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シェアハウスと一人暮らしのいいとこ取り? ソーシャルアパートメントが密かに人気の理由

シェアハウスと一人暮らしのいいとこ取り? ソーシャルアパートメントが密かに人気の理由

LIFULL HOME’S総研の中山です。
今回はコロナ禍明けの2023年頃から徐々に人気になってきた新しい賃貸住宅のかたち、ソーシャルアパートメントについて解説します。

ソーシャルアパートメントは一言で言うと“シェアハウスと一人暮らしのいいとこ取り”とされており、プライバシー重視の個人居住スペースと充実した共用スペース(=交流スペース)が組み合わされた賃貸住宅のことです。

目次[非表示]

  1. 1.シェアハウスは共同生活、ソーシャルアパートメントは個人&交流
  2. 2.良いこと尽くめのソーシャルアパートメント。一方で留意すべき点も
  3. 3.住むことに意義や価値が提供できる賃貸物件が注目されている

シェアハウスは共同生活、ソーシャルアパートメントは個人&交流

これってシェアハウスとどこが違うの? と思われるかもしれませんが、シェアハウスは賃料をなるべく安価にするために、通常の賃貸物件に用意されている水回りの設備が基本的にすべて共用部分に設置されており、個人スペースは寝室兼リビングとして専ら利用されます。つまりシェアハウスに住むユーザーはほぼ共同生活を前提として暮らすことになります。
 
これに対してソーシャルアパートメントは、シェアハウスよりも個人のプライバシーを重視して独立した水回りを各住戸に設置していますが(水回り共用タイプもあります)、それ以上に広いキッチンやラウンジ、BBQのできる屋外ガーデン、大型モニターを備えたシアタールーム(スポーツ観戦も大画面で楽しめます)やフィットネススタジオ、仕事に適した個人用ブースなど、充実した住人同士の交流が可能なパブリックスペースが用意されていて、一人暮らしでは経験できないようなさまざまなアクティビティ、グループへの参加・交流などを通じて“自分の世界を積極的に広げる”ことがイメージしやすい賃貸住宅です。
 
もちろん同じソーシャルアパートメントの住人と顔を合わせたくない気分の時は、個人の部屋にそのまま入ることができる動線も別途用意してあるという配慮もあり、パーソナルスペースとソーシャル(パブリック)スペース=PP分離・両立型の賃貸住宅と言えます。
 
シェアハウスよりも個人のプライバシーに意識が向けられていて、それでも身近にいる隣人と積極的に交流を図ることもできて、快適な共用スペースも用意されているわけですから、まさに現代の若年層のライフスタイルにもフィットする賃貸住宅だと思います。

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シェアハウス、ソーシャルアパートメントともに住民同士の交流が特徴ですが、共有部や専有部、家賃についても違いがあります

良いこと尽くめのソーシャルアパートメント。一方で留意すべき点も

このように、一人暮らしの不便や寂しさなどとは無縁の生活を送ることができるイメージが強いソーシャルアパートメントは、交流を通じて仕事や地縁とは別に趣味や考え方を通じて友人を作ることもでき、また一緒に起業したり、中には結婚に至るケースもあって幅広く“交流”を楽しむことができます。
 
また、設備・仕様もクオリティが高く、充実した共用スペースを活用して質の高い賃貸居住が可能なことも大きなアピールポイントでしょう。共用スペースの清掃や維持・管理は専門スタッフが対応してくれるのも気兼ねなく使えるという意味で良いサービスです。
 
ただし、やはり賃貸物件ですから防音や振動、断熱性などには限界があり、静謐な空間でゆっくり過ごしたいと考えるユーザーには不向きな場合があります。パーソナルスペースが確保されているとは言え、生活様式が異なれば深夜に話し声や音が聞こえてくることもあるでしょうから、そこは“交渉”の余地があると言えるでしょう。また、設備やサービスが充実しているだけにコストは相応に発生しますので、なるべくコストを抑えて賃貸生活を過ごしたいと考えているユーザーにはハードルが高めであることも事実です。
 
さらに、当然のことながら、“交流”を大きなテーマに掲げているソーシャルアパートメントですから、入居時の審査では経済的な側面はもちろん、明るく開放的な人柄なのか、また協調性や社会性など人物像にフォーカスした審査も実施されるという点でもハードルは決して低くないと考えておくべきでしょう。その意味では企業への入社時の面接試験のようなイメージもあります。

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シェアハウス、ソーシャルアパートメントともに掃除や共有部の管理などにかかる費用が発生することも共通点です

住むことに意義や価値が提供できる賃貸物件が注目されている

現状ではソーシャルアパートメントの普及はまだまだ少なく、その存在も知る人ぞ知るというレベルですが、円安や人件費・諸物価の高騰という状況でもあり、賃料もエリアによっては大きく上昇し始めていますから、ユーザーは安くはない賃料を“投資”するだけの価値がこの賃貸物件にあるのか、という視点で検討するケースが増えています。
 
つまり、単に住むだけではなく、住むことに意義や価値を見出すことができる賃貸物件が注目されているということを認識しておく必要があるのです。例えば、先に紹介した“サブスク賃貸”や“賃貸物件でのサブスクサービス”、また“光熱費込みの高断熱賃貸住宅”などもこういった差別化の一環として捉えることができます。
 
 ≫ 差別化に有効な「サブスク賃貸」とは? 賃貸のサブスクサービスとの違いは?
 
賃貸住宅としてのハード面の充実や、ユニークなサービスの提供など、賃貸ユーザーは“付加価値”の認められる物件を求めるケースが増えていることを前提に、これからの賃貸管理業のあり方を考えていただきたいと思います。
 
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中山 登志朗
中山 登志朗
株式会社LIFULL / LIFULL HOME'S総合研究所 副所長 兼 チーフアナリスト 出版社を経て、 1998年より不動産調査会社にて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演多数。2014年9月より現職。

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