枠_左上
枠_右上

独立・開業

枠_左下
枠_右下

マンション管理士とは? 独占業務・業務内容・資格取得のポイントを解説

マンション管理士とは? 独占業務・業務内容・資格取得のポイントを解説

マンション管理士は、マンション管理の専門家として維持管理に関する助言・指導、管理規約の策定などを行える資格です。不動産分野におけるメジャーな資格の一つでもあり、取得すれば自身のキャリアを大きく広げられる可能性もあります。

今回はマンション管理士とはどのような資格なのか、独占業務の有無や業務内容、有資格者の今後の需要などについて解説します。

 ≫ 業務に役立つ資料を無料でダウンロード!『お役立ち資料』

目次[非表示]

  1. 1.マンション管理士とは?
  2. 2.マンション管理士の独占業務と業務内容
    1. 2.1.マンション管理士の業務内容
      1. 2.1.1.①管理規約の策定・見直し
      2. 2.1.2.②長期修繕計画の策定・運用
      3. 2.1.3.③区分所有者への対応
    2. 2.2.特に独占業務はない
  3. 3.マンション管理士の需要と背景
    1. 3.1.マンションストック数の増加・高経年マンションの増加
    2. 3.2.居住者の高齢化
  4. 4.マンション管理士の資格を取得するメリット
    1. 4.1.独立開業に役立つ
    2. 4.2.開業のコストを抑えられる
    3. 4.3.将来的な需要が見込める
  5. 5.マンション管理士の試験概要と勉強時間
    1. 5.1.試験概要
    2. 5.2.目安勉強時間

マンション管理士とは?

マンション管理士とは、マンションの維持管理に関する助言・指導、管理規約や長期修繕計画の策定、区分所有者間のトラブル対処などを業務とする専門家です。マンション管理士の資格は、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に基づき、国家資格に位置付けられています。

マンション管理を適正に行うには、建物の維持・管理や管理組合の運営に関する専門的な知識が求められます。そのため、マンション管理士の資格試験は比較的に難関とされており、下記のように直近5年間における合格率は1割前後です。

直近5年間の合格率

2019年:8.2%
2020年:8.6%
2021年:9.9%
2022年:11.5%
2023年:10.1%

(出典:公益財団法人マンション管理センター「令和4年度マンション管理士試験の結果について」/「令和5年度マンション管理士試験の結果について」)

それだけに、取得できれば一定以上のスキルと知識を保有していることを証明できるのが魅力といえます。

マンション管理士の独占業務と業務内容

マンション管理士は具体的にどのような業務を行う職種なのでしょうか。ここでは、主な業務内容と独占業務について見ていきましょう。

マンション管理士の業務内容

マンション管理士の代表的な仕事は、管理組合の運営に対して助言・指導などの支援を行うことにあります。具体的な業務としては、次のものが挙げられます。

代表的な業務内容

管理規約の策定・見直し
長期修繕計画の策定・運用
区分所有者への対応


①管理規約の策定・見直し

マンションの適切な管理を行うためには、基本的なルールにあたる管理規約の策定が重要となります。また、定期的に見直しを行い、法的な観点で問題がないかをチェックすることも大切です。
管理規約に関する主な業務内容は次のとおりです。

主な業務内容

  • 理事会での話し合いへの参加
  • 区分所有者への説明会の実施
  • 管理規約、使用細則などの改正案の作成
  • 総会の開催
  • 改正した管理規約、使用細則の運用


②長期修繕計画の策定・運用

建物の管理には、適切な長期修繕計画が必要となります。そのための計画策定や予算管理、修繕計画の実行などもマンション管理士の重要な仕事です。

主な業務内容

  • 工事の実績や経年を踏まえた修繕項目の見直し
  • 建物の構造や設備ごとの修繕周期の設定
  • 工事推定価格の算出、予算の見直し
  • 長期修繕計画の実行


③区分所有者への対応

集合住宅であるマンションでは、住民同士のトラブルや共用部分に関するトラブルなどのリスクが発生しやすいのが特徴です。そのため、区分所有者同士のトラブル処理や、管理組合へのトラブルに関する助言など、一般的に「管理人」としてイメージされるような業務もマンション管理士の代表的な役割です。

主な業務内容

  • 区分所有者から寄せられた相談への対応
  • 義務違反した区分所有者への措置対応のアドバイス
  • 管理費や修繕積立金の滞納者への対応のアドバイス


特に独占業務はない

現行の法律では、マンション管理士の有資格者のみに認められた独占業務はありません。そのためマンション管理の業務については、特に資格を持っていない方でも担うことは可能です。

しかし、実務においては法的な知識や建物の構造・設備に関する知識など、専門的な観点が求められる業務も多数あります。また、マンション管理士の名称を用いるには、マンション管理士の資格をとったうえで登録を行う必要があるので、取得するメリットは大いにあるといえます。

 ≫ 関連コラム『マンション管理士の独占業務の有無と今後の需要について』

マンション管理士の需要と背景

マンション管理士の仕事は、今後もますます需要が高まっていくと考えられています。ここでは、その社会的な背景について見ていきましょう。

マンションストック数の増加・高経年マンションの増加

国土交通省のデータによれば、2022年末時点におけるマンションストック総数は約694.3万戸とされており、1980年代から長期的に増加の一途をたどっています。マンションストック数が増えるにつれて、管理業務の専門知識を必要とする場面が増えるため、マンション管理士の需要も自然に高まっていくと考えられます。

特に、築年数が経過した高経年マンションの増加が目立ち、築40年以上のマンションは2022年末時点で約125.7万戸に達するというデータがあります。試算によれば、10年後には約2.1倍、20年後には約3.5倍に増加する見込みです。

マンションの老朽化に伴い、大規模な修繕・改修が必要となるため、長期修繕計画の策定・実施業務を担うマンション管理士はますます需要が高まると考えられます。

(出典:国土交通省「分譲マンションストック数の推移」「築40年以上の分譲マンション数の推移」)

居住者の高齢化

高経年マンションでは、居住者の高齢化も大きな問題となっています。5年に1度行われるマンション総合調査では、最新のデータにあたる平成30年度時点で、区分所有者の世帯主のうち、50~70歳代が半数以上を占める結果となりました。

居住者が高齢化すれば、管理組合は役員のなり手不足や活動の停滞、対応力不足といった課題を抱えるようになります。管理組合の適正な運営を維持していくためには、居住者主体での管理に頼るだけでなく、マンション管理士により専門的な支援が必要になってくるといえるでしょう。

(出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果-3. 区分所有者向け調査の結果」)

マンション管理士の資格を取得するメリット

マンション管理士の資格を取得するメリットについて、ここでは3つのポイントで確認しましょう。

独立開業に役立つ

マンション管理士の登録要件は「マンション管理士資格の取得」と「欠格事項に該当しない」という2つのみであり、試験に合格さえできれば比較的にハードルが低いのが特徴です。実務経験の有無や講習の受講などは問われないため、資格の取得後すぐに独立開業することもできます。

また、宅地建物取引士や管理業務主任者といったその他の資格との相性もよく、キャリアの幅を柔軟に広げられるのも魅力です。

開業のコストを抑えられる

マンション管理士としての基本的な業務は、マンションに出向いて行うことが多いため、事務所を構える必要がありません。一般的なその他の士業と異なり、事務所の設置要件が定められていないため、自宅でも独立開業可能です。

また、商材の準備や仕入れ、業界団体への加盟費用なども必要ないため、開業にあたっての初期費用を大幅に抑えられます。参考までに、マンション管理士の登録にかかる費用としては次のようなものが挙げられます。

マンション管理士の登録にかかる費用

  • 登録免許税:9,000円
  • 登録手数料:4,250円


将来的な需要が見込める

前述のとおり、マンション管理士は将来的な需要の増加が見込めるため、収入アップを期待しやすいのがメリットです。また、会社によっては資格の保有によって手当が付与されるケースもあるため、独立開業する場合に限らずに収入の向上を狙えるのも魅力といえます。

マンション管理士の試験概要と勉強時間

最後に、マンション管理士試験の概要や勉強時間の目安について見ていきましょう。

試験概要

マンション管理士試験は例年、1年に1度、11月に実施されます。受験要件は定められておらず、保有資格や実務経験の有無にかかわらず受験が可能です。

マンション管理士の試験概要

試験日

11月下旬

試験地

札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市及び那覇市並びにこれらの周辺地域

出題数

50問(管理業務主任者試験の合格者は45問)

出題形式

4肢択一マークシート

出題内容

主に4つの分野について出題
 1.マンション管理に関する法令・実務に関すること
 2.管理組合の運営の円滑化に関すること
 3.マンションの建物・附属施設の構造および設備に関すること
 4.マンション管理の適正化の推進に関する法律に関すること

受験手数料

9,400円

(出典:公益財団法人マンション管理センター「令和5年度マンション管理士試験 実施要領」)

目安勉強時間

基礎知識の有無や関連実務経験の有無によっても異なりますが、試験に合格するためには500時間程度の勉強時間が必要とされています。仕事をしながら1日2時間の勉強時間を確保する場合、500時間の勉強時間に達するには8~9ヶ月程度の期間が必要です。

11月下旬の試験に間に合わせるには、逆算するとその年の2月か3月あたりから勉強をスタートさせる必要があると判断できます。

 ≫ 関連コラム『マンション管理士試験の受験を控える方必見! 合格のため直前までにやっておきたいことを解説』


●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:マンション管理士とは?
A:
マンション管理士とは、マンションの維持管理に関する助言・指導、管理規約や長期修繕計画の策定、区分所有者間のトラブル対処などを業務とする専門家です。マンション管理士の資格は、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に基づき、国家資格に位置付けられています。

Q:マンション管理士の将来性は?
A:
マンションのストック数の増加や老朽化に伴い、専門的な知識を持ったマンション管理士の需要はますます高まると考えられます。区分所有者の高齢化により、管理組合の運営力低下が課題となっている点も、マンション管理士の需要が高まるとされる要因です。

Q:マンション管理士の資格取得に必要な勉強時間は?
A:
初学者の場合は500時間程度の勉強時間が必要とされています。1日2時間の勉強時間を確保する場合は、8~9ヶ月程度の学習期間が必要です。


  ブランディングサービス一覧|LIFULL HOME’S Business 仲介・管理|不動産会社(賃貸仲介、賃貸管理、売買仲介)向け課題発見・解決メディア|ライフルホームズの集客・営業・売上・人材確保 不動産会社(賃貸仲介、賃貸管理、売買仲介)向けのブランディング力を高めるサービスの一覧ページです。|LIFULL HOME’S Business 仲介・管理は、不動産仲介・賃貸管理にかかわる「会社や人」の課題を発見・解決し、成果をもたらす行動スイッチをONにするメディアです。是非、業務課題解決のためにご活用ください。 LIFULL HOME'S Business 仲介・管理


Business 編集部
Business 編集部
不動産仲介・賃貸管理業務に従事するみなさまを支援すべく、不動産営業のノウハウや人材採用、市場トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

関連する最新コラム

キーワードから検索

footer logo
不動産業・住宅業にかかわる「会社や人」の課題を発見・解決し、
成果をもたらす行動スイッチをONにするメディア
業務支援サービス提供企業の方へ
LIFULL HOME'S Businessへ自社のサービスを掲載。
全国の不動産・住宅会社様へアピールいただけます!
facebook

Facebook
コラムやセミナー、業界情報などの最新情報をいち早くお届けします。

その他のビジネス向けサービス