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賃料査定の方法とは? 査定の種類と具体的な賃料算出の方法を解説

賃料査定の方法とは? 査定の種類と具体的な賃料算出の方法を解説

適切な賃料査定の方法を理解しておくと、賃貸管理の新規相談や既存物件の賃料見直しの際に、オーナーに説得力のある賃料を提案できます。また、適正な賃料を設定できるようになることで、空室回避や収益の向上も期待できます。

本記事では、賃料査定の種類や具体的な賃料算出の方法などを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.賃料査定とは
  2. 2.賃料査定の種類
    1. 2.1.机上査定
    2. 2.2.訪問査定
  3. 3.賃料算出の方法
    1. 3.1.賃貸事例比較法
    2. 3.2.積算法
      1. 3.2.1.計算式:(基礎価格✕期待利回り+諸経費 )÷ 12ヶ月 ÷ 戸数
  4. 4.賃料に影響するポイント
    1. 4.1.立地条件
    2. 4.2.建物条件
    3. 4.3.ニーズ
    4. 4.4.契約の種類
  5. 5.まとめ

賃料査定とは

賃料査定とは、同じような物件に対する周辺地域の賃料相場や建物の条件、ニーズなどを考慮し、適切な賃料を算出することです。賃貸物件の管理を相談された際や、管理物件の収益改善のために賃料の見直しを行う場合などに賃料査定を行い、算出された賃料をオーナーに提案します。

賃料査定は、賃貸経営の収益を左右する重要な業務です。賃料が高すぎれば空室が発生しやすくなり、十分な家賃収入が得られなくなります。

一方で賃料が安すぎると、期待したほどの収益が得られず、初期投資の回収が遅れることもあるでしょう。賃料査定では、入居者が納得する範囲で、可能な限り多くの収益を得られる賃料を算出することが求められます。

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賃貸経営の収益に影響のある賃料査定。賃料が高すぎると空室状態が長期にわたってしまう可能性もあり、リスクがあります

賃料査定の種類

賃料査定には、「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。この2種類は、査定の精度と、どのような状況で使うかに違いがあります。

机上査定

机上査定は、ほかの物件の情報を参考にして賃料を査定する方法です。自社の管理物件やレインズ(不動産流通標準情報システム)から査定対象と似た条件の物件を探し、その情報を基に賃料を算出します。

訪問査定のように現地に足を運ばずに査定できるため、比較的短時間で賃料を算出できます。また、遠方の物件を査定できる点もメリットです。

ただし、現地を見ずに査定するため、建物や周辺の細かな状況が賃料に反映されない場合があります。このため、賃料相談の初期段階や、急ぎで賃料を知りたいオーナーに対し、目安の賃料として伝える場合によく用いられます。

訪問査定

訪問査定は、物件に直接足を運び、建物や周辺の状況を確認したうえで賃料を算出する方法です。建物の内装や外装、設備の状態、部屋からの眺望、周辺の環境・施設などを目視で確認します。

査定の参考にするため、間取り図や登記事項証明書、リフォームや修繕を行っていればその資料などをオーナーに提供してもらう場合もあります。

ほかの物件の情報も参考にする点は机上査定と同様ですが、現地を確認することでより細かな状況を賃料に反映することができます。

一方で、オーナーの立ち会いが必要なことや、査定の検討材料が多くなることなどから、賃料の算出に時間がかかる点に注意が必要です。訪問査定は、物件管理の依頼を前向きに検討している、あるいはより正確な査定を求めるオーナーへの提案を行う際に適した方法だといえます。

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賃料査定は、かかる時間や精度などを踏まえてそのときに適したものを選択したい

賃料算出の方法

実際に賃料を算出する方法には「賃貸事例比較法」と「積算法」の2種類があります。それぞれ、査定の基準と算出された賃料の特徴が異なります。

賃貸事例比較法

賃貸事例比較法では、賃料査定を行う物件と、同じ地域にある築年数や間取り、立地などが類似したほかの物件を比較して賃料を算出します。各種の条件が似た物件を基準に査定を行うため、地域の需要に合った賃料を算出しやすい点が特徴です。

ただし、精度の高い査定を行うにはある程度の数の物件情報が必要なため、近隣に同じような物件が少ないと十分な比較ができない場合があります。

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同等の物件設備や立地など、条件が揃わないと比較がしにくい場合もあります

積算法

積算法では、物件の基礎価格に期待利回りを掛け、さらに管理費や各種税金などの諸経費を加えて賃料を算出します。

計算式:(基礎価格✕期待利回り+諸経費 )÷ 12ヶ月 ÷ 戸数

基礎価格とは、建築原価や類似した不動産の取引事例から算出する、時価ともいえる価格です。一方の期待利回りは、物件に投じた資本に対して期待できる収益の割合です。

積算法は、期待する利益を得るために必要な賃料の算出を目的とした計算方法になっています。また、ほかの物件の情報を必要としないため、近隣に条件の近い物件が少ない地域の賃料査定にも適しています。

ただし、ほかの物件の賃料を考慮しないことから、入居者が求める賃料と開きが生まれてしまう可能性がある点に注意しましょう。

賃料に影響するポイント

賃料査定では、物件の持つさまざまな条件に応じて補正を行いながら、賃料を決めていきます。ここでは、賃料の決定に影響する4つのポイントを紹介します。

立地条件

立地条件とは、物件のある場所の交通の利便性や周辺施設の充実度、住環境の良しあしなどのことです。なかでも以下の条件は、賃料に大きく影響すると考えられています。

・最寄り駅やバス停までの距離
・スーパーやコンビニ、病院の有無
・幼稚園や保育園、小学校までの距離
・日当たりや風通し
・治安の良しあし

建物条件

築年数や面積といった建物条件も、賃料に影響を与えます。特に以下の条件については、賃料の補正を十分に検討しましょう。

・築年数
・専有面積の広さ
・階数
・防犯設備の有無
・ペット飼育の可否

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築年数や階数などの基本的な情報以外に、設備情報なども加味して検討するとよいでしょう

ニーズ

査定を行う物件が地域の賃貸のニーズに合っているかどうかも、賃料を決めるうえで重要なポイントです。以下のニーズについてしっかり確認し、必要に応じて賃料の補正を行いましょう。

・入居者層(単身世帯、ファミリー世帯、高齢者世帯など)
・賃料の安さが重視されるか
・デザイン性の高さが求められているか

契約の種類

不動産の賃貸借契約には、契約期間が終了した際に更新ができる「普通借家契約」と、更新ができない「定期賃貸借契約」があります。

普通借家契約は一般的な賃貸契約であり、相場の賃料はこの普通借家契約に基づくものだと考えられます。そのため、査定を行うのが普通借家契約の物件なら、地域の相場を基準に賃料を決めても問題ないでしょう。

一方、定期賃貸借契約は更新ができず、入居者は短期間で転居しなければならないため需要が少ないことが予想されます。査定するのが定期賃貸借契約の物件の場合は、賃料を低めに補正したほうがよいかもしれません。

まとめ

賃料査定には、物件の情報を基に行う「机上査定」と、実際に建物や周辺環境を確認して行う「訪問査定」があります。机上査定は短期間で賃料を算出できることがメリットであり、訪問査定は精度の高い査定が可能な点がメリットです。

賃料の算出方法には「賃貸事例比較法」と「積算法」があり、賃貸事例比較法は地域のニーズに近い賃料を算出するのに向いています。一方、積算法はオーナーの利益確保が可能な賃料の算出に役立ちます。

賃料査定の種類や算出方法を理解し、オーナーに適切な賃料を提案できるようにしましょう。

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武井 利明
武井 利明
住宅メーカーに約20年営業職で勤務。現在は住宅専門ライターとして住まいの選び方、土地の選び方、ローンを含めた資金計画、プラン、メーカー比較、リフォームなど、幅広いテーマで多数のメディアに執筆。人気動画サイトの住宅系動画脚本なども手がける。営業マン時代に培った知識と経験を生かし、これから家を建てる方の悩みや疑問、不安を解決する記事を得意としている。

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