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シェアハウス経営は難しい? 初期費用からコンセプト設定までポイント解説

シェアハウス経営は難しい? 初期費用からコンセプト設定までポイント解説

シェアハウス経営は、一般的なアパートやマンション経営と比べて、高い収益性や空室リスクの分散が期待できる一方、日常的な運営・管理の手間の負担や関係法令への対応などの課題もあります。
 
本記事では、シェアハウス経営のメリット・デメリットを紹介したうえで、事業を始める際の初期費用の目安や注意点を解説します。

目次[非表示]

  1. 1.シェアハウス経営のメリット
    1. 1.1.高い収益性が見込める
    2. 1.2.空室のリスクを抑えやすい
    3. 1.3.明確なコンセプトで差別化できる
    4. 1.4.築年数が古い物件でも経営しやすい
  2. 2.シェアハウス経営のデメリット
    1. 2.1.運営・管理の手間がかかる
    2. 2.2.備え付けの家具・家電の維持費がかかる
    3. 2.3.シェアハウス経営に必要な初期費用
  3. 3.シェアハウスを経営する上での注意点
    1. 3.1.入居中の生活ルールを設定する
    2. 3.2.関係法令への対応
  4. 4.まとめ|入念な市場調査をもとに明確なコンセプトを打ち出そう

シェアハウス経営のメリット

はじめにシェアハウス経営のメリットを解説します。

高い収益性が見込める

シェアハウス経営では、一般的なアパート・マンション経営よりも高い収益性が期待できます。
 
これは、同じ建築面積でも、シェアハウスの場合はリビングやキッチン、浴室などの設備を共用にできるため、より多くの個室を確保しやすいことが理由です。
 
シェアハウスの主なターゲットは単身者であり、十分な個室スペースが確保できていない場合でも入居者のニーズを満たしやすいといえます。
 
また、各部屋に専用設備を設けないことで、工事費や維持管理のメンテナンス費用の削減につながるとともに、コンパクトな部屋でも入居者の満足度を高めることが可能です。
 
一戸建てや小規模なアパートを建てられるような規模の土地を活用したい場合は、シェアハウス経営を選ぶのも一つの方法です。

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国土交通省 国土交通省シェアハウスガイドブック。一戸建てシェアハウスのイメージ

(出典:国土交通省 国土交通省シェアハウスガイドブック

空室のリスクを抑えやすい

シェアハウスの場合、一般的な賃貸経営と比べて、空室リスクを分散しやすく家賃収入が安定しやすいメリットがあります。
 
これは、シェアハウスの場合、共用スペースを複数人でシェアしながらも、それぞれの部屋ごとに家賃収入が確保されるためです。
 
たとえば、100m2の中古一戸建てを一人に貸している場合、空室になれば家賃収入はまったくなくなります。一方、複数人が入居できるシェアハウスであれば、一部屋が空室になってもほかの部屋の入居者がいる限り、家賃収入がゼロになることはありません。
 
空室への次の入居者を見つけるまでの間も、ほかの部屋の家賃収入を得られるため、安定した経営を行いやすいといえます。

明確なコンセプトで差別化できる

シェアハウス経営のメリットとして、ターゲット層やコンセプトで差別化できる点が挙げられます。ターゲット層としては、学生や若い社会人、アーティスト、外国人、起業家など、特定の層に焦点を当てることが考えられます。
 
また、コンセプトを具体化したシェアハウス例として次のものがあります。
 
・英会話シェアハウス
・子育て支援シェアハウス
・ペット可シェアハウス
・起業家育成シェアハウス など
 
このほか、トレーニングルームやヨガスタジオを設けることで健康志向の人々を引きつけるなど、独自のコンセプトを掲げることで、ほかの賃貸物件との差別化が可能です。
 
立地条件を考慮しながら刺さるコンセプトを打ち出すことで、入居希望者にとって魅力的な選択肢となり、安定した賃貸経営を実現できるのです。

築年数が古い物件でも経営しやすい

シェアハウスを利用する入居者の多くは、コストを抑えつつ、入居者との交流や利便性を求める傾向があり、築年数が古い物件でも経営しやすい点もメリットといえます。
 
通常の賃貸では競争力が低下しがちな築古物件でも、適切なコンセプト設計やリノベーションで需要を見込むことが可能です。

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築戸物件でも、リノベーションやコンセプトの明確化により人気物件になる可能性もあります

シェアハウス経営のデメリット

シェアハウス経営にはデメリットもあります。

運営・管理の手間がかかる

シェアハウス経営は、一般的な賃貸経営以上に、運営・管理の手間がかかりやすい点がデメリットといえます。
 
リビングやキッチン、バスルームなど、多数の共用スペースを持つため、清掃や設備点検、消耗品の補充などの継続的な管理が必要なほか、ライフラインや通信回線の契約・維持管理もしなければなりません。
 
また、シェアハウスの運営では、コミュニティの管理や生活ルールの設定、入居者同士のトラブル対応も求められます。
 
これらの運営・管理を適切に行わないと、入居者の満足度が低下し、退去の原因となります
手間の負担を軽減するには、管理会社への委託やサブリース方式を検討してもよいでしょう。

備え付けの家具・家電の維持費がかかる

シェアハウスでは、入居者がすぐに生活できるように、個室スペースにはベッドや椅子、共用スペースには、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの家具・家電を備え付けるのが一般的です。
 
これらは経営を始める際の初期投資であり、入居者が使用するなかでの劣化や故障に伴う修繕・交換費用が定期的に発生します。
 
備え付けの家具や家電については、使用方法や管理方法を巡って入居者間でトラブルとなる可能性もあるため、使用上のルールを明確に定めておくことも大切です。

シェアハウス経営に必要な初期費用

シェアハウスの経営に必要な初期費用(中古物件の場合)の内訳は以下のとおりです。
 
●      物件取得費
●      リフォーム工事費
●      家具・家電・備品などの購入費
●      設計・企画料
●      損害保険料
●      そのほか諸費用(不動産取得税や登録免許税など)
 
初期費用の多くを占めるのが物件の取得費です。国土交通省のシェアハウスガイドブックによると、約半数が空き家の一戸建てをシェアハウスとして活用しています。
 
シェアハウス経営においては立地が重要なポイントですが、好立地の物件ほど取得費は高くなります。
 
物件の取得費以外にかかる初期コストは、物件の規模や状態、リフォームの範囲などに左右されますが、約250〜400万円が目安です。
 
内訳としては、リフォーム工事費が約200~300万円、共用スペースに設置する家具・家電の購入費用が約100万円、そのほか諸費用といったイメージです。

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入居者が一般( 社会人・学 生 )である場合の事例。国土交通省 国土交通省シェアハウスガイドブック

(出典:国土交通省 国土交通省シェアハウスガイドブック

シェアハウスを経営する上での注意点

ここでは、シェアハウスを経営する上での注意点を解説します。

入居中の生活ルールを設定する

シェアハウス経営では、入居者が快適な共同生活を送るための生活ルールを設定する必要があります。具体的な生活ルールとしては、次のようなものが考えられます。
 
・共用部分の清掃や役割分担
・生活音(テレビや電話、話し声など)への配慮
・キッチンや浴室、洗濯機といった共用設備の使用時間や管理方法
・来客・宿泊時のルール
・玄関や個室の施錠 など
 
外国人を受け入れる際は、日本の文化や生活習慣の違いを十分に説明し、理解を得たうえで迎え入れることが大切です。
 
また、シェアハウスでは、一般的に定期建物賃貸借契約が活用されます。賃貸借契約時には、特約として生活ルールを遵守する義務を入れておくとよいでしょう。

関係法令への対応

シェアハウスは、建築基準法上、共同住宅ではなく「寄宿舎」に該当します。新築でシェアハウスを建てる場合は問題ありませんが、中古の一戸建てなどをシェアハウスとして活用する場合、寄宿舎への用途変更に伴う関係法令への対応が必要です。
 
一戸建て住宅をシェアハウスに改修する場合、建物規模や構造によって、耐火建築物等への変更、あるいは建築確認申請の必要の有無が異なります。
 
また、建築基準法への適合のほか、消防法や各自治体による規制など、関係法令への対応が必要となる場合があるため、建築士や自治体、管轄の消防署などに相談しながら進めることが大切です。

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ゴミ出しルールの掲示、共用部分の清掃、騒音対策など、事前にルールを定めておく必要があります

まとめ|入念な市場調査をもとに明確なコンセプトを打ち出そう

シェアハウス経営を成功させるには、入念な市場調査のもとに明確なコンセプトを打ち出すことが大切です。ターゲット層や需要を見極め、明確なコンセプトを打ち出すことで、集客面でも差別化しながら入居者を募集できます。
 
同時に、共用スペースの維持管理や生活ルールの設定など、入居者が長く快適に暮らせる環境を整えることも大切です。
 
市場ニーズを把握し、入居者に魅力的な空間を提供することで安定したシェアハウス経営を目指しましょう。
 
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吉満 博
吉満 博
不動産コンサルタント・ライター。株式会社あつみ事務所 代表取締役。不動産の購入から売却まで出口戦略、資産性を踏まえ、長期の視点で不動産コンサルティング・売買仲介サービスを提供する。また、購入・住み替え前のライフプランニングから、資金計画や住宅ローン、保険の見直しなど、お金に関するセカンドオピニオンを提供。不動産・住宅ライターとして、不動産メディアを中心に、これまでの建築設計、不動産売買の経験を踏まえた記事執筆をおこなう。

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