどこでもガスを供給できるのが強みです。人口の多い都市部を除けば、都市ガスが未整備の地域も多いため、地方などではLPガスが必然的な選択肢となるエリアも少なくありません。

一方でLPガスはボンベの配送などが必要になることから、価格はどうしても高くなりちです。利用料金のことだけを考えるなら、都市ガスが整備されている地域では都市ガスを選ぶのが経済的な判断といえるでしょう。

料金上乗せの懸念

しかし、実際には都市ガスが整備されているエリアでも、LPガスを選択する賃貸物件もあります。その理由としては、「LPガス事業者による設備費の負担サービス」が考えられます。

これは、LPガスの事業者が都市ガスとの競争戦略で取り入れることのある手法です。具体的には、ガスの配管工事費用を負担することで、オーナーに自社のガスの利用を促すという仕組みです。

オーナーからすれば初期費用を抑えられるため、都市ガスが整備されたエリアでもLPガスを選択することに合理性が生まれます。そして同時にLPガス事業者も、多少の費用負担で賃貸物件一棟分の契約を取得できるという仕組みになっていました。

しかし競争が激化するにつれて、次第に給湯器やエアコン、インターホンなどの設備の無償貸与も行われるようになっていきます。すると、これらの設備費用が見えない形でガス料金に上乗せされてしまい、結果として入居者が知らず知らずのうちに負担するというケースが起こりました。

このように、事業者の過剰なサービスコストが入居者に転嫁されてしまうという仕組みは、LPガスの大きな問題とされています。

賃貸集合住宅におけるLPガスの商慣行

(出典:経済産業省資源エネルギー庁「LPガスの契約を透明化!私たちにも影響する、法制度改正の中身とは?」)

貸付配管の問題

制度改正に至ったもう一つの背景には、LPガス事業者による「貸付配管」の問題があります。貸付配管とは、一戸建ての建設時に設置したガス管において、所有権をLPガス事業者が持ったままガス供給する状態を指します。

この方法は配管工事費が建築費に含まれないため、見かけ上は住宅価格が安くなる仕組みです。一方、入居後は数十年にわたって配管の賃借コストを払い続けなければならなりません。

さらに、ガス料金にその費用が上乗せされる事例も発生しており、サービスの信頼性や市場の健全性を損なう事態につながっています。LPガスの制度改正は、こうした現状を鑑みるとともに、昨今のエネルギー価格の高騰も踏まえて見直されたという経緯があります。

制度の変更点を解説

ここからは2025年に行われるLPガスの取引適正化について、具体的な変更点を見ていきましょう。

過大な営業行為の制限

まずは、問題になっていた設備の無償貸与などをはじめとした「過大な営業行為」の制限が挙げられます。正常な商慣行を超えた利益供与を禁止するとともに、事業者の切り替えを制限するような条件付きでの契約締結を禁止するというのが具体的な内容です。

三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)

「三部料金制」とは、ガスの料金を「基本料金」「従量料金」「設備料金」の三部で示し、それぞれの内訳が分かるようにした料金形態のことです。また、設備料金は配管やガス器具などのガス消費に関連するもののみを対象とし、エアコンやインターホンなどを含めてはならないとされます。

なお、「過大な営業行為の制限」と「三部料金制の徹底」については、罰則規定のある条文に位置付けるとされています。

入居者への情報提供

改正後の制度では上記2つの項目に加え、事業者に対して「LPガス料金などの入居者への情報提供」の努力義務も設けられています。これは物件の入居希望者に対して、事前にガス料金の提示を行うことを定めた決まりです。

さらに、入居希望者から直接的に情報提供の要請があった場合は、事業者はそれに応じることが義務付けられます。

制度改正に伴う影響

制度改正により、当然ながらLPガス事業者には営業やサービスの見直しなどの転換が求められます。ガス料金の仕組みが変わることで、入居者や物件オーナーにもさまざまな影響が出ると予想されます。

ここでは入居者とオーナーのそれぞれについて、想定される影響の内容を解説します。

入居者への影響

新制度が施行されることで、LPガスの契約に関する新規入居者の設備費負担は発生しなくなります。また、既存の入居者には、ガスの基本料金・従量料金・設備料金などの算定根拠の明示が必要となります。

その結果、契約上の透明性が高くなり、不当な料金の負担などは発生しなくなると期待できるでしょう。

物件オーナーへの影響

物件のオーナーからすれば、新たに賃貸物件を経営する際に、これまでのようにLPガス事業者に設備設置のコスト負担を頼れなくなります。設置コストについては、「家賃に上乗せする」か「自己負担する」といった対処が求められます。

LPガス事業者の商慣行を利用している既存物件では、これまでのように設備費用をガス代に入れられなくなります。

仮に家賃上乗せなどの対応を行った場合は、既存の入居者からの理解が得られず退去となる可能性もあります。状況によっては、新たな空室対策が必要になるケースもあるでしょう。

住宅会社に求められる必要な対策

今回の制度改正は、LPガス事業者はもちろんのこと、住宅・不動産分野の事業にも大きな影響を与える出来事です。まずは制度改正の経緯と内容、ガイドラインの把握に努める必要があります。

特に「過大な営業行為の制限」と「三部料金制の徹底」には罰則が設けられているため、トラブルを避けるためにも丁寧に内容を理解しておかなければなりません。しかし、現状ではまだ個別事例の蓄積が少なく、どの程度の行為を違反とするかなどが具体的に定まっていないのも確かです。

そのため、住宅会社には行政機関、業界団体と連携しながらLPガス契約の健全化に取り組んでいく姿勢が求められています。たとえば資源エネルギー庁では、多くの関連情報を集めるために、「LPガスの取引適正化に関する情報提供窓口」が開設されています。

これは事業者・消費者問わずに匿名でも情報提供が行える窓口であり、寄せられた情報をもとに取り締まりの強化や政策立案への活用などが行われる仕組みです。また、国土交通省を通じて不動産関係団体向けの説明会も随時行われているため、こまめに資料をチェックしておくことも大切です。


●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:LPガスの取引適正化が行われる理由は?
A:
LPガス特有の商慣行により、消費者への不当な費用負担の発生や、一戸建てへの「貸付配管」などが問題化していたことが背景にあります。さらに、昨今のエネルギー価格の高騰も踏まえて、2025年に大幅な制度改正が行われる運びとなりました。

Q:LPガスの制度改正の変更点は?
A:
まずは、罰則規定付きの「過大な営業行為の制限」「三部料金制の徹底」が大きな変更点として挙げられます。また、事業者の努力義務として、「入居希望者へのガス料金などの情報提供」も加えられます。


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