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マンションに義務付けられた法定点検一覧。概要と周期、必要な資格を解説

マンションに義務付けられた法定点検一覧。概要と周期、必要な資格を解説

マンションに義務付けられている法定点検の対象は、建物本体はもちろん、消防設備や電気設備、水質検査など幅広い分野におよびます。

各点検は法律で定められた周期に従って行う必要があり、怠れば法令違反になるだけでなく、建物の安全性や資産価値を損なう恐れがあります。

本記事では、マンションの主要な法定点検の概要や周期、必要な資格などを解説します。点検内容を把握し、オーナーに適切な案内ができるようにお役立てください。

目次[非表示]

  1. 1.マンションに必要な法定点検とは
  2. 2.主な法定点検の種類一覧
  3. 3.法定点検の概要
    1. 3.1.1.特定建築物定期調査
    2. 3.2.2.建築設備定期検査
    3. 3.3.3.防火設備定期検査
    4. 3.4.4.昇降機(エレベーター)定期検査
    5. 3.5.5.消防用設備点検
    6. 3.6.6.簡易専用水道管理状況検査
    7. 3.7.7.専用水道定期水質検査
    8. 3.8.8.自家用電気工作物定期点検
    9. 3.9.9.浄化槽の保守点検、定期検査
  4. 4.まとめ

マンションに必要な法定点検とは

マンションにおける法定点検とは、建築基準法・消防法・水道法などに基づき、建物や設備を定期的に確認して所轄官庁に報告する制度です。点検ごとに、対象の箇所や点検方法、周期などが詳細に定められています。

適切な点検の実施は建物の安全確保と法令順守につながり、さらに建物を良好な状態に維持できることで、資産価値の維持も期待できるでしょう。

点検の多くは有資格者によって行われる必要があり、管理会社を通じて点検事業者に依頼するのが一般的です。そのため、管理会社には点検内容を把握し、適切にオーナーへの案内と手配を行う体制が求められます。

主な法定点検の種類一覧

マンションに義務付けられている主な法定点検を、周期・関連法令・点検資格者とともに一覧表にしました。点検の全体像を把握するための参考にしてください。なお、各点検の具体的な内容は次章で解説します。対象となる建物や点検内容は自治体により異なる可能性がありますので、詳細は自治体ホームページを参照してください。

名称

周期

関連法令

点検資格者

1
特定建築物定期調査

3年に1回

建築基準法

特殊建築物等調査資格者

1・2級建築士

2
建築設備定期検査

1年に1回

建築設備検査資格者

1・2級建築士

3
防火設備定期検査

防火設備検査員

1・2級建築士

4

昇降機(エレベーター)定期検査

昇降機検査資格者

1・2級建築士

5

消防用設備点検

点検

機器点検:6ヶ月に1回

総合点検:1年に1回

報告

特定防火対象物:1年に1回

非特定防火対象物:3年に1回

消防法

消防設備士

消防設備点検資格者

6

簡易専用水道管理状況検査

1年に1回

水道法

国土交通大臣・環境大臣の登録を受けた簡易専用水道の検査機関

7

専用水道定期水質検査

毎日

1ヶ月に1回

3ヶ月に1回

国土交通省および環境省の登録を受けた水質検査機関

8

自家用電気工作物定期点検

月次点検:1ヶ月に1回

年次点検:1年に1回

電気事業法

電気主任技術者

9

浄化槽の定期検査

保守点検

(頻度は種類により変わる)

浄化槽法

浄化槽管理士

法定点検の概要

ここでは、主な法定点検の概要を紹介します。対象となる建物の条件は、自治体によって異なることがあります。また、実際の点検において、ここで示す以外の点検を行う場合もあります。具体的な点検内容については、事前に依頼先の専門業者に確認するようにしましょう。

1.特定建築物定期調査

特定建築物定期調査は、敷地の地盤の状態や、建物の駆体の劣化・損傷を確認し、構造強度に影響がないかを調査する制度です。地盤や建物の不具合を早期に発見することで、事故や災害を未然に防ぎ、利用者の安全を確保する目的で行われます。

【周期:3年に1回】

点検箇所

点検内容

敷地・地盤

地盤沈下・陥没・凹凸・傾斜の有無など

建物外部

基礎・外壁・サッシの損傷の有無など

屋上・屋根

ひび割れ・排水不良・屋根材の欠損の有無、冷却塔・高架水槽の状態など

建物内部

天井・壁の劣化や損傷の有無、採光・換気設備の状況など

2.建築設備定期検査

建築設備定期検査は、一定規模以上の建築物に設けられた設備の状態を定期的に点検する制度です。建物利用者の安全確保と快適性維持のために、建物設備の適正な管理を促します。

【周期:1年に1回】

点検箇所

点検内容

換気設備

換気扇や換気フードの動作確認、風量測定、給気口・排気口の位置確認など

給排水設備

給水タンク・貯水槽・ポンプの動作確認、汚水槽・排水管の腐食や詰まりの有無など

非常用照明装置

照明器具の設置状況や点灯確認など

排煙設備

排煙機の動作確認や排気の風量測定、設置箇所の確認など

3.防火設備定期検査

防火設備定期検査は、建築基準法の改正により、2016年に新たに施行された検査報告制度です。点検対象となるのは、火災時に煙や熱を感知して閉鎖または作動する防火設備です。

【周期:1年に1回】

点検箇所

点検内容

防火扉

閉鎖の障害物の有無、煙熱感知器との連動確認、起動装置の作動状況など

防火シャッター
耐火クロススクリーン

ドレンチャ
(水幕発生装置)

水幕形成の障害物の有無、散水ヘッドの動作確認、水源の状況など


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各法令点検の内容や対象となる建物は、自治体によって異なる場合があります。詳細は自治体ホームページを参照してください

4.昇降機(エレベーター)定期検査

昇降機(エレベーター)定期検査は、利用者の安全を守るために義務付けられた検査報告制度です。報告を行うと発行される「検査済証」は、エレベーターのかご内などに掲示することが求められます。

ただし、次のエレベーターは検査の対象外です。
・国や自治体が所有する建物に設置されているもの
・住戸専用として設置されているもの
・積載量1トン以上で性能検査の対象となるもの

【周期:1年に1回】

点検箇所

点検内容

機械室

通路や出入り口の障害物の有無、戸の施錠・救出装置・制御器の状況など

巻き上げ機

動作・速度・ブレーキの確認、音・振動・発熱の確認など

かご

壁・天井・床などの状況、開閉ドア・操作盤・表示器の動作確認など

5.消防用設備点検

消防用設備点検は、消火器・スプリンクラー・自動火災報知設備などを設置した建物を定期的に点検する制度です。火災時に設備が正常に作動しなければ、被害が拡大し人命に関わる恐れもあることから義務付けられています。

点検は「機器点検」と「総合点検」に分かれ、それぞれ周期と点検内容が異なります。

点検の種類

周期

点検内容

機器点検

6ヶ月に1回

外観や簡易操作による確認、非常電源やポンプの動作確認など

総合点検

1年に1回

実際に消火器・火災報知器・スプリンクラーなどの設備を作動させて状態を確認


一方、報告については建物の用途によって「特定防火対象物」と「非特定防火対象物」に分かれており、周期が異なります。

報告の種類

周期

建物の用途

特定防火対象物

1年に1回

店舗・ホテル・病院・飲食店など

非特定防火対象物

3年に1回

工場・事務所・共同住宅(マンション)・学校など       

6.簡易専用水道管理状況検査

簡易専用水道管理状況検査は、水道水のみを水源とし、有効容量10m3を超える受水槽(貯水タンク)を設置している建物に義務付けられた検査制度です。

受水槽や給水設備の状態を確認し、利用者が安心して飲める水を確保することを目的としています。

【周期:1年に1回】

検査項目

点検内容

施設の外観検査

受水槽・高置水槽およびその周辺の状況など

水質検査

蛇口の水の臭気・味・色・色度・濁度・残留塩素の有無など

書類検査

水槽(受水槽・高置水槽)の掃除の記録状況など

※水槽は年1回以上の清掃が義務付けられています

7.専用水道定期水質検査

専用水道定期水質検査は、専用水道を設置する施設に対し、供給される水が水質基準に適合しているかを確認する制度です。利用者の安全を確保することを目的として定められました。

専用水道とは、給水人口が100人を超え、さらに生活用水量が1日20m3を超える自家用水道設備のことです。ただし、以下の要件にすべて当てはまる場合は専用水道には該当しません。

・水道局から供給を受ける水のみを水源としている
・口径25mm以上の導管の延長が1,500m以下である
・水槽の有効容量の合計が100m3以下である

検査の周期は「毎日」「毎月」「3ヶ月に1回」に分かれます。

周期

検査内容

毎日

色・濁り・残留塩素の有無

毎月

一般細菌・大腸菌などの有無

3ヶ月に1回

シアン化物イオン・塩化シアン・塩素酸などの有無

8.自家用電気工作物定期点検

自家用電気工作物定期点検は、600Vを超える電気を受電・使用する電気設備を対象にした点検制度です。設備の異常や劣化を早期に発見し、火災や感電などの事故を防ぐ目的で定められています。

点検の周期は「月次点検」と「年次点検」の2つに分かれています。

点検の種類

周期

点検内容

月次点検

1ヶ月に1回

機器の状態を目視確認、電流漏えい測定、過負荷の有無など

年次点検

1年に1回

月次点検の内容に加え、絶縁抵抗の測定や継電器との結合動作試験など

9.浄化槽の保守点検、定期検査

浄化槽がマンションに設置されている建物では、1983年に制定された浄化槽法により浄化槽の保守点検や清掃、定期検査が義務付けられています。

保守点検の頻度は、処理方式や処理対象人数(人槽)により異なります。また、保守点検の委託先については、自治体によって指定管理会社の指定がある場合がありますので、詳細は自治体ホームページを参照してください。

参考:東京都 浄化槽の保守点検

まとめ

マンションの法定点検は、安全確保と法令順守のために欠かせない制度であり、物件の資産価値維持にもつながります。点検箇所は法令ごとに細かく定められており、周期や資格要件もそれぞれ異なります。

管理会社としては、点検の全体像をしっかり把握し、オーナーや入居者に不安を与えないよう計画的に実施するようにしましょう。

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武井 利明
武井 利明
住宅メーカーに約20年営業職で勤務。現在は住宅専門ライターとして住まいの選び方、土地の選び方、ローンを含めた資金計画、プラン、メーカー比較、リフォームなど、幅広いテーマで多数のメディアに執筆。人気動画サイトの住宅系動画脚本なども手がける。営業マン時代に培った知識と経験を生かし、これから家を建てる方の悩みや疑問、不安を解決する記事を得意としている。

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