令和7年度税制改正。住宅ローン減税の子育て世帯優遇延長
2024年12月27日、令和7年度税制改正大綱が閣議決定されました。控除額の引き上げ(いわゆる年収103万円の壁)や、iDeCoの掛け金限度額の引き上げなど、多くの改正がなされる予定です。
今回は、令和7年度税制改正大綱から、特に住宅関連で影響の大きい住宅ローン減税や、マンションに関連した情報を抜粋して紹介します。
住宅ローン減税は子育て世帯の優遇延長
2024年から、住宅ローン減税の対象となる借入限度額の上限が住宅の性能により下記のように設定されています。
・長期優良住宅:4,500万円
・ZEH水準省エネ住宅:3,500万円
・省エネ基準適合住宅:3,000万円
上記借入限度額から、子育て世帯の場合、借入限度額の上乗せが2025年も引き続き実施されることとなります。
子育て世帯の場合
・長期優良住宅:5,000万円
・ZEH水準省エネ住宅:4,500万円
・省エネ基準適合住宅:4,000万円
「子育て世帯」は、「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」が該当します。
また、新築住宅の床面積要件を40m2以上に緩和する措置(合計所得金額1,000万円以下の年分に限る)についても、建築確認の期限が2025年12月31日に1年延長されます。
1年間の控除額は、借入金額×0.7%(控除率0.7%)で昨年度から変更ありません。
国土交通省 令和7年度国土交通省税制改正概要より
子育て対応リフォーム特例措置の延長
子育て世帯などが、子育てに対応した住宅のリフォーム(転落防止の手すり設置、対面式キッチンへの交換など)を行う場合に、標準的な工事費用相当の10%などが所得税から控除されるリフォーム促進税制が1年間延長されます。対象工事の限度額は250万円で、控除額は最大で25万円です。「子育て世帯」は、「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」が該当します。
国土交通省 令和7年度住宅税制改正概要より
マンション再生の円滑化を目的とした税制上の特例措置を創設・拡充
国土交通省の推計によれば、築40年以上のマンションは今後急激に増加する見込みです。しかし、老朽化マンションの再生には区分所有者の費用負担が大きく、合意形成のネックになっているという状況があります。
国土交通省はマンション建替円滑化法を改正する予定で、「マンション取壊し敷地売却事業」(仮称)、「マンション更新(一棟リノベーション)事業」(仮称)を新設し、これらの事業を円滑化するため、事業実施のために設立される組合について、従来の建替組合と同様の費用負担軽減が必要であるとして、下記のような特例が適用される予定です。
【法人税・法人住民税・事業税・事業所税】
・収益事業以外の所得の非課税措置
【消費税・地方消費税】
・資産譲渡等の時期、仕入税額控除及び申告期限の特例
国土交通省 令和7年度住宅税制改正概要より
ほか、令和7年度税制改正には、買取再販で扱われる住宅の取得等に係る特例措置(延長)、サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制(延長)、長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置(延長)なども含まれています。詳細は国土交通省の令和7年度税制改正ページを参照ください。
令和7年度税制改正
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