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2025賃貸不動産経営管理士試験 直前総仕上げ~“絶対合格する”ための3大ポイント~

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11月16日、年に一度の「賃貸不動産経営管理士」試験が迫っています。受験準備のラストスパートは、知識を広げるフェーズではなく、出題の90%以上を占める「定番テーマの深掘り」に集中する時期です。

合格ラインを確実に越えるため、以下の3大ポイントを徹底しましょう。

賃貸住宅管理業法は満点狙い

賃貸住宅管理業法は、50問中約20問(標準契約等も含む。)が出題されており、絶対に得点しなければならない分野です。

特に、業務管理者が管理・監督しなければならない次の7項目に関する内容は必ず出題されると思ってください。もちろん、この7項目自体も暗記しなければなりません。

(1) 管理受託契約前における書面の交付及び説明に関する事項
(2) 管理受託契約時における書面の交付に関する事項
(3) 管理業務として行う賃貸住宅の維持保全の実施に関する事項及び賃貸住宅に係る家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理に関する事項
(4) 帳簿の備付け等に関する事項
(5) 管理受託契約の依頼者に対する定期報告に関する事項
(6) 秘密の保持に関する事項
(7) 賃貸住宅の入居者からの苦情の処理に関する事項

もう一つ絶対に暗記してほしいものは、管理受託契約と特定賃貸借契約の異同です。これは毎年必ず出題されます。その違いを理解して、それぞれの契約書に記載すべき事項を絶対に暗記しておく必要があります。

まず、前提として、管理受託契約は、賃貸人と賃貸住宅管理業者との間の契約で、委任契約・準委任契約及び請負契約の性質を有する賃貸管理業務の委託を内容とするものです。それに対して、特定賃貸借契約は賃貸住宅の所有者等と特定転貸事業者との間の契約で、建物賃貸借契約の性質を有する賃貸管理業務の委託もその内容とすることができるものです。

以下、両契約書の記載すべき事項で共通(または類似)するものと、違うものをまとめます。

(1) 対象となる賃貸住宅
 ⇒管理受託〇
 ⇒特定賃貸〇

(2) 報酬・賃料に関する事項
 ⇒管理受託〇:報酬の額並びにその支払の時期及び方法
 ⇒特定賃貸〇:特定賃貸借契約の相手方に支払う家賃その他賃貸の条件に関する事項

(3) 管理業務・維持保全の実施方法
 ⇒管理受託〇:管理業務の内容及び実施方法、管理業務の一部の再委託に関する事項
 ⇒特定賃貸〇:特定転貸事業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法

*特定賃貸借には、維持保全業務の一部再委託に関する事項という項目はありません。

(4) 契約期間に関する事項
 ⇒管理受託〇
 ⇒特定賃貸〇

(5) 契約の更新と解除に関する事項
 ⇒管理受託〇
 ⇒特定賃貸〇

*特定賃貸借の場合は「定めがあるとき」に記載する事項となっています。

(6) 業者の情報
 ⇒管理受託〇
 ⇒特定賃貸〇

*管理受託の場合は「登録年月日及び登録番号」も記載します。

(7) 管理業務・維持保全業の費用に関する事項
 ⇒管理受託〇:報酬に含まれていない費用で管理業者が通常必要とするもの
 ⇒特定賃貸〇:賃貸住宅の維持保全に要する費用の分担に関する事項

(8) 委託者・賃貸人への報告に関する事項
 ⇒管理受託〇:管理業務の実施状況等について少なくとも1年に1回以上委託者に報告する点に関する事項  
 ⇒特定賃貸〇:特定賃貸借契約の相手方に対する維持保全の実施状況の報告に関する事項

(9) 責任及び免責に関する事項
 ⇒管理受託〇
 ⇒特定賃貸〇

*特定賃貸借の場合は「定めがあるとき」に記載する事項となっています。

(10) 管理業務・維持保全業務の周知に関する事項
 ⇒管理受託〇
 ⇒特定賃貸〇

(11) 転借人の資格その他の転貸の条件に関する事項
 ⇒管理受託×
 ⇒特定賃貸〇

(12) 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容
 ⇒管理受託×
 ⇒特定賃貸〇

(13) 契約が終了した場合における特定転貸事業者の権利義務の承継に関する事項
 ⇒管理受託×
 ⇒特定賃貸〇

借地借家法は完璧に~特に更新解約・定期借家・増減額請求は頻出分野~

借地借家法は、賃貸不動産経営管理士試験で毎年5〜7問前後を占める最重要科目です。近年は、単純な暗記ではなく、学説上の対立がある論点からも問われる傾向にあります。とくに以下の3テーマは、確実に条文単位で記憶すべき出題核です。

(1)建物賃貸借の更新と解約

建物賃貸借の更新には、合意更新と法定更新があります。

期間満了の1年前から6か月前までに、賃貸人が正当事由ある更新拒絶通知をしない場合、従前と同一条件で契約は自動的に更新されます。これを法定更新といいます。賃借人からの更新拒絶も同期間内に行う必要がありますが正当事由は必要ありません。

なお、正当事由ある通知をしたにもかかわらず賃借人が退去しない場合、賃貸人は遅滞なく異議を申し立てる必要があります。

法定更新した後に解約する場合は、賃貸人からは6か月前に正当事由ある解約申し入れが必要です。ちなみに、賃借人からの場合は正当事由は必要なく、通知すると3か月で契約は終了します。

正当事由の判断は、(1)建物使用の必要性、(2)経過、(3)利用状況、(4)立退料の提供などを総合考慮して行われます。特に、立退料は判断要因の1つに過ぎない点は頻出分野です。

(2)定期建物賃貸借

定期借家契約は、更新されないことを前提とする特別な契約です。出題では「普通借家との違い」「説明・書面要件」「期間」「再契約扱い」などが狙われます。

〇契約形式:書面(公正証書またはこれに準ずる書面)での締結が必須(38条1項)。

〇説明義務:契約締結前に、「更新がないこと」を賃貸人が書面で説明しなければ無効となり(38条2項)、普通借家になります。

〇期間制限:制限なし(1年未満でも有効)。

〇中途解約:居住用200m2未満で転勤・療養等やむを得ない事情がある場合、賃借人からは1か月前告知で中途解約できます(38条5項)。賃貸人からは中途解約は認められません。

(3)借賃の増減額請求

借地借家法32条は、経済事情・租税負担・近傍相場の変化により家賃が不相当となったときに、貸主・借主の双方から請求できる借賃の増減額請求権を定めています。頻出分野なので正確に暗記しておきましょう。

〇請求事由(32条1項)
(1)租税その他の負担の増減
(2)土地・建物価格等経済事情の変動
(3)近傍同種建物の借賃比較による不相当性

〇効力発生時期(32条2項)
請求後、協議・調停・判決等により決定した場合、請求時に遡って増減額が確定する。

〇確定判決の効果
・増額請求⇒相当額の支払い⇒判決
⇒相当額では足りなかった場合⇒10%利息で返還する
⇒相当額が過分だった場合⇒3%利息で返還する

・減額請求⇒相当額の支払い⇒判決
⇒相当額では過分だった場合⇒10%利息で返還する
⇒相当額では足りなかった場合⇒3%利息で返還する

〇合意排除特約の有効性
「増額しない」旨の特約は一定範囲で有効ですが、減額を排除する特約は無効となります。ただし、定期建物賃貸借の場合はどちらも有効です。

敷引特約・原状回復・ガイドライン

敷金や原状回復は、賃貸不動産経営管理士試験で毎年必ず出題される超定番分野です。特に、敷引特約の有効性(消費者契約法10条)、原状回復の範囲(民法621条・622条・借地借家法33条)、そして国交省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(平成23年再改訂)」が並行して問われる傾向にあります。

この3テーマを体系的に整理しておくと、得点を大きく伸ばせます。

(1)敷金と敷引特約

敷金とは、賃借人の賃料債務その他契約上の債務を担保するために交付される金銭(民法622条の2第1項)です。契約終了時には、未払賃料や原状回復費用等を控除した残額を返還する義務があります。

一方、「敷引特約」とは、契約終了時にあらかじめ一定額を控除(=差引)して返還しないとする特約です。この敷引特約の有効性について、最高裁平成23年3月24日判決は次のように判断しています。

「消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約は、信義則に反して賃借人の利益を一方的に害するものであると直ちにいうことはできないが、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる損耗や経年により自然に生ずる損耗の補修費用として通常想定される額、賃料の額、礼金等他の一時金の授受の有無及びその額等に照らし、敷引金の額が高額に過ぎると評価すべきものであるときは、当該賃料が近傍同種の建物の賃料相場に比して大幅に低額であるなど特段の事情のない限り、信義則に反して消費者である賃借人の利益を一方的に害するものであって、消費者契約法10条により無効となる。」

参考:最高裁判所ホームページより

(2)建物賃貸借の終了と原状回復義務

賃貸借が終了した場合、賃借人には「目的物を原状に回復して返還する義務」(民法621条、借地借家法33条)が生じます。

ただし、ここでいう原状回復とは「入居当時の状態に戻す」ことではなく、借主の故意・過失・善管注意義務違反・その他通常の使用を超える損耗や毀損を回復すること」を意味します。

つまり、経年劣化や通常損耗については、賃貸人負担とされます。

(3)原状回復ガイドライン

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」は、国交省が賃貸住宅の退去時トラブルを防止する目的で定めたものです。

法的拘束力はありませんが、多くの判例をベースに作り上げた判例法理であり、実務では重視されています。毎年2問以上出題されており、必ず得点源にしなければならない分野です。

ガイドラインでは、以下の区分が明確に示されています。

〇貸主負担
・通常の住まい方による汚れや経年変化
・家具の設置跡、日焼け、畳の変色、クロスの黄ばみなど

〇借主負担
・喫煙によるヤニ汚れや臭気付着
・ペットの爪痕や臭気
・清掃・手入れを怠った油汚れ、カビ等
・賃借人が所有するエアコン取付跡(ビス穴など)は通常使用に含まれ、貸主負担と明記

また、鍵交換費用は、紛失・破損がなければ「貸主負担」が原則とされています。

〇試験対策ポイント:
・ガイドラインは法的拘束力なし(行政指針)
・貸主負担=経年劣化・通常損耗
・借主負担=故意過失・喫煙・ペット・清掃怠慢
・鍵交換(破損・紛失なし)は貸主負担
・ヤニ汚れ・臭気=借主負担

本記事をお読みいただいた受験生様が一人でも多く合格されることをお祈り申し上げます。

KENビジネススクール 田中嵩二
KENビジネススクール 田中嵩二
株式会社KENビジネススクール代表取締役社長、明海大学不動産学部 講師 1971年生まれ。中央大学大学院法学研究科を修了後に高校教諭をしながら、大手資格予備校で宅建・公認会計士等の講師を兼任。2003年にKENビジネススクールを設立し、同社は国土交通大臣指定の宅建登録講習(5点免除講習)・宅建登録実務講習(合格後の実務研修)の実施機関に認定され、現在は、全国で宅建・賃貸不動産経営管理士・投資不動産販売員等の講座を実施している。 個人としては、「これで合格宅建士シリーズ」「これで合格賃貸不動産経営管理士シリーズ」「楽学賃管士1問1答+予想模試」等の書籍を執筆(40冊以上出版)。また、2025年度から明海大学不動産学部で不動産取引に関する科目について講義を担当。 全国賃貸住宅新聞及びAllabout、楽待不動産投資新聞等のネット記事で宅建士・賃貸不動産経営管理士・不動産投資に関する記事を連載中。 宅建及び賃貸不動産経営管理士、投資不動産販売員の企業研修講師を担当し、某大手不動産販売会社で3年連続100%合格率を達成。

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