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宅建業に必要な供託金とは? 営業保証金と弁済業務保証金はいくら必要か解説

宅建業に必要な供託金とは? 営業保証金と弁済業務保証金はいくら必要か解説

宅建業における供託金とは、不動産取引でトラブルが発生した際に、顧客の損害を補償するためにあらかじめ預けておくお金のことです。
 
宅建業の開業時には、供託金として営業保証金の納付が求められます。ただし、保証協会に加入し弁済業務保証金分担金を納付することで、営業保証金の代わりにすることもできます。
 
本記事では、宅建業における供託金や、営業保証金と弁済業務保証金の違い、納付方法や返還手続きについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.供託金とは何か?
  2. 2.営業保証金と弁済業務保証金の違い
    1. 2.1.営業保証金とは
      1. 2.1.1.営業保証金の額
    2. 2.2.弁済業務保証金とは
      1. 2.2.1.全宅、全日などへの加入メリット
  3. 3.供託金の納付方法
    1. 3.1.営業保証金の場合
    2. 3.2.弁済業務保証金の場合
  4. 4.供託金の取り戻しや返還について
    1. 4.1.営業保証金の場合
    2. 4.2.弁済業務保証金分担金の場合
  5. 5.まとめ

供託金とは何か?

供託金とは、法律上の目的を果たすために法務局などの供託所に預け、債権者など特定の相手に引き渡される金銭などのことです。
 
宅建業における供託金は、宅地建物取引におけるトラブルなどで顧客に損害が生じた際の補償に充てる目的で、供託所にあらかじめ納付することが宅地建物取引業法により定められています(宅地建物取引業法第25条)。
 
参考:e-Govポータル 宅地建物取引業法 営業保証金の供託等
 
たとえば、宅地建物取引業者(以下「宅建業者」)に手付金を支払ったあとに連絡が取れなくなった場合でも、顧客は供託金から損害の一部または全部の補償を受けられます。
 
宅建業者は、宅建業の開業までに、定められた額の供託金を供託所に納付し、その旨を国土交通大臣または都道府県知事に届け出る必要があります。

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供託には、供託物の種類により、「金銭供託」「有価証券供託」「振替国債供託およびその他の物の供託」などに大別されます。宅地建物取引業においては、営業活動によって顧客などに与える損害を担保するために営業保証供託が必要となります

参考:法務省 【Q30】宅地建物取引業法に基づく営業開始のためにする供託は、どのようにしたらよいのですか。

営業保証金と弁済業務保証金の違い

宅建業における供託金には、宅建業者が直接供託金を納付する「営業保証金」と、保証協会が代わりに納付する「弁済業務保証金」があります。ここでは、この2種類の供託金について解説します。

営業保証金とは

営業保証金とは、宅建業者が自ら供託所に納付する供託金のことです。定められた額の金銭や有価証券を、主たる事務所(本店)の最寄りの供託所に納付します。
 
営業保証金の額は、主たる事務所(本店)が1,000万円、従たる事務所(支店)は1ヶ所ごとに500万円と定められています。

営業保証金の額

主たる事務所(本店)につき

1,000万円

その他の事務所(支店)ごとに
500万円

営業保証金のメリットは、一度供託金を納付すれば、その後の費用がかからないことです。もう一方の弁済業務保証金では、加入する宅地建物取引業保証協会(以下「保証協会」)に対して加入金や年会費の支払いが必要です。
 
ただし、納付金額が弁済業務保証金に比べ高額であり、開業前にまとまった資金を用意しなければならない点はデメリットといえます。

弁済業務保証金とは

弁済業務保証金とは、保証協会が宅建業者に代わって供託所に納付する供託金のことです。
 
保証協会は、加入する宅建業者から「弁済業務保証金分担金」を集め、その資金を元に供託所に弁済業務保証金を納付します。分担金を納付した宅建業者は、営業保証金の納付を行わずに宅建業を開始することができます。
 
分担金の額は、主たる事務所が60万円、従たる事務所が30万円となっており、営業保証金に比べて低額に抑えられている点がメリットです。
 
ただし、保証協会に加入する際に、分担金とは別に入会金および年会費の支払いが必要になります。

全宅、全日などへの加入メリット

主要な保証協会の一つ「全国宅地建物取引業保証協会」(全宅)では、本店の入会金を20万円、年会費は6,000円と定めています。さらに、支店を設置する場合は、入会金10万円、年会費6,000円が追加になります。
 
また、主要な協会として「公益社団法人 全日本不動産協会」(全日)があり、中小の不動産会社は全宅、もしくは全日のどちらかに加盟するのが一般的です。営業保証金供託の免除が受けられることが大きなメリットであるといえるでしょう。
 
なお、上記の保証協会には、いずれか一方にしか加入できません。
 
 ≫ 全日と全宅の違いを解説! 不動産団体に加盟するメリット

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供託書の写しを添付し、供託に関する届け出を提出した後で自治体から免許を取得することとなります。すべて手続を免許日から3ヶ月以内に完了する必要があります。期日を経過してしまうと免許を取り消される可能性があります

供託金の納付方法

供託金の手続きは、申請した都道府県別の自治体から免許通知を受けとってから行います。同じ供託金でも、営業保証金と弁済業務保証金では納付方法に大きな違いがあります。ここではそれぞれの納付方法を解説します。

営業保証金の場合

営業保証金の納付にあたっては、主たる事務所の最寄りの供託所に、供託書や添付書類とともに供託物(金銭、有価証券、振替国債)を提出します。
 
供託所に直接納付するほかに、インターネットバンキングやATMを利用した電子納付も可能です。電子納付を希望する場合は、その旨を供託所の窓口で伝え、必要な情報を記載した「供託受理決定通知書」を受け取ったうえで行います。
 
現金の受け入れを行っていない一部の供託所に金銭を納付する場合や、有価証券による納付を行う場合は、まず窓口に供託書を提出します。その後、供託官が指定する納入期日までに、日本銀行または代理店で支払いまたは証券の提出を行います。
 
振替国債による納付の場合は、振替国債の口座を管理する口座管理機関を通じ、供託所の口座に振替国債を振り替えます。供託手続きの後、供託物受入れの記載のある供託書を、自治体へ提出する必要があり、これらを免許日から3ヶ月以内に完了しなければなりません。
 
参考:法務省 【Q20】供託物は、どのように提出したらよいのですか。

弁済業務保証金の場合

弁済業務保証金は、保証協会の会員から納付された分担金を元に供託所に納付されます。保証協会が取りまとめるため、宅建業者が供託所に直接納付する必要はありません。
 
代わりに、宅建業者は任意の保証協会への入会の申し込みを行います。入会申込書や連帯保証書などの必要書類を提出し、入会審査を経て承認されると保証協会の会員となります。その後、弁済業務保証金分担金(分担金)を納付する流れです。
 
分担金の納付は金銭のみで、有価証券などによる納付はできません。納付方法は、保証協会の窓口での直接納付のほか、振り込みによる納付も可能です。

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宅地建物取引業保証協会に加入する場合も、加入までには手続きや審査などに時間を要します

供託金の取り戻しや返還について

宅建業を廃業する場合は、納付していた営業保証金の取り戻しを行うことができます。同様に、保証協会を退会した場合は弁済業務保証金分担金の返還を受けられます。ここでは、それぞれの手続き方法を解説します。

営業保証金の場合

宅建業者が廃業、免許を失効した場合や、従たる事務所を廃止した場合は、「取り戻し」と呼ばれる営業保証金の返還を受けることができます。
 
取り戻しを行うには、まず宅建業の免許を管轄する国や都道府県に、廃業等届出書や免許失効証明書、宅建業免許証などの必要書類を提出します。
 
その後、官報に営業保証金取り戻しの公告を依頼し、債権の弁済を請求する権利者がいないか確認します。6ヶ月の公告期間中に権利者からの申し出がなければ、債権の申し出がなかったことの証明書が交付されます。
 
この証明書に加え、供託書の原本などの必要書類一式を供託所に提出することで、営業保証金が返還されます。
 
参考:東京都 宅地建物取引業営業保証金の供託・取り戻し関係

弁済業務保証金分担金の場合

宅建業者が廃業や免許失効などによって保証協会を退会する場合も、納付していた弁済業務保証金分担金の返還を受けられます。
 
返還を受けるには、まず宅建業の免許を管轄する国や都道府県に、廃業等届出書や宅建業免許証などの必要書類を提出します。これらが受理されたあと、廃業等届出書の写しや退会届などの書類を保証協会に提出します。
 
退会が受理されると、保証協会が官報に営業保証金取り戻しの公告を依頼します。6ヶ月間の公告期間中に債権者から弁済請求の申し出がなければ、協会による分担金の返還処理が開始されます。
 
なお、返還処理には数ヶ月かかることもあり、営業保証金の取り戻しに比べて時間を要する点に注意しましょう。

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宅建免許が効力を失ったときや、取り消されたとき、廃業したときなどに取り戻しの手続きが可能です

まとめ

宅建業を始める際には、万が一の顧客トラブルに備え、供託金の納付が法律で義務づけられています。
 
供託金は、営業保証金として自ら供託所に納付するほか、保証協会に加入し弁済業務保証金分担金を支払うことで代替することも可能です。
 
供託金の額を抑えたい場合は弁済業務保証金が有利ですが、別途入会金や年会費がかかる点に注意が必要です。自社の資金状況に応じた、供託金の適切な納付方法を選べるように、制度の仕組みを正しく理解しておきましょう。

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武井 利明
武井 利明
住宅メーカーに約20年営業職で勤務。現在は住宅専門ライターとして住まいの選び方、土地の選び方、ローンを含めた資金計画、プラン、メーカー比較、リフォームなど、幅広いテーマで多数のメディアに執筆。人気動画サイトの住宅系動画脚本なども手がける。営業マン時代に培った知識と経験を生かし、これから家を建てる方の悩みや疑問、不安を解決する記事を得意としている。

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