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不動産国家資格8選! 業界で差をつけるための活用術を徹底解説

不動産国家資格8選! 業界で差をつけるための活用術を徹底解説

不動産業界でキャリアを築くうえで、国家資格の有無は大きな分かれ道になります。資格を保有していると転職や昇進に有利になり、企業からの信頼や顧客対応力の面でも差をつけることができます。
 
一方で、不動産に関する国家資格は種類が多く、「どの資格を取得すべきかわからない」と悩む方も少なくありません。そこで本記事では、不動産業界で特に役立つ代表的な国家資格を紹介し、それぞれの特徴や難易度、活用方法を詳しく解説します。
 
スキルアップやキャリアの選択肢を広げたい方は、ぜひ資格選びの参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.不動産業界で役立つ8つの国家資格一覧
    1. 1.1.1. 宅地建物取引士(宅建士)
    2. 1.2.2. 賃貸不動産経営管理士
    3. 1.3.3. マンション管理士
    4. 1.4.4. 土地家屋調査士
    5. 1.5.5. 行政書士
    6. 1.6.6. 司法書士
    7. 1.7.7. 不動産鑑定士
    8. 1.8.8. 建築士(一級・二級)
  2. 2.不動産国家資格の活用法3選
    1. 2.1.1. 資格手当や転職で年収アップを目指す
    2. 2.2.2. ダブルライセンスで専門性を高める
    3. 2.3.3. 社内評価を上げて昇進のチャンスを広げる
  3. 3.まとめ

不動産業界で役立つ8つの国家資格一覧

以下は、不動産業界での実務に役立つ代表的な国家資格の一覧表です。各資格の主な業務内容や受験資格、合格率の目安を確認することで、自分に合った資格を見つける手がかりになります。

資格名
主な業務内容

受験資格

合格率(目安)


宅地建物取引士(宅建士)


不動産売買・賃貸借契約時の重要事項説明と契約書類等への記名

誰でも可

約15~18%

賃貸不動産経営管理士

賃貸住宅の管理業務・入居者対応など

誰でも可

約24~36%

マンション管理士
分譲マンションの管理組合に対する運営アドバイス

誰でも可

約8~12%

土地家屋調査士

不動産の表示登記、土地の境界測量など

誰でも可

約9~11%

行政書士

許認可申請、契約書など法律書類の作成

誰でも可

約10~14%

司法書士

不動産・相続・会社設立などの登記手続きの代理

誰でも可

約4~5%

不動産鑑定士

不動産の価格評価、公的評価業務(地価公示など)

誰でも可

約6%

建築士(一級・二級)

建物の設計・工事監理、建築確認申請など

実務経験・学歴要件あり

一級:約9%
二級:約20~26%
木造建築士:約33~44%

ここでは、それぞれの資格について詳しく解説します。

1. 宅地建物取引士(宅建士)

宅建士は、不動産業界で最も基本的かつ重要な国家資格とされており、まず最初に取得を目指すべき資格です。その理由は、法律によって以下のような「独占業務」が定められており、有資格者の配置が義務付けられていることにあります。

・不動産売買や賃貸借契約時の重要事項説明
・重要事項説明書への記名
・不動産売買や賃貸借契約書への記名
 
受験資格に制限はなく、年齢や学歴にかかわらず誰でも受験できます。試験では民法・宅建業法・法令上の制限・税に関する法令などから出題され、合格率は15〜18%前後とやや高めだといえます。独学での合格者も多く、人気の高い資格です。
 
宅建士資格に対して資格手当を支給する不動産企業も多いため、不動産業界におけるキャリア形成の第一歩として有効な資格です。
 
参考:一般財団法人不動産適正取引推進機構 宅建試験の概要
 
 ≫ 宅建を取得するメリットとは? 試験の合格率や難易度も解説

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重要事項説明書への記名などの独占業務がある宅地建物取引士は不動産業界で特に人気の資格といえます

2. 賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の管理に特化した国家資格で、2021年4月に法定資格として位置づけられました。200戸以上の賃貸物件では有資格者の配置が原則として必要とされるため、需要が高まっています。
 
試験は誰でも受験可能で、直近5年間での合格率は約24〜37%と、中程度の難易度です。試験では賃貸借契約・建物管理・関連法令などについて幅広く問われます。
 
宅建士と併せて取得することで、実務面での評価や活躍の幅が広がる実用性の高い資格です。

 ≫ 賃貸不動産経営管理士の勉強時間、学習の順番は? 短期間で合格するには

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2021年に国家資格になって以降、注目が集まる賃貸不動産経営管理士。毎年受験者数は3万人ほどです


3. マンション管理士

マンション管理士は分譲マンションの管理組合に対し、運営や維持管理の助言を行う国家資格です。管理体制の適正化に貢献するために、法令・会計・建築に関する幅広い知識が求められます。
 
受験資格はなく誰でも受験できますが、合格率は約8〜12%と難易度が高めです。管理業務主任者(マンション管理会社に配置が義務付けられている資格)と出題範囲が一部重なるため、同時学習で効率よく取得を目指せます。
 
管理業務に携わる方にとって、専門性を高めるための有力な資格です。
 
 ≫ マンション管理士の資格を取得するメリットとは? 勉強時間・試験スケジュールを解説

4. 土地家屋調査士

土地家屋調査士は、不動産の表示登記に関する専門資格で、土地の境界や建物の形状を正確に測量・記録する役割を担います。
 
受験資格はなく誰でも受験可能ですが、試験は筆記試験と実技の2部構成となっており、合格率は9〜11%と低めです。建築・測量分野で高く評価され、境界トラブルや登記変更の場面で活躍できる実務性の高い資格です。
 
 ≫ 土地家屋調査士ってどんな仕事? 役割と資格取得のメリットを徹底解説

5. 行政書士

行政書士は、官公庁への申請書類作成や許認可手続きを代行する法律系の国家資格です。不動産業界では、開業や契約書作成、建設業許可申請などで活用されます。
 
受験資格はなく、誰でも受験可能です。合格率は10〜14%程度で、憲法・民法・行政法・会社法などの法令科目を中心に幅広い知識が問われます。法律知識を生かして不動産関連業務を支援したい方や、独立を視野に入れる方に適した資格です。

6. 司法書士

司法書士は、不動産登記や商業登記を扱う専門職で、不動産の売買や相続に伴う登記手続きを代理できる数少ない国家資格です。不動産の所有権移転登記は多くの場面で求められるため、不動産業界との結びつきも強い資格だといえます。
 
受験資格はなく誰でも受験可能ですが、合格率は4〜5%程度と非常に低く、法律系資格の中でも難関とされています。登記や法律の専門性を高めたい方に適した資格です。
 
 ≫ 不動産売買で司法書士の資格は有利? 資格取得のメリットを紹介

7. 不動産鑑定士

不動産鑑定士は、不動産の適正な価格を評価する国家資格で、裁判所や金融機関、公的機関の評価業務にも携わります。地価公示や相続時の不動産の評価などにも対応できるため、需要は安定しています。
 
受験資格はなく、短答式試験・論文式試験に合格したあと、実務修習を経て登録されます。合格率は6%程度と非常に低く、取得には長期的な学習が必要です。
 
不動産分野で高い専門性を目指す方に適した資格です。
 
 ≫ 不動産鑑定士とは? 資格の概要と業務内容を解説
 ≫ 不動産鑑定士の資格取得の4つのメリットとは
 ≫ 不動産鑑定士として独立するには? 成功するために必要な準備
 ≫ 不動産鑑定士の年収、難易度は? 将来性と登録までの手順

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不動産鑑定士は非常に難易度が高いため、長期にわたり勉強を継続する必要があるでしょう
令和7年不動産鑑定士試験ポスター

(出典:国土交通省 不動産鑑定士試験

8. 建築士(一級・二級)

建築士には一級・二級・木造の3区分があり、扱える建築物の規模や構造がそれぞれ以下のように異なります。
 
・一級:すべての建築物に対応(合格率:約9%)
・二級:木造および小規模な非木造建築物(合格率:約22〜26%)
・木造建築士:主に木造住宅を対象(合格率:約33〜45%)
 
不動産業界では、建物の構造説明やリノベーション提案に建築士の資格を生かすことができます。受験するには既定の学歴や実務経験が必要で、たとえば高校卒業後に建築系以外の学科を修了した場合、二級建築士の受験には7年以上の実務経験が求められます。また、一級建築士を目指すには、建築系大学卒業後4年以上の実務経験、もしくは二級建築士として所定の実務経験(通常は4年以上)が必要です。
 
建築の専門知識を生かせる技術系国家資格として高い価値があります。

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建築士は建物の設計や工事監理を行う建築のプロです。一級建築士、二級建築士、木造建築士の3つの区分があります

不動産国家資格の活用法3選

ここでは、不動産国家資格を活用する具体的な方法を3つ解説します。

1. 資格手当や転職で年収アップを目指す

不動産国家資格の取得は、年収アップに直結する有効な手段です。多くの企業では、宅建士や管理系資格の保有者に対して月1〜3万円程度の資格手当を支給しています。
 
特に宅建士は法令によって配置が義務付けられているため、有資格者を歓迎する求人が多く、採用や待遇面で優遇される傾向があります。実際に、初任給や昇給の面で無資格者との間に差が見られることも少なくありません。
 
中途採用においても「宅建士歓迎」の求人が多く、書類選考や面接の通過率が高まるため、複数ある不動産関連資格の中でも、まずは宅建士の取得が安定した収入への近道といえるでしょう。

2. ダブルライセンスで専門性を高める

国家資格を複数取得することで専門性がより高まり、対応可能な業務の幅も広がります。
 
たとえば、宅建士に加えてマンション管理士や不動産鑑定士を取得すれば、売買・賃貸だけでなく、管理や評価まで一貫して対応できる人材として重宝されます。近年は「ダブルライセンス採用」を実施する企業も増えており、人事評価やポジションにも良い影響を与えると考えられます。
 
また、不動産に関する資格は、試験範囲が重複することが多いため、効率的な学習ができ、同時受験も可能です。不動産の実務でより高度な業務を担当したい方には、相乗効果のある資格を組み合わせて取得するのがおすすめです。

3. 社内評価を上げて昇進のチャンスを広げる

国家資格の取得は社内での信頼向上にもつながり、昇進のチャンスを広げるきっかけになります。特に宅建士や賃貸不動産経営管理士など、実務に直結する資格を取得すると「業務に関する専門知識のある人材」として評価され、重要な案件やポジションを任される可能性が高まります。
 
また、資格取得に取り組む姿勢自体が「向上心のある人材」であることを示すため、上司や同僚からの信頼にもつながります。キャリアアップを目指すうえで、国家資格は実力と前向きな姿勢を証明する強力な手段となります。

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資格取得を目指す場合は、教育訓練給付金などの制度を活用するとよいでしょう

 ≫ 教育訓練給付制度を活用して宅建は取れる? 制度概要やその他の不動産資格を紹介

まとめ

不動産業界で長く活躍するためには、国家資格の取得とその効果的な活用が欠かせません。宅建士をはじめとした8つの資格は、いずれも実務に直結し、転職や昇進、独立といったキャリアの選択肢を広げてくれます。
 
また、複数の資格を組み合わせることで、専門性と市場価値がさらに高まります。今後のキャリアをより有利に進めるためには、早い段階から目標を定めて学習をスタートすることが重要です。
 
国家資格の取得を通じて、不動産のプロとしての道を着実に築いていきましょう。
 
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岩井佑樹 ゆう不動産代表
岩井佑樹 ゆう不動産代表
合同会社ゆう不動産代表。熊本学園大学商学部経営学科卒業。大学卒業後に飲料メーカーの営業として7年間勤務後、宅建を独学で取得し不動産業界に転職。不動産業界歴は10年目となり、現在は不動産会社とWebライティング制作会社を経営。今まで、実体験を絡めたリアルな不動産関連の記事を500記事以上作成。日ごろから、記事を読む人が「どんなことで悩んでいるのか」「どんなことを知りたいのか」など、読み手の方の気持ちに寄り添って記事を書くように心がけている。

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