賃貸不動産経営管理士試験に合格するための勉強時間とポイント
賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理会社に設置が義務づけられている“業務管理者”の要件を満たす資格です。2021年4月21日の国土交通省令によって、国家資格化されました。
賃貸住宅管理に関する知識・技能・倫理観を持つ専門家として、賃貸住宅管理の適正化や居住者の安全・安心を確保する役割を担います。
この賃貸不動産経営管理士になるには、毎年11月に実施される賃貸不動産経営管理士試験に合格して、資格者登録を受ける必要があります。これから資格取得を目指す方は、勉強時間の目安や合格のための勉強ポイントについて知っておくことが大切です。
この記事では、賃貸不動産経営管理士試験に合格するための目安となる勉強時間とポイント、スケジュール例について解説します。
なお、賃貸不動産経営管理士が国家資格化された背景や業務内容、宅建士との違いについては、こちらの記事をご確認ください。
≫ 賃貸不動産経営管理士とは? 国家資格化された背景と業務内容について
≫ 賃貸不動産経営管理士と宅建士の違いとは? ダブルライセンスのメリットも解説
目次[非表示]
- 1.賃貸不動産経営管理士試験の合格に必要な勉強時間
- 2.賃貸不動産経営管理士試験合格の勉強ポイント
- 2.1.①テキストで全体像をつかむ
- 2.2.②過去問題でアウトプットする
- 2.3.③予想問題で本番に備える
- 3.試験勉強のスケジュール例
- 4.まとめ
賃貸不動産経営管理士試験の合格に必要な勉強時間
賃貸不動産経営管理士の試験合格に必要な勉強時間の目安は、一般的に100~200時間といわれています。2019~2021年度の合格率は31~36%ほどで、受験者の約3割が合格している状況です。
国家資格化によって受験者数が増加して、難易度が上がる可能性があることから、初学の方はより多くの勉強時間が必要になると考えられます。
賃貸不動産経営管理士試験に受験資格はなく、未経験者・経験者にかかわらず受験が可能です。そのため、合格率のみで試験の難易度や合格のための勉強時間を示すことはできません。
100〜200時間という勉強時間はあくまで目安と捉えて、個人の知識量や勉強ペースなどを考慮してスケジュールを組むことが大切です。
賃貸不動産経営管理士試験合格の勉強ポイント
賃貸不動産経営管理士試験の合格判定基準は、8割以上(50問中40問以上)の正解(※)となっています。出題内容や傾向を把握したうえで、効率よく勉強を進める必要があります。
ここからは、試験合格に向けた勉強のポイントを3つ解説します。
※2021年度試験の基準。免除制度のある管理士講習修了者の場合は、45問中35問以上の正解が合格判定基準となる。
①テキストで全体像をつかむ
試験勉強を始めるにあたって、まずは賃貸不動産経営管理士試験のテキストを購入して、出題内容の全体像をつかんで理解を深めることが重要です。
賃貸不動産経営管理士試験では、賃貸管理に関する受託契約や管理業務、金銭の管理など、法令・実務に関する問題が出題されます。試験の全体像をつかむためには、テキストを読み込み、専門用語や問題の表現に慣れることが必要です。
また、試験では大きく2つの出題パターンがあります。
▼出題パターン
- 過去問題の表現を変えた問題
- あるテーマにおいて論点の理解を問う問題
効率よく知識を定着させるためには、テキストを読む際に、理解が必要な箇所・暗記が必要な箇所を分けて取組むことがポイントです。
不動産関連の法規については、根拠のある理解が求められるため、分からなかったり、あいまいになったりしている箇所は重点的に勉強します。
②過去問題でアウトプットする
テキストで知識のインプットを行いつつ、並行して過去問題を解くこともポイントです。過去問題を解くことで、学習した知識が定着しているか、表現や前提条件を変えた問題にも応用できるかといった点を確認できます。
間違った部分は、再度テキストを見返して復習を繰り返すことで、知識の定着化を図れます。また、試験では過去問題をベースとした問題も一部出題されるため、過去問題に慣れておくことで応用力が身につくといったメリットもあります。
③予想問題で本番に備える
試験日が近くなり、勉強時間に余裕がある場合は、予想問題を解くこともおすすめです。賃貸不動産経営管理士試験は、国家資格化されてまだ日が浅いため、新しい形式の問題や難問が出題される可能性があります。
予想問題を解くことで、本試験で出題される可能性が高い問題についてもしっかりと対策できます。また、試験本番のように時間配分を考えたり、四肢択一のマークシート方式に慣れたりする目的もあります。
試験勉強のスケジュール例
試験勉強のスケジュールを立てる際は、一日に確保できる勉強時間を踏まえて、勉強をスタートする時期と時間配分を考えることが大切です。
前述したように、賃貸不動産経営管理士試験の合格に必要な勉強時間の目安は、約100~200時間です。仮に100時間の勉強時間を確保する場合、1日当たりの勉強時間と所要期間は、以下のようになります。
▼100時間勉強する場合に必要な期間
日当たりの勉強時間 |
所要期間 |
---|---|
30分 |
約6ヶ月 |
1時間 |
約3ヶ月 |
2時間 |
約1ヶ月半 |
3時間 |
約1ヶ月 |
試験日は毎年11月の第3日曜日となるため、逆算して勉強をスタートさせる必要があります。1日1時間・100時間勉強する場合のスケジュール例は、以下のとおりです。
▼1日1時間・100時間勉強する場合のスケジュール例
9月 |
インプットとアウトプットの並行学習 |
---|---|
10月 |
過去問題と苦手分野の重点学習 |
11月~試験日まで |
過去問題と予想問題(模擬試験)による学習 |
まとめ
この記事では、賃貸不動産経営管理士試験について、以下の項目で解説しました。
- 合格に必要な勉強時間の目安
- 合格に向けた3つの勉強ポイント
- 試験勉強のスケジュール例
賃貸不動産経営管理士は、2021年度の試験から国家資格化されています。近年では受験者数が増える傾向があり、難易度が高くなる可能性があります。
不動産業での実務経験の有無や個人の知識によって異なりますが、試験合格に必要な勉強時間の目安は100~200時間といわれています。
テキストによるインプット学習に加えて、過去問題によるアウトプット学習と復習を繰り返して、知識の定着、応用力の向上を図ることがポイントです。試験が近くなったら、予想問題や模擬試験を受けることもおすすめです。
また、勉強をスタートする際は、一日に確保できる勉強時間を踏まえたうえで、11月の試験日から逆算して計画的なスケジュールを立てることが大切です。
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