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東京の人口減はいつから?これまでの変化と2065年の未来予測を解説

東京の人口減はいつから?これまでの変化と2065年の未来予測を解説

人口減少や少子化は、メディアで見ない日はないほど、大きな社会問題になっています。こうした人口変動は東京も例外ではありません。本記事では、東京都の人口について、これまでの推移や今後の予測について解説します。

また、「東京一極集中」について、東京都が発表している資料をもとに、少し意外なデータも紹介します。東京の人口について大まかな流れを掴みましょう。

目次[非表示]

  1. 1.東京の人口はこれまでどのように推移?
  2. 2.これからの東京の人口は?
    1. 2.1.2030年から減少に転じる
    2. 2.2.東京都においても進む高齢化
    3. 2.3.出生数は緩やかに減少    
    4. 2.4.転入傾向を上回る自然減少
    5. 2.5.2035年にピークを迎える世帯数
  3. 3.東京一極集中に関する意外なデータ
  4. 4.東京都の少子化対策
  5. 5.人口動態や自治体施策に注目

東京の人口はこれまでどのように推移?

過去約100年間において、東京の人口はどのように変化してきたのでしょうか。

「2050東京戦略 附属資料 東京の将来人口」によれば、初の国勢調査が行われた1920年に370万人だった東京の人口は、その後20年間で735万人までほぼ倍増します。第二次世界大戦によって一時減少するも、戦後の復興やベビーブームによって右肩上がりで増加し、1960年代後半には1,000万人を超えました。出生数増加のほか、高度経済成長期における、地方から東京への移動が人口増に大きな影響を与えています。

その後、1970年代から1990年代後半までは、出生数の落ち着きや、地価高騰に伴う東京からの転出によって、およそ1,100万人台で推移しました。2000年頃からは、転入が転出を上回り、毎年10万人のペースで増加が続いています。

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東京都の人口推移。2050東京戦略 附属資料 東京の将来人口より

(出典:東京都「未来の東京」戦略 附属資料 東京の将来人口」

これからの東京の人口は?

過去100年間、戦時中を除き継続的に増加傾向にあった東京の人口ですが、今後はどのような推移をたどるのでしょうか。多くの企業にとって対応すべき経営課題である日本の人口減少は、東京でも起きるのでしょうか。

2030年から減少に転じる

東京の人口は、今後も当面の間、増加が継続するものの、2030年の1,426万人をピークに減少に転じると予測されています。2065年には、2020年に比べ1割程度減少の1,231万人になるといわれ、この現象は死亡数が出生数を上回る自然減によるものです。

東京都においても進む高齢化

高齢化というと、地方の課題というイメージが強いかもしれません。たしかに2020年の国勢調査では、東京の老年人口割合(高齢化率)は22.7%で、全国平均の28.7%に比べると低い傾向にあります。

しかしながら、東京においても高齢化の進行は予想されています。現役世代と高齢者の割合で見てみましょう。

2020年時点では、現役世代約3人で1人の高齢者を支えている東京ですが、2065年には約2人の現役世代によって1人の高齢者を支えるバランスに変化していくでしょう。

2065年の高齢化率は29.4%に達する見込みで、東京でも高齢化は確実に進むことが見て取れます。

出生数は緩やかに減少    

東京においても、出生数の減少傾向が予測されています。5年間の出生数で見てみましょう。2016年~2020年の間の出生数は53万人でしたが、その後緩やかに減少が継続し、2060年~2065年には、約2割減少し40万人となる見込みです。これは、15歳~49歳の女性人口の減少による影響であるといわれています。

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東京都出生数予測。2050東京戦略 附属資料 東京の将来人口より

転入傾向を上回る自然減少

かねてより東京は、転入が転出を上回る社会増の傾向が強かったのですが、全国的な人口減少の影響を受けて転入者が減少し、社会増は縮小するとされています。さらに、高齢化による死亡数の増加によって、社会増よりも自然減が多い状態になる2030年頃以降、人口は減少に転じるでしょう。

2035年にピークを迎える世帯数

少し視点を変えて、世帯数はどのように変化するのかを見てみましょう。2020年に722万世帯であった世帯数は継続して増加傾向にあり、2035年に768万世帯でピークを迎え、その後は、緩やかに減少を続け、2065年には、2020年よりも少ない681万世帯になる見込みです。

一世帯当たり平均世帯人員は、2020年の1.95人から、単身世帯割合が増加する影響で、2065年には1.81人となることが予想されています。

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東京都の人口推移予測。2050東京戦略 附属資料 東京の将来人口より

(出典:東京都「未来の東京」戦略 附属資料 東京の将来人口」

東京一極集中に関する意外なデータ

「東京に人が集まり、地方の人口が減る」という指摘に対し、東京都は「人口減少問題に関するファクトシート」を公表し、情報発信をしています。その中から、意外なデータを一部紹介します。

・東京都では、転入者と同じくらい多くの転出者が発生しており、住民の入れ替わりが起きている
・東京都の日本人人口はほぼ横ばいで、人口増加の95%を外国人が占めている
・東京の婚姻率・有配偶出生率は全国平均より高い
・平均初婚年齢・生涯未婚割合は、東京だけでなく全国的に上昇している

「働く場所が集中する東京に日本中から人が集まっている」というイメージとは、少し違った事実ではないでしょうか。

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東京都の人口移動の動向。人口減少問題に関するファクトシート より

(出典:東京都「人口減少問題に関するファクトシート」

東京都の少子化対策

東京都においては、生涯未婚割合の大幅な上昇、子どもが1名以下の夫婦の割合が増加している現状に対し、「結婚したい」「子どもを持ちたい」と望む人の後押しとなる施策を進めています。

住宅関係では、「東京こどもすくすく住宅供給促進事業」として、住宅事業者に対して、認定住宅の整備費の一部支援をしています。

また、住宅価格や家賃の上昇を背景に、民間活力を使い、子育て世帯等が住みやすい「アフォーダブル住宅」の供給推進も2025(令和7)年度に新設されます。

そのほか、結婚支援マッチング事業、不妊治療費用・無痛分娩費用の助成といった、結婚から出産までの支援や、東京都認証学童クラブ事業などの保育・教育に関する支援に取り組んでいます。

さらに、職場環境や社会機運など、間接的に少子化に関わる分野に関しても、少子化対策として取り組みを進めています。

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「東京こどもすくすく住宅認定制度」は、居住者の安全性や家事のしやすさなどに配慮された住宅で、かつ、子育てを支援する施設やサービスの提供など、子育てしやすい環境づくりのための取り組みを実施する優良な住宅を東京都が認定する制度です。令和7年度の補助金の交付申請の受付が4月16日から開始されています

参考:東京こどもすくすく住宅認定制度

人口動態や自治体施策に注目

今回解説した東京の人口の変化や現在の姿は、もともと持っていたイメージに近かったでしょうか。東京都が発表している「人口減少問題に関するファクトシート」の内容は、少し意外なデータだったかもしれません。

人口の増減といった大きなトレンドだけでなく、世帯構成や年齢構成の変化、さらには海外からの転入など、人口の変化から新たな顧客ニーズが見える事例も多いはずです。また、東京都に限らず、各自治体による少子化対策事業や補助金はさまざま存在します。

自社の事業やサービスに影響のある人口の変化や自治体の少子化対策事業などについて、情報収集しておくことが重要ではないでしょうか。

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入船みみ
入船みみ
大阪大学卒業後、大手インフラ企業に入社。まちづくり企画・不動産賃貸業・店舗開発などの幅広い不動産事業を経験。人事分野にも携わり、採用・人材育成・組織戦略(ワークエンゲージメント)を推進している。豊富な実務経験をもとに、WEBメディアにおいて不動産・キャリア形成・金融をテーマとした記事執筆多数。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。宅地建物取引士試験合格。 SNS・記事実績リンク:https://1link.jp/mimi_irifune

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