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外国人人口が過去最多に。賃貸物件入居時のトラブル対策や契約時のポイントを解説

外国人人口が過去最多に。賃貸物件入居時のトラブル対策や契約時のポイントを解説

近年では、海外から日本へ移住する人や就労希望者が増加傾向にあります。しかし、外国人入居者を受け入れた経験がないと、トラブルが起きないか心配になることもあるでしょう。
 
本記事では、外国人住民増加の現状と、国土交通省の「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.日本人は減少し外国人は増加
    1. 1.1.外国人の人口が増えたエリア
  2. 2.「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」のポイント
    1. 2.1.家賃債務保証会社の活用
    2. 2.2.発生しやすいトラブルと対策
    3. 2.3.対応時に注意すること
  3. 3.「外国人の受入れガイド」のポイント
    1. 3.1.緊急連絡先も確認する
    2. 3.2.生活の注意点を物件に掲示
    3. 3.3.原状回復について理解してもらう
  4. 4.まとめ

日本人は減少し外国人は増加

総務省の調査によれば、2024年1月1日時点で全国の人口は1億2,488万5,175人、そのうち日本人住民は97.34%の1億2,156万1,801人でした。一方、外国人住民は332万3,374人で、2.66%を占めています。
 
注目すべきはその推移で、日本人住民は2009年をピークに15年連続で減少し、2023年の1年でも86万1,237人減少しました。
 
対照的に、2023年の外国人住民の人口は前年から32万9,535人増加しており、2013年の調査開始以来最多となりました。対前年の増減率は約11%のプラスで、こちらも調査開始以来最大です。

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住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数のポイント (令和6年1月1日現在)

(出典:総務省 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数のポイント

外国人の人口が増えたエリア

外国人住民の割合が最も高い都道府県は東京都で、4.65%を占めています。東京都の総人口1,391万1,902人のうち、64万7,416人が外国人住民です。
 
外国人住民の増加数も東京都が最多で、2023年中に前年から6万6,304人増えました。外国人住民の増加率で見ると、熊本県が最も高く、2023年中に24.18%の増加です。
 
市区部で見ると、大阪府大阪市が16万9,392人の外国人住民を抱え、全国最多となっています。また、大阪市は増加数も最多で、2023年は前年と比較して外国人住民が1万6,832人増えています。
 
増加率では、北海道芦別市が前年比115.79%増と、全国で最も大きな伸びを見せています。

「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」のポイント

国土交通省は、外国人が民間の賃貸住宅に円滑に入居できるよう、賃貸人や仲介業者、管理会社向けに「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」を作成しています。ここでは、同ガイドラインから、外国人受け入れのポイントを3つ紹介します。

家賃債務保証会社の活用

もし外国人を賃貸物件に受け入れることに不安を感じる場合は、外国人入居者に対するサポートが充実している家賃債務保証会社の利用を検討しましょう。家賃債務保証とは、賃料や原状回復費などの未払いを保証する制度です。
 
この保証を提供する会社の中には、入居者との外国語によるコミュニケーションが可能で、日本の賃貸習慣や生活マナーの説明・指導を行うところもあります。
 
さらに、家賃の集金や延滞家賃の督促を代行する会社もあり、トラブル防止の効果を期待できます。

発生しやすいトラブルと対策

外国人入居者に関連するトラブルで多い傾向にあるのが、ゴミ出しのルール違反と生活騒音です。
 
ゴミ出しについては、種類ごとに分別することや、それぞれの指定日に出すことをしっかり説明しましょう。言葉だけでなく、自治体が作成したゴミ出しについてのパンフレットなどを使うと、相手も理解しやすくなります。
 
自治体によっては、外国語版のゴミ出しのパンフレットを用意しているところもあるため、窓口に問合せてみるとよいでしょう。また、ゴミ置き場に分別方法や収集曜日の説明パネルなどを掲示するのも効果的です。
 
一方の生活騒音については、賃貸の建物はほかの部屋に音が伝わりやすいことを説明し、夜間から早朝にかけては静かに過ごすようにお願いしましょう。
 
入居者の出身国によっては、大勢で集まってのパーティーや歌を歌うことが習慣になっている場合もあります。こうしたことが、ほかの入居者や近隣に迷惑をかける可能性があることも伝えましょう。

対応時に注意すること

外国人入居者に日本語で対応する際は、シンプルでわかりやすい表現を使い、ゆっくりかつはっきりと話すように心がけましょう。筆談や写真、イラストなども用いると、こちらの意図がより伝わりやすくなります。
 
どうしてもコミュニケーションが難しい場合は、通訳してくれる友人や知人に同伴を依頼するのも一つの方法です。
 
外国人だからといって特別に考える必要はなく、日本人の入居者に対してと同様に丁寧な対応を心がければ、相手もしっかりと耳を傾けてくれるはずです。

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「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」(賃貸人、仲介業者・管理会社の方へ)

(出典:国土交通省 外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について

「外国人の受入れガイド」のポイント

国土交通省では「外国人の受入れガイド」も作成しています。このガイドでは、入居時や入居中、退去時の注意点を紹介しています。ここでは、同ガイドで扱われている3つのポイントについて解説します。

緊急連絡先も確認する

外国人を受け入れる際は、トラブルが発生した場合に備え、日本での緊急連絡先を確認しておきましょう。日本在住の親族や友人、勤務先、学生ならば通学先を聞いておけば、トラブルの際に援助を求められます。
 
緊急連絡先が親族や同じ国出身の友人の場合は、日本語が話せる方を指定してもらいましょう。できれば、日本に長く住み、習慣などを理解している方が理想です。
 
また、緊急連絡先に指定した方が帰国する際は、必ず新しく緊急連絡先となる方を教えてもらうようにしましょう。

生活の注意点を物件に掲示

ゴミの出し方や大きな音を出さないこと、共用部分の利用方法など、生活上の注意点を物件に掲示することはトラブル防止に効果的です。
 
掲示物は、説明を入居者の母国語で書いたり、イラストや写真を使ったりすると内容を理解してもらいやすくなります。
 
さらに、入居のタイミングで物件に足を運び、一緒に掲示物を確認しておくと見落としを防げます。また、念のため、掲示内容について不明点はないか尋ねておくのもよいでしょう。

原状回復について理解してもらう

契約時に、部屋の原状回復義務があることをしっかり伝えましょう。外国人入居者の出身国によっては、原状回復の習慣がない場合もあります。原状回復について理解してもらわないと、退去に伴って修繕費用を請求した際にトラブルになる可能性があります。
 
また、入居時に、入居者と一緒に現地で部屋の状態を確認し、写真などで記録しておくこともおすすめします。退去時に見つかった傷や汚れが、入居者の不注意によってできたものか、もともとあったものかでもめることを防げます。

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国土交通省の大家さん、不動産事業者のための外国人の受入れガイドより、入居中の対応ポイント

(出典:国土交通省

まとめ

近年の日本は、外国人住民の増加が続いています。2024年1月1日時点で、東京都ではおよそ64万人の外国人住民が生活しています。
 
また、熊本県は外国人住民の増加率が全国で最も高く、市区部では大阪市が全国最多の外国人住民を抱えています。外国人住民の増加は、都心に限らず全国に広がっていることがうかがえます。
 
今後も外国人住民が増加すれば、賃貸住宅の外国人居住者もさらに増えることが考えられます。賃貸に住む際の注意点などをしっかり伝えたうえで、外国人入居者を積極的に迎え入れ、物件の収益向上を図ってはいかがでしょうか。
 
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武井 利明
武井 利明
住宅メーカーに約20年営業職で勤務。現在は住宅専門ライターとして住まいの選び方、土地の選び方、ローンを含めた資金計画、プラン、メーカー比較、リフォームなど、幅広いテーマで多数のメディアに執筆。人気動画サイトの住宅系動画脚本なども手がける。営業マン時代に培った知識と経験を生かし、これから家を建てる方の悩みや疑問、不安を解決する記事を得意としている。

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